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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
天醒乱舞編
395/672

三九五話 Knight of HEAVEN


走り出したヒロムとガイを迎え撃とうとするかのように謎の戦士とアスラナ、ヴァロンも走り出す。


ヒロムは走る中で白銀の稲妻を纏うと謎の戦士に接近して敵に殴り掛かり、殴りかかられた謎の戦士はヒロムの拳を止めると殴り返そうとする。


が、ヒロムは止められた拳を引くと戦士の拳を殴り返し、そして戦士の体に蹴りを入れて蹴り飛ばす。


「!!」


「悪いがオマエに加減はしない!!」


ヒロムは右手に精霊・フレイの武装である大剣、左手に精霊・ステラの武装である赤い刀身の剣を装備すると蹴り飛ばした謎の戦士を斬ろうとする。


が、そのヒロムの攻撃を邪魔するようにヴァロンが立ちはだかり、ヴァロンはヒロムに向けて魔力の玉を撃ち放っていく。


放たれた魔力の弾を前にヒロムは大剣を盾にして防ぎ、攻撃を防ぐと即座にヒロムはヴァロンに向けて両手の武器で斬撃を放つ。


……が、ヒロムの放った斬撃がヴァロンに迫る中でアスラナがヴァロンの前に立つと彼女は両手に魔力を纏わせながらヒロムの斬撃を止め、止めた斬撃を天へと弾き飛ばしてしまう。


「やるな」


「姫神ヒロム、データ以上の力ね」


「だからこそ必要なんだ。

黙ってオレらに……」


「勝手なこと言うなよ」


アスラナとヴァロンがヒロムに向けて話しているとガイが霊刀「折神」で斬撃を放ち、放たれた斬撃はヒロムを守るようにアスラナとヴァロンに襲いかかる。


だがアスラナはガイの攻撃をも魔力を纏わせた両手で止めると弾き飛ばしてしまう。


「……雨月ガイ、アナタもデータ以上なのかしら?」


「オレの時は疑問形なのか?

見下してる感満載だな」


「事実だけどな。

雨月ガイ、オマエの力は姫神ヒロムに劣ってんだよ」


「……そうだな。

けど、オマエらより劣ってるとはかぎらねぇだろ」


ヴァロンの言葉にため息交じりに納得するガイは全身に魔力を纏うと刀を構え直し、そして目にも止まらぬ速度でヴァロンに接近すると彼を蹴り飛ばす。


「なっ……」


「だから試してみろよ。

オレのチカラがオマエに劣るかどうかをな!!」


ガイは蹴り飛ばしたヴァロンを追うように大地を強く蹴って走り出すと敵に接近して斬りかかるが、ヴァロンは魔力を身に纏うと受け身を取ってそこから回避行動に移り、ガイの放つ一閃を避ける。


が、ガイはヴァロンが一閃を避けると体を回転させてもう一閃放ち、ヴァロンを斬り倒そうとするがヴァロンは間一髪のところで避けてしまう。


「……っ!!

ギリギリだけど避け……」


避けたとでも言おうとしたのだろう。

ヴァロンのその言葉の途中でガイは刀を逆手に持つと柄の先をヴァロンの腹に叩きつけて彼を怯ませる。


「がっ……!?」


「口数多いが余裕なのか?」


ガイは刀を持ち直すと刀の峰でヴァロンに打撃を食らわせ、さらにそこから連続で蹴りを入れていく。


……のだが、ガイが蹴りを放とうとするとアスラナがそれを邪魔してガイを攻撃を止め、掌底突きをガイに食らわせて後ろに押し返してしまう。


「つっ……」


「私たちのこと忘れてないかしら」


アスラナが言うと謎の戦士がガイに接近して殴りかかり、ガイは刀で止めるも戦士は次々に攻撃を放ってガイを追い詰めようとする。


連撃を受けるガイは刀で何とかして防いでる状態で攻撃しようにも攻撃出来ずにいた。


謎の戦士がガイを追い詰めるなかヴァロンとアスラナは戦士に加勢しようとするが、ヒロムはヴァロンとアスラナの間へと一瞬で移動すると二人に向けて斬撃を放ち、斬撃を放った勢いで吹き飛ばしてみせる。


「何!?」


「これは……!!」


「オマエら、オレを狙ってるならオレを攻撃しろや」


ヒロムは白銀の稲妻を強く纏うとガイを追い詰める謎の戦士に斬りかかり、ヒロムが攻撃してくると同時に謎の戦士はガイへの攻撃をやめてヒロムの一撃を避ける。


攻撃を避けた謎の戦士はカウンターの一撃を放つが、ヒロムは大剣を盾にして容易に防いでしまう。


謎の戦士を大剣で防いだヒロム、それによって戦士とヒロムの距離は近づいていた。


そんな中でヒロムは戦士に向けて問い始める。


「オマエ、何者だ?」


「昨日言ったはずだ。

オレは通りすがりの正義、それ以外の何でも……」


「バローネってヤツの仲間ならオマエにも名前があるはずだ。

そろそろオマエのことを謎の戦士って呼ぶのは疲れるからな」


「なるほど。

名乗れというんだな」


「分かったらさっさと名乗れ、

他人を巻き込むような正義のヒーロー気取りには嫌気さしてきてんだよ!!」


ヒロムは大剣を勢いよく振って戦士を押し飛ばすと大剣を地面に突き刺し、そこから左手に持つ赤い刀身の健に赤い稲妻を纏わせると無数の斬撃を放ち、さらに突き刺した大剣を抜いて再度手に持つと無数の斬撃に続かせるように強い一撃を放つ。


放たれた二種の斬撃を前に戦士は右手に魔力を集中させ、集中させた魔力で件をつくるとヒロムの放った攻撃を全て防ぎ、そして斬撃を放ってヒロムの両手の武器をはじき飛ばした。


「コイツ……!!」


「オレがアップグレードに頼りっぱなしの戦士だと思ったか?

力を持つものとして最良の状態で力を発揮する、そのためにオレは鍛錬を重ねている!!」


武器を弾き飛ばされたヒロムに襲いかかろうと謎の戦士は魔力の剣を振り上げる。


が……


「オマエの努力なんざ関係ない」


戦士の言葉と対してヒロムは冷たく言うと体勢を低くするようにしゃがみ、ヒロムがしゃがむと彼の後方にいつの間にか現れていた精霊・テミスの武装である銃剣と精霊・ティアーユのライフル、精霊・アウラの武装であるショットガンが謎の戦士に狙いを定め、照準を定めると三種の武器は一斉に火を吹いて魔力の弾丸を放つ。


「何!?」


突然の銃器の出現とそれらから放たれた魔力の弾丸に驚いた謎の戦士は反応が遅れて射撃攻撃の全てをその身に受け、戦士がダメージを受けるとそれを待っていたかのようにヒロムは立ち上がると跳び上がり、そこからサマーソルトキックを放って戦士を蹴り飛ばす。


蹴り飛ばされた謎の戦士は地面を何度も転がるように飛ばされていくが、何とかして立ち上がると魔力の剣を構え直し、ヒロムは銃剣を手に取ると戦士に斬りかかる。


ヒロムが攻撃すると戦士は魔力の剣でそれを止め、ヒロムの攻撃を止めると彼の問いに答えるように名乗り始めた。


「あえて名乗るのならばオレの名はヘヴン。

姫神ヒロム、オマエをも超える戦士となる存在だ」


「ヘヴン?

そうか……天国が見たいなら送ってやるよ!!」


ヒロムが身に纏う白銀の稲妻を激しくさせると銃剣を強く握り、戦士の……ヘヴンの魔力の剣を押し返すと敵の体に至近距離から魔力の弾丸を撃ち込んでいく。


が、至近距離で魔力の弾丸を受けているヘヴンは微動だにせず、それどころかダメージすら受けてないように平然としていた。


その状態を見たヒロムはヘヴンの身に起きている変化についてすぐに悟った。


「……アップグレード済みか」


「二度も同じ手は食らわん。

そのためのアップグレードでもある」


「そうかよ!!」


ヘヴンの言葉を聞くとヒロムは銃剣で斬りかかるが、ヘヴンは素手で銃剣を止めると刀身を砕き、そして拳を強く握るとヒロムを殴り飛ばす。


「くっ……!!」


殴られたヒロムは軽く後ろに飛ばされ、少量とはいえ血を吐くと刀身の砕かれた銃剣を投げ捨てて精霊・マリアの武装であるガントレットを両手に装備して拳を構えた。


ヒロムが構え直す中、ガイが彼のもとへと駆け寄り、ヘヴンのもとへとアスラナとヴァロンが駆けつける。


どうやらガイはヒロムがヘヴンを攻撃してる中でアスラナとヴァロンを相手にしていたのか少し息を切らしており、アスラナとヴァロンはガイを睨むように見ていた。


「ガイ、大丈夫か?」


「ああ、問題ない。

それより……なんで「クロス・リンク」を使わない?」


「……」


「クロス・リンク」。

ガイの言うそれはヒロムが能力者と戦うために得た力だ。

二人の精霊を身に纏い、身に纏った精霊の力を最大限に引き出すという多種多様な力を持つものだ。


それを今、ヒロムは使わないでいるのだ。


その理由が気になったガイはヒロムに訊ね、質問されたヒロムがため息をつくとガイに向けて簡潔に答えた。


「アイツのアップグレードの底が見えねぇかぎりは使えねぇ」


「さっき殺す気でやれって指示出したよな?

「クロス・リンク」ならその気になれば一撃で……」


「問題はその「クロス・リンク」の情報をヤツが持ってる可能性があるってことだ。

無闇に発動しても防ぎれたんじゃ意味がねぇ」


「じゃあこのまま昨日オマエが成長させた状態のあの戦士を相手にしろって?」


方法ならある、とヒロムはガイの言葉に対して言うと続けて自身の言うその方法について話していく。


「ヤツのアップグレードにも何かしらの欠点があるはずだ。

その欠点を見つければ……「クロス・リンク」でそこを突いて倒せる」


「……見つけられるのか?」


「やるしかない。

でなきゃ……」


甘いわよ、とアスラナが両手に魔力を纏わせるとその手をヒロムとガイに向けてかざし、そして二人は突然何やら強い力に吹き飛ばされて屋敷の壁に叩きつけられてしまう。


「がっ……!?」


「何……!?」


壁に叩きつけられた二人はそのまま地面に倒れてしまい、アスラナはそんな二人に向けてかざす手を動かすと二人の体を宙に浮かせる。


「まさか……!!」


「サイコキネシス……!!」


アスラナの力の正体に気づいたヒロムとガイは何とかしようと考えるが、アスラナの力で浮かされた体は身動きが取れずにいた。


そんな彼らに向けてヴァロンは魔力を纏いながら歩き始める。


「いいザマだな。

「竜鬼会」を潰したはずなのにアスラナの力の前では赤子のように何も出来ずにいる」


「……ガキが。

ナメてっと殺すぞ」


ヴァロンにヒロムは不満をぶつけるよう呟くと白銀の稲妻を強く纏って強引に動こうとする。


「おいおい、マジかよ。

さすがは「覇王」ってところか」


「……ヒロムにばっかり気ィ取られてんじゃねぇぞ」


ガイは蒼い魔力を纏うとアスラナの力を次々に振り払い、ヒロムとガイはアスラナの力から完全に解き放たれると着地して構え直そうとする。


が……アスラナはそんな二人を吹き飛ばすかのように手をかざしてチカラを放とうとする。


「私の力を甘く見すぎよ」


「……なら試すか?」


アスラナの言葉に反応するように聞こえてきた言葉、それはヒロムとガイのものではなかった。


誰の声だとアスラナとヴァロンが気になっていると二人の間を雷のようなものが駆け抜け、それが駆け抜けると二人は吹き飛ばされていく。


「ああああ!!」


「ぐぁぁあ!!」


「ヒロム……」


「遅刻だな」


駆け抜けてきたものを見たガイとヒロムはどこか呆れた様子を見せ、そして雷のようなものの中から人が姿を現す。


雷の能力者……紅月シオンが姿を現した。


「散歩から戻ってきたらこれだ。

もはやここも安全ではないな」


「そうだな。

シオン、やれるか?」


「問題ない、ヒロム。

シュミレーターに飽き飽きしてたからな……存分に暴れさせてもらう!!」

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