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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編
402/672

四〇二話 二人の霊装


ヒロムとクロム、「クロス・リンク」を発動させた二人が並び立ち、そしてそれを見たスローネは攻撃が受けて仰け反っていた体を戻すと彼らに向けて告げた。


「……ようやく楽しめそうだ」


「楽しめそう?

悪いがすぐに終わらせてやるよ」


「ヒロムの言う通りだ。

悪いが……ここで終わらせてやる」


ヒロムは拳、クロムは剣を構えながらスローネを睨み、睨まれるスローネはため息をつくとどこからともなく剣を出すと右手に持ち、そして左手でかかってこいと挑発するように手招きする。


「……力の差を教えてやろう」


「「上等!!」」


スローネの言葉にヒロムとクロムは声を合わせて叫ぶと走り出し、走り出した二人は加速すると一瞬でスローネに接近して攻撃を放つが、スローネは華麗な動きで二人の攻撃を避けてしまう。


が、二人は止まらない。

攻撃を避けられたヒロムは連撃を放ち、放たれた連撃をスローネは避けていくのだが、クロムが剣を振ると無数の短剣が空を舞いながらスローネに襲いかかる。


スローネは無数の短剣を剣を用いて防ぐとヒロムを蹴り飛ばそうとするが、ヒロムは大剣を装備するとそれを盾にして防ぎ、ヒロムがスローネの攻撃を防ぐとクロムが回転蹴りをスローネに食らわせて蹴り飛ばす。


が、クロムの蹴りの入りが浅かったのかスローネはそこまで大きく飛ばされず、呆気なく構え直すと魔力を剣に纏わせ、スローネはヒロムとクロムに向けて魔力とともに斬撃を放つ。


「はっ!!」


「「……クロス・リンク!!」」


斬撃が迫る中でヒロムとクロムが同時に叫ぶと強い衝撃が斬撃を弾き、ヒロムは闇に、クロムは黒い魔力に包まれていく。


闇に包まれたヒロムは闇を彷彿とさせる紫色のロングコートを纏い、両手は紫色のグローブを着用、コートの下には青い装束を着ており、腰には膝くらいまでの長さはある青いローブを巻いた姿で現れ、クロムはヴァロンを倒したスラスターの装備された黒衣に身を包んだ姿で現れる。


「……「天妖」ラミア、「導姫」セレナ。

闇夜に染まれ、光輝を抱け我が魂……天妖導魔!!」


「さっさと仕留めるぞ」


「……ああ!!」


ヒロムとクロムは構えると動き出し、姿を変えた二人にスローネはどこか嬉しそうな反応を見せる。


「そうだ……それでこそ革命の戦士!!

我々の悲願のために必要な姿だ!!」


スローネは剣を構えると向かってくるヒロムとクロムを迎え撃とうと動き、ヒロムは闇を纏う中で精霊・セレナの武器である剣を構えるとスローネに向けて連続で突きを放ち、さらにクロムも刺突に特化した槍から連続でビームを放ってスローネを追い込もうとする。


スローネは華麗な動きでヒロムの突きとクロムのビームを次々に回避していくが、ヒロムはスローネにその動きに反応するように動くとスローネに追い付き、そして追いつくとヒロムは剣を逆手に持ち変えて柄でスローネを殴る。


「!!」


「反応速度なら天剣流星よりもこの天妖導魔の方が高い。

どんだけ速かろうと……関係ない!!」


ヒロムは剣を持ち直すと連続で斬撃をスローネの体に放ち、ヒロムに続くようにスローネに接近すると連撃を放つ。


二人の放った連撃を受けたスローネは大きく吹き飛ばされるが、剣を地面に突き刺すと吹き飛ばされた際の勢いを殺して体勢を整え、剣を抜くとスローネは首を鳴らして二人を褒めるように話し始めた。


「素晴らしい。

さすがは主人格と心の闇と言ったところか。

この外の世界での戦闘は初めてだろ?

それなのに息の合ったコンビネーション、実に素晴ら……」


「「ふざけたこと言うなよ」」


「はい……?」


スローネの言葉に対して声を揃えてヒロムとクロムは言い、話を止められたスローネが首を傾げるとヒロムとクロムは敵のことなど無視して互いに睨み合う。


そして……


「誰がこんな白髪と息の合ったコンビネーションなんてするかよ。

コイツが勝手に合わせてきてるだけだ」


「ちょっとした事で精神が不安定になるようなヤツに合わせてやってるんだからむしろ感謝しやがれ」


「あ?」


「やんのか?」


「オマエがその気ならやってやるよ深層隠居野郎が」


「笑わせんなよエセ覇王」


「オレはまだ本気じゃねぇから覚悟しとけ」


「奇遇だな。

オレもだ」


スローネのことなど忘れたかのように睨み合う二人。

するとヒロムはため息をつくとクロムの纏う力を見ながら彼にある事を確かめるように話し始めた。


「……鬼桜葉王が言ってたのはオマエじゃなくてそれの事か?」


「それ?

何のことだ?」


「誤魔化さなくていい。

その纏ってる力……それが葉王の言おうとしてたオレの認識していない精霊ってことか?」


ヒロムの言葉に対してクロムはため息をつくと少し間をあけ、そしてため息をつくとヒロムの言葉に対しての返事を返した。


「……そこまで理解してるなら問題ないな。

さっきみたいに教えろと叫ぶだけなら刺し殺してた」


「……オレがなぜ気づかなかったのか、ってきいても教える気は無いよな?」


「当然、教える気は無い。

今のオマエには教えられない」


ただ、とクロムはヒロムを見つめると彼に一言だけ伝えた。


「オマエがこの先何かに気づけば分かるかもな」


「……」


「まぁいい。

今はヤツを倒すぞ」


「……そうだな」


クロムに言われてヒロムは気を引き締め直すと彼と共にスローネの方を向いて構え、二人っきり話を終えるのを待ってたかのようにスローネは咳払いするとヒロムとクロムに向けて言った。


「いがみ合ってるように見えてその実は信頼してる、という感じだな」


「どこがだよ」


「オマエの目は節穴か?」


「そうやって誤魔化しても私にはわかる。

キミたちはいがみ合っていながらもその実、キミたちは心のどこかで相手を理解して頼りにしている。

そう、それは仲間や友などという浅はかな関係ではない。

……家族に近いものだ」


「何言ってんだアイツ?」


「どうやらオレとヒロムの関係を語りたいらしいな」


くだらないな、とヒロムは拳を強く握るとスローネ倒すために動こうとするが、スローネはそんなヒロムに向けて話し始めた。


「どうだい、姫神ヒロム。

戦いたいという意思に従って戦った感想は?

己に従って戦った感想は?」


「あ?

何言ってやがる?」


「キミは守るとか何とか色々言葉を並べていたが、結局のところ戦いたいというのが本心なのだ。

守るとかはただ戦いたいだけのキミの本心を偽る言い訳でしかないということだ」


「何を……」


「戦いたいからこそ「竜鬼会」との戦いも積極的になり、そして我々との戦いも心の中では喜んでいる」


「何言ってやがる……?」


スローネの言葉が理解できないヒロム。

理解出来ないことで不可解な顔をするヒロムに対してスローネはある事を告げた。


「姫神ヒロム……キミの本質は能力者と変わらない。

キミは……強い相手と戦うことを心の中で望んでいる。

それ故に心の闇であるクロムも戦うことを拒まない」


「……そうかよ」


スローネの言葉にヒロムはため息をつくと「クロス・リンク」を解き、そして右手に着けたブレスレットに白銀の光を放たせる。


「もう加減はしない」


「新たな「クロス・リンク」か。

残念だが……」


「やめとけ」


スローネの言葉を止めるようにクロムは言うと続けてヒロムがやろうとしてることについて話した。


「これはもう「クロス・リンク」の域には留められない力だ。

全てを超えて領域すら凌駕した精霊の霊装……」


「エボリューション」


ヒロムが呟くとフレイが現れ、フレイが現れるとヒロムのブレスレットから七つの輝きが放たれる。


輝きが放たれるとヒロムとフレイは手を握り合い、二人が手を取り合うと巨大な光に包まれ、そして七つの輝きがそこに合わさると光が消え、中からヒロムが白銀の装束、白銀のアーマーを装着して現れる。


現れたヒロムは眩い輝きを纏い、それを見たユリナたちはその美しさに見とれ、ガイやシオンはゼアルを倒したヒロムのその姿にヒロムの強い意志を感じ取り、そして……


スローネはヒロムの姿に戸惑いを隠せなかった。


「な、何だその姿は?

ありえない……「クロス・リンク」は二体の精霊の力を纏うはずだ!!

その姿は……今キミが纏っているその力は精霊・フレイ一人のもののはずだ」


「……そう思うなら理解出来ぬまま消えろ」


ヒロムは光となって消えるとスローネの眼前に移動し、ヒロム姿を現すとスローネは吹き飛ばされる。


「!?」


「理解も認識もしなくていい。

とにかくオマエはここで倒す」


ヒロムが右手を前に出すと白銀の大剣が現れ、現れた大剣を掴むとヒロムは武器に白銀の稲妻を纏わせながら大きく振りかぶる。


「……エボリューション・スラッシュ!!」


ヒロムが白銀の大剣を振り下ろすと無数の白銀の斬撃が放たれ、放たれた斬撃はスローネに襲いかかり、そしてヒロムとスローネの戦いを見ていたヘヴンやヴァロンをも襲うと三人を吹き飛ばす。


「ぐぁぁぁあ!!」


吹き飛ばされたスローネたち、だがスローネは慌てて立ち上がるとマントを広げてヘヴンとヴァロンを巻き取り、空間を歪めると巻き取った二人をそこへ投げ飛ばす。


投げられた二人は空間の歪みに消え、スローネは息を切らせながらヒロムに向けて言葉を残すように話し始めた。


「……いずれキミを我々のもとに迎え入れる。

忘れるな、キミは戦士、戦うことに喜びを感じている戦士だ」


「まだそんなこと……」


「おっと、姫神ヒロム。

忘れていた。

今頃……「七瀬」はどうなってるかな?」


「何……?」


さらばだ、とスローネは空間の歪みの中に消えていき、ヒロムはスローネの言葉の続きを聞き出そうと急いで空間の歪みに接近しようとするが、ヒロムが接近すると空間の歪みは何も無かったかのように消えてしまう。


「……くそ!!」


「逃げられたな」


悔しそうに叫ぶヒロムのもとにクロムは歩み寄り、クロムが歩み寄るとヒロムは白銀の装いを解除して元に戻るとクロムに一つ伝えた。


「……オマエのおかげで助かった。

けど……必ずオマエから真実を聞き出す」


「期待しておこう。

オマエが真実に近づくのをな」


「それよりも「七瀬」について調べるぞ。

ガイ、ソラに連絡……」


もうしてるぞ、とシオンがヒロムに言うと、シオンの隣でガイが誰かに電話をしていた。


おそらく相馬ソラだと思われるが……


「……分かりました。

こちらも至急イクトたちを向かわせます」


ガイは電話を切るとヒロムに電話の内容について伝えた。


「ヤツが言ってた言葉が気になったからソラに電話したが通じなかったから十束さんに電話したんだが……バローネって野郎と情報にない鎧のヤツが「七瀬」に奇襲かけてきやがったらしい」


「なっ……」

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