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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編
403/672

四〇三話 迎撃シューティング


「バローネと情報にない鎧のヤツが「七瀬」に奇襲かけてきやがったらしい」


「なっ……」


十束俊介と連絡したガイからの報告にヒロムは驚き、横で聞いていたクロムはガイに対して質問をした。


「戦況は?」


「あ、ああ……。

十束さんが言うにはバローネと一緒に現れた鎧のヤツは色が白く、堅いらしい」


「苦戦してるのか?」


「……「七瀬」の能力者は粗方倒されたらしいが、今はソラが一人で何とかしてるらしい」


「待てよガイ。

「十家」の序列下位の「七瀬」だからってそんな簡単に……」


「残念だがシオン、「七瀬」の能力者はオレたちのような戦闘向きではなく支援系が多いようだ。

十束さんが応戦できるくらいだったらしいが情報にない白い鎧のヤツが全ての攻撃を防ぎ、シンクの情報通りに弓を使うバローネが遠距離から確実に倒そうとしてくるらしい」


「……やり方が卑劣だな」


「マスター、オレとアンタなら雷纏ってクールに駆けつけられるぜ?」


敵のやり方に怒りを隠せないシオンに提案するように彼の精霊である兎・ライバが話すが、それを聞いたガイは彼らを止めようとした。


「ダメだ。

敵はヒロムとオマエを狙ってここに現れた。

もしオマエが行って敵が待ち伏せてたとしたら戦場が分断されて手の打ちようが無くなるだけだ」


「……クールじゃねぇな」


「ならどうする?

イクトたちは向かわせただけで対処出来るのか?」


方法ならある、とヒロムはシオンに言うとある方向を指さした。


ヒロムが指さした先……そこにはシオンとライバの雷撃に全身を焼かれて倒れたアスラナがいた。


「……なるほど」


ヒロムが言おうとしてる事を理解したのかシオンは頷くとヒロムに対して質問をした。


「目を覚まさなきゃ頭に電気流しても情報吐かないぞ?」


「ああ、目を覚ますのを待つしかない。

けど……オマエの能力でこの女のデバイスシステムの修復機能とやらを暴走させて無理やり起こせば話は別だ」


「デバイスシステムを?」


「ヒロム、この女がデバイスシステムを持ってるとは……」


「ライバの攻撃が受けた女はライバを仕留めようとデバイスシステムで自分を強化したかのようないい方だった。

と言うことはデバイスシステムを何らかの形で持っている証拠であり、ヒロムの言うデバイスシステムを攻撃した修復機能の暴走も可能ってわけだ」


ヒロムの提案にガイは疑問を抱き、それについて訊ねようとするがクロムはアスラナがデバイスシステムを持つ可能性とヒロムの言う方法が可能であることをガイとシオンに説明した。


自分のことを名で呼んだクロムのことが気に入ったのかライバは嬉しそうに彼を見つめ、視線を受けたクロムは親指を立てて返した。


「……クールだな」


「デバイスシステムの暴走で目を覚ましたら紅月シオン、オマエはライバと一緒に拷問しろ。

雨月ガイは拷問で得た情報を素早く黒川イクトに伝えろ」


「分かった」


「……やるしかないな」


クロムに指示にシオンとガイは返事をすると倒れているアスラナの方に向かい、ガイはアスラナを担ぎ上げてシオンと共に拷問のための場所に向かおうと屋敷の方へ歩いていく。


それについて行こうとライバも走っていこうとするが、ヒロムはライバを呼び止めると彼にあることを頼んだ。


「ライバ、もし可能なら飛天と仲良くしてやって欲しい。

アイツは多分……オマエと仲良くなりたいと思ってるからさ」


「……クールに引き受けてやる。

可愛がってやる」


ほどほどにな、とヒロムが言うとライバは頷き走っていく。


ライバの後ろ姿をヒロムが見届けているとクロムはヒロムに向けて話し始めた。


「……オマエの言う方法は敵の用意した罠の可能性もある。

それでもやるのか?」


「あの女を回収しなかったのは確かにその可能性が大きい。

だが何もしないわけにはいかない。

オレたちは何も知らない、対する相手はこちらを知っているという状況を打破するには必要だ」


「打破、か。

この先に待つのは敵の筋書き通りの道だぞ?」


「……そう思うか?」


「何?」


「七瀬アリサのところに向かわせたのがソラでよかった。

アイツならバローネともう一体のヤツも倒せる」


「随分信頼してるんだな。

そんなに頼りになるのか?」


「ああ、なる。

アイツは強いからな。

何せ「魔人」の力を……」


まだだ、とヒロムの言葉を遮るようにクロムは言うと続けてソラについて話していく。


「アイツはまだ覚醒していない」


「覚醒?」


「……まだアイツは自分の可能性を見い出せてない」







***


その頃……



「十家」の一角を担う「七瀬」の屋敷……


そこは戦場と化していた。


戦塵が巻き上がり、負傷したスーツ姿の能力者たちが倒れ、七瀬アリサは負傷者を治そうと治癒術を施していた。


「うっ……痛い……」


「しっかりして!!

意識を保って!!」


痛みに苦しむ負傷者の傷を治癒しようと焦るアリサ。


爆発音が遠くで響く中、十束俊介が彼女のもとに現れると報告をした。


「お嬢様、雨月様から連絡がありました!!」


「雨月さんから……?」


「どうやら姫神様のもとに敵の仲間が現れたらしいのですが、そちらは撃退されたようです。

別行動されてる黒川様をこちらに向かわせるとのことです」


「増援が来るのね?」


そうです、と十束が答えるとアリサある方向を見つめながら祈るように言葉を発する。


「ソラ、仲間が来るまで持ち堪えて……!!」


アリサの視線の先……その先には相馬ソラがいた。


紅い拳銃「ヒートマグナム」を構えて謎の騎士・バローネと戦っていた。



「はっ!!」


右手に持ったヒートマグナムからビーム状に炎を何度も撃ち放ち、放たれた炎はバローネに向けて飛んでいくがバローネは左手をかざすとシールドを展開、展開したシールドでソラの放った炎を周囲に四散させるように防いでしまう。


「ちっ……厄介な武装持ってるな!!」


ソラは舌打ちしながら続々と炎を放つが、放たれた炎ははバローネのシールドに全て防がれてしまう。


バローネはソラの攻撃を防ぐとすかさず弓を構えて矢を連射するが、ソラは足に炎を纏わせると逆噴射させてブースターのようにすると飛行するようにして矢を回避していく。


「何と器用な……」


「うるせぇ」


ソラの回避に感心するバローネの言葉に対して冷たく返すとソラは銃身に炎を集め、巨大な炎の玉を放ってバローネを倒そうとする……


が、バローネが炎の玉をシールドで防ごうとすると白く堅牢な鎧の戦士が立ちはだかり、炎の玉を全身で受けると炎を気合で消してしまう。


「ふんっ!!」


「……繊細さの欠片もないな、こっちは」


「力で捩じ伏せる。

その中に美徳など必要ない」


白く堅牢な鎧の戦士・ヒューリーはバローネの言葉に対して言い返すとソラに向かって走り出し、ソラは向かってくるヒューリーに向けてビーム状の炎を連続で放つが、ヒューリーは避けようとも速度を落とそうともせずにソラに向かって真っ直ぐ走ってくる。


そして迫ってくるヒューリーはソラの放った炎を直撃で受けるも一切動じず、直撃を受けたはずの鎧にも一切のダメージがなかった。


「……堅い野郎だな!!」


ソラ、右手に持ったヒートマグナムを左手に持ち替えて構えると引き金を引いて三度銃声を響かせる。


銃声が鳴り響くとヒートマグナムから十八発の炎弾が同時に放たれ、同時に放たれた炎弾の数を見てヒューリーはソラについて分析していく。


「……データ通りだ。

右手は高火力攻撃を得意とし、左手は銃声一つで六発早撃ちを得意とする左右を使い分けるスタイル。

だが高火力攻撃が通じない私にその攻撃は無意味!!」


十八発の炎弾はヒューリーに迫っていくが、これまでの攻撃を受けてビクともしなかったヒューリーに命中しても効果はなかった。


が、ソラはさらに銃声を三度響かせるとまた炎弾を同時に十八発撃ち放つ。


「同じことだ!!」


ヒューリーはソラに接近する中で走ることをやめずに炎弾を強引に破壊して迫ってくる。


が、その過程で数発ヒューリーから逸れるように炎弾が飛んでいく。


その逸れた炎弾はバローネにも向かっていかない。


「命中精度を下げて攻撃性を重視したか。

だが当たったところでオレには効かん!!」


「……だろうな」


ソラは一言呟くと右手にヒートマグナムを持ち直してヒューリーの左右を通り越すようにビーム状の炎を二発放つ。


放たれた炎はソラの思惑通りにヒューリーの左右を通り越し、ヒューリーは何事もなくソラに接近すると彼を殴ろうとするが、ソラは全身を炎にしてヒューリーの攻撃を避けると彼に忠告した。


「ご自慢の装甲に頼るのもいいが……たまには他のことも気にした方がいい」


「何を……」


ソラが指鳴らすと先程放った二発のビーム状の炎が先に放たれて軌道の逸れた炎弾にぶつかりながら軌道を変えていき、軌道を変えるとヒューリーに向かって飛んでいき、そして……



二発の炎はヒューリーは両足の膝裏に命中、直後ヒューリーの動きが鈍ってしまう。


「!?」


「思った通りだ」


「まさか……」

(予想外……!!

相馬ソラ、キミはこの短時間でヒューリーの関節部までは装甲が強化されていないことを見抜いたのか!!)


ヒューリーの動きが鈍り、ソラの攻撃にバローネが驚いているとソラはヒートマグナムを投げて両腕に紅い炎を纏わせる。


「炎魔劫拳……焼装!!」


紅い炎を纏ったソラの両腕は紅い甲殻にも似たアーマーに包まれ、鋭く尖った爪、さらに小さな銃口のようなものが二つ、手の甲の部分に存在する悪魔のような腕に変化し、ソラは変化させた腕に炎を纏わせると拳を強く握った。


「ドラァァア!!」


炎を纏わせた拳でヒューリーを殴ると炎が炸裂してヒューリーが勢いよく吹き飛ばされ、拳に炎を纏い直すとソラはバローネに向けて拳を構え、構えた拳から巨大な炎の玉を放つ。


「くっ……!!」


ソラが放った炎の玉を防ごうとバローネはシールドを構えて防御の体勢に入る……が、バローネのシールドと炎の玉がぶつかると炎の玉が激しく燃え上がり、そして燃え上がった炎がバローネのシールドを徐々に焼いていく。


「なっ……」

(バカな……!?

氷堂シンクですら破壊できなかった私のシールドが!?

先程までは防げていたのに……)


「あんまナメんなよ?」


「!!」


シールドが徐々に焼かれることに戸惑うバローネの眼前へとソラは接近すると拳を強く握り、紅い炎を拳に纏わせるとバローネに告げた。


「オマエらはオレよりもヒロムやシンクが強いって考えてんだろ?

事実、ヒロムの方が強いしシンクの方が能力者として秀でてるのは確かだ。

けどな……オレがその程度で止まると思うな!!」


ソラが両手の拳をバローネのシールドに叩きつけるとシールドが砕け散り、拳を叩きつけた際の強い衝撃と炎の熱波にバローネは襲われる。


「ぐぁぁぁあ!!」


「この数日……オレはヒロムと戦えるように鍛えてんだからデータ通りだと思うなよ?」

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