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レディアント・ロード1st season   作者: hygirl
心想恋華編
194/672

一九四話 bullet berserk

一瞬で戦場と化したエントランス……


「……早く逃げろ」


弾馬銃哉を殴り飛ばしたヒロムはまだ逃げていない蝶羽ユカリと春花ミサキ、弓矢川に告げる。


が、ヒロムが心配なユカリは素直に従えずにいた。


「ヒロムさんはどうされるんですか……?」


「アレの狙いはオレだ。

オレはここでアイツを倒す」


「だ、ダメです!!

一緒に逃げましょう!!」


「そうです!!

ヒロムさんも……」


ダメだ、とヒロムはユカリとミサキの言葉に対して強く言うと彼女たちに少しばかり冷たい言い方で伝えた。


「オマエらに何かあってからじゃ困る。

それに……オレが来たせいなのも事実だ」


「そ、そんなことは……」


「……逃げるのが嫌ならどこかに隠れてろ。

すぐに終わらせる」


「……はい」


「行きますよ二人とも」


ヒロムの言葉に納得いかないユカリとミサキだが、弓矢川が二人の手を取ると安全な所へと逃げて行く。


そんな彼女たちの姿を見ながら弾馬は立ち上がるなりヒロムに向けて言った。


「善人ごっこは楽しいか?」


「あ?

オレは守れるものを守りたいだけだ」


「おいおい……恥ずかしいことを口走るなよ。

かっこつけたい年頃か?」


「……オマエにこれ以上何か言っても無駄だ。

さっさと終わらせてやるよ!!」


「援護しますマスター!!」


ヒロムが拳を構えるなり動き出すとフレイも大剣を構えると走り出し、二人は敵である弾馬に向かっていく。

弾馬はどこか面倒くさそうに拳銃を構えるとヒロムに向けて弾丸を放っていくが、ヒロムは走る中で迫り来る弾丸を避けると殴り飛ばそうと弾馬に殴りかかるが、弾馬はヒロムの一撃を避けると反撃しようとヒロムに向けて構える。


が、それを邪魔するようにフレイが大剣を振り下ろし、弾馬は攻撃を断念するとフレイの攻撃を回避して二人から離れるように後ろへと跳んだ。


「噂通りの連携だな」


「この程度で驚いてんじゃねぇよ」


ヒロムが指を鳴らすと彼のもとへ精霊・テミスとアルカが現れる。


二人は現れると自身の武器である銃器を構える。

テミスは銃剣、アルカは拳銃。


二人は構えると共に弾丸を弾馬に向けて放ち始めるが、弾馬は全身に魔力を纏うとエントランス内を駆けるかのように走り出す。


弾馬が走り出したことによりテミスとアルカの放った弾丸は標的から逸れて外れてしまう。


「速い……!!」


「アルカ、集中して」


「してるわよ……!!」


テミスとアルカは少し険悪なムードになりながらも敵に狙いを定め直すとさらに弾丸を放つが、それでも弾馬はヒロムの真似をするように走りながら弾丸を避けると二人に接近して蹴りを放とうとする。


「その程度で倒せると思うなよ?」


「オマエがな!!」


テミスとアルカに弾馬が蹴りを放とうとしたその時、いつの間にか彼に接近していたヒロムが拳で蹴りを殴る形で防ぐと押し返し、無防備となった弾馬にテミスは炎の弾丸、アルカは雷の弾丸を放つ。


放たれた二種の弾丸は無防備となった弾馬に直撃し、追撃を加えるかのようにヒロムと彼のもとへと駆けつけたフレイが同時に蹴りを放ち、弾馬を蹴り飛ばしてみせた。


「!!」


「まだ終わらねぇぞ!!」


蹴り飛ばされた弾馬が受身を取ろうとした時、敵のもとへとヒロムの精霊のマリアとランファンが現れる。


格闘術を得意とする二人の精霊は拳に魔力を纏わせると蹴り飛ばされた弾馬の体に同時に拳を叩き込み、さらに上空へと打ち上げるようにまた同時に拳を叩き込んで天へと殴り飛ばす。


が、それをどうやってかダメージを細詳に抑えた弾馬は空中で体勢を立て直すと拳銃を構えてマリアとランファンに向けて弾丸を放とうとした。


「ナメるなよ……!!」


「……そっちがね」


マリアが鼻で笑うように言うとどこからか何か飛んで来て敵の武器である拳銃を破壊してしまう。


何が飛んで来たのか、弾馬はそれを確かめようとしたが

そんな暇を与えぬようにテミスとアルカが再び二種の弾丸を放って追い詰めていく。


「コイツら……!!」


「まだまだいくぞ!!」


ヒロムが叫ぶと彼の精霊であるセツナが現れるなり二本の刀を構え、さらにもう一人精霊が現れる。


「行きます!!」


セツナとともに現れた精霊・マキアは大剣を構えると二人同時に弾馬を追うように高く跳び、互いに武器に魔力を纏わせると弾馬に向けて斬撃を放つ。


「こ、この……!!」


弾馬はどうにかして避けようと試みるが空中で受け身を取ったがために思うように動けず、迫り来る斬撃は敵に襲いかかると戦塵を起こしていく。


戦塵が起きたことにより弾馬を倒せたか確認は出来ないが、現状ヒロムと精霊たちが追い詰めてる展開だ。


傍から見ればヒロムが優位であることは確かだが、そんな状況下にあるヒロムとフレイたちは違和感を感じていた。


「……手応えが無さすぎる」


「マスターも感じましたか?」


「その言い方をするってことはアナタもなのねフレイ」


主であるヒロムが疑問を抱く中でフレイとテミスは彼に歩み寄るなりそれについて話した。


「私とアルカの弾丸、マリアとランファンの拳撃、セツナとマキアの斬撃。

どの攻撃にしてもあの男に直撃していましたが……」


「マスターも感じられてると思いますが……」


「ああ、アイツ……全くダメージ受けてねぇぞ」


よく分かったな、と戦塵の中より弾馬は現れる。


現れた弾馬はさきほどまで精霊の攻撃を受けていたはずなのにその体にはダメージを受けていたと思われるような傷など一切なかった。


そして弾馬は余裕を体現するかのように怪しい笑みを浮かべていた。


「噂通りか試したかったが……噂以上の力に驚いたよ」


「……驚いたのならくたばれば良かったのにな」


「そう言うなよ。

楽しみは何においてもすぐに終わるのは忍びないだろう?」


「別に……オレは敵であるオマエがはやくくたばれば満足なんだよ」


「そうか……なら楽しませてやるよ」


弾馬は首を鳴らすと全身に纏う魔力を大きくさせると両手を前に出した。


何か来る、それをすぐに理解したフレイとテミスはヒロムを守るように構えるが弾馬はそれを見ると笑った。


「おいおい……その程度で防ぐ気か?」


弾馬が前に出した両手を振り始めた。


するとどこからか無数の魔力の弾丸がヒロムの上空に現れると降り注ぐように襲いかかる。


「!!」


「「マスター!!」」


フレイとテミスは空より襲いかかってくる魔力の弾丸を防ごうと攻撃を放ちながら破壊していくが、破壊出来なかった弾丸はヒロムに向かっていく。


「この……!!」


ヒロムは走り出すと魔力の弾丸を避け、さらに次々に迫って来る弾丸を上手く避けながら弾馬のもとへ向かおうとしていた。


が、弾馬が放っているであろう魔力の弾丸はどこからともなく次から次に現れると容赦なくヒロムに襲いかかり、ヒロムの行く手を阻もうとする。


「鬱陶しいな!!」


「マスター!!」


「おっと!!」


フレイたちはヒロムを助け出そうと彼のもとへ向かおうとするが、弾馬がそれを許すはずもなく敵はフレイたちにも魔力の弾丸を放ち始める。


「くっ!!」


「厄介ね!!」


フレイたちはヒロムのもとへ向かいたい、だが弾馬のもとへ向かえないヒロム同様にフレイたちは彼のもとへ向かうことが出来そうになかった。


「この力は一体……!!」


「結構やるじゃねぇか、能力無しと精霊さんたちよ。

オレの力……「魔弾」の前でこんなに楽しめそうな相手は久しぶりだよ」


「……これがオマエの能力か」


「ああ、一定範囲に能力使用結界を生み出してその結界内で自在に弾丸を操る力……逃げても隠れても無駄なんだよ」


「安心しろ……逃げも隠れもしねぇよ!!

「ソウル・ハック」!!」


ヒロムは叫ぶと共に全身に白銀の稲妻を駆け巡らせると加速しながら迫り来る魔力の弾丸を避けると弾馬に向けて接近し始めた。


「それがオマエの力……「ソウル・ハック」ってやつか!!」


「悪いがさっさと決めさせても……」

「けど無理なんだよ、その程度じゃな!!」


弾馬が指を鳴らすとヒロムの足下に向けて弾丸が放たれる。


「食らうかよ!!」


ヒロムはそれをジャンプして避けるが、弾馬は不敵な笑みを浮かべると彼が着地するであろう地点に無数の魔力の弾丸を放っていく。


「!!」


「焦ってるせいで判断ミスったか?

哀れだな!!」


「だが弾丸くらい……」


甘いな、と弾馬が指を鳴らすとヒロムが着地するであろう地点に向かっていく弾丸は光を発すると爆発し、その爆発によってヒロムは吹き飛ばされてしまう。


「ぐぁっ!!」


「マス……」


「おっと、オマエらもだ!!」


吹き飛ばされたヒロムの心配をするフレイたちの周囲に魔力の弾丸が現れるとそれらはヒロムの時と同じように爆発し、彼女たちも吹き飛ばしてしまう。


「「きゃぁぁぁあ!!」」


「オマエら……!!」


吹き飛ばされてしまうも何とか立ち上がったヒロムはフレイたちの心配をするが、そんなヒロムに向かって再び弾丸が迫っていた。


「この!!」



ヒロムは白銀の稲妻を右手に集めると迫り来る弾丸に向けて解き放ち、弾丸を破壊して防いでみせた。


「ほぉ……」


「面倒な能力だな……」


「オマエのその力もな。

能力無しのくせにそんなこと出来るんだからな」


「……オマエみたいなヤツを倒すための力だからな」

(とはいえ厄介だな……。

コイツの能力……「魔弾」ってのは一定範囲で自在に弾丸を放つだけじゃなくて、弾の性質を自由に改良出来るらしい。

このまま長引けば不利になるのは……)


「オレの方だな……!!」


「おいおい、油断してんじゃねぇぞ!!」


弾馬が右手を前に突き出すとヒロムな向けて弾丸が放たれ、放たれた弾丸は炸裂すると無数に分裂しながらヒロムに襲いかかる。


「な……」

(言ってるそばから弾丸を改良しやがった!!)


「……「ソウル・ハック・コネクト」!!」


ヒロムは全身に走らせる白銀の稲妻をさらに大きくすると構え直し、さらにフレイとマキアの武装であるそれぞれの大剣を両手に装備するとそれを盾にして分裂しながら迫る弾丸を防いでみせる。


が、分裂した弾丸一つ一つの力が強かったらしく二本の大剣は敵の攻撃を防ぐと破壊されてしまう。


「な……!?」

(たったの一撃で破壊されただと!?)


「マジかよ……今の防ぐとかやるじゃねぇか!!」


自分の攻撃を防がれたというのにどこか嬉しそうな弾馬はヒロムに向けて次々に弾丸を放ち、ヒロムも攻撃を防ごうとフレイたちの武器を次々に出現させるとそれらを用いて攻撃を防ぎながら身を守っていた。


が、攻撃を防いだ武器はすぐに壊れてしまい、それどころかヒロムはただ弾馬の攻撃を防ぐことしか出来なかった。


「く、くそ……!!」


「おいおい、最初の威勢はどうした?

オレをさっさと片付けて終わらすんじゃなかったのかぁ!!」


防戦一方となるヒロムを刺激するかのように弾馬は挑発しながら弾丸を放ち、対するヒロムはただ迫り来る弾丸を防ぐしか無かった。


「調子に……乗りやがって……!!」


「残念だが調子に乗ってるんじゃないんだよ。

オマエが弱すぎるんだよ!!」


弾馬は炸裂すると無数に分裂する弾丸を放つとその直後に時間差で大きな弧を描きながらヒロムに向かう弾丸を放つ。


放たれた二種の弾丸、それを前にしてヒロムは再びフレイとマキアの大剣を装備して炸裂すると無数に分裂しながら迫る弾丸を順に防いでみせる。


が、後から放たれた弧を描きながら迫り来る弾丸を防ごうとした時、彼の手にも持たれていた大剣が砕け、ヒロムは無防備になってしまった。


「さよならだ!!」


「しまっ……」

「させるかよ!!」


弾丸がヒロムに迫る中、突然巨大な雷と闇が弾丸を引き裂くように現れるとともに弾丸を防いだ。


「!!」


「何!?」


雷と闇が消えるとともにシオンとノアルが姿を現し、二人はヒロムのもとへと駆けつけた。


「大丈夫そうだな、ヒロム」


「シオンの目にはそう映ってるのか……」


「オマエら……どうしてここに?」


「決まってんだろ。

オマエを助けに来たんだよ」


シオンの迷いのない一言を聞くなりヒロムは驚いた顔をし、ノアルはシオンに続くように彼に告げた。


「さすがにこの状況を一人でどうにかするのは厳しいだろ。

オレたちも力を貸す」


「……ったく、どうやって入って来たかは後で教えろよな」


二人の言葉にどこか嬉しさと恥ずかしさを感じるヒロムは深呼吸をし、そしてシオンとノアルとともに敵を見ながら構えた。


「じゃあ……やるぞ!!」


「ああ!!」


「任せとけ」


「……胸くそ悪いな。

せっかく終わると思ったのに……邪魔しやがって!!」


シオンとノアルの登場に弾馬の苛立っていると、彼の纏う魔力が殺気に満ち始めていく。


そしてその殺気によって空気は一瞬で重くなり、ヒロムたちはまるで別世界にでも飛ばされたのではないかと感じてしまっていた。


「……オマエら全員皆殺しだ」

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