国民解放軍に関するレポート 序
この小説はフィクションです。
実在する人物、団体などとは一切関係ありません。
西暦2028年、在日・華僑の二世三世が多数を占める政党が与党となり、日本に置ける彼ら大陸・半島人のための政治が始まった。
税金の多くは彼らの生活のために使われ、外国籍を持ちながらにして日本の政治に参加できる外国人参政権が認められ、日本による中国・朝鮮のための政治により、在来の日本国民の生活は逼迫した。
言論統制・思想統制が敷かれ、歴史は改竄された。
そしてついに、日本政府は中華人民共和国への全政権移譲を決定する。
最後まで政権移譲に反対していた衆院議員前橋健吾は国を憂い、同志を募り首相官邸を襲撃。
首相の身柄を拘束し一時は首相官邸を占拠するも、前橋が特殊警察の突入部隊に頭を撃ち抜かれ死亡。反乱はあえなく失敗。
反乱の主な首謀者として、前橋の他に衆院議員紫雲雅人、前橋の妻・舞、前橋の娘・薫の三名が極刑に処せられた。
前橋の反乱は戦後初となる内乱事件として、前橋健吾の名は戦後最悪の重罪人として、歴史の教科書に刻まれる事となった。
その後、国民は政府に不満を抱きながらも何ら行動する事なく、ただ惰性的に三年の年月が流れていった。
人々の記憶から反乱の印象は薄まり、前橋健吾の名が歴史の教科書にのるだけのただの過去となりかけていた時、一人の男が政府に叛旗を翻した。
男の名は前橋統也。
奇跡的に連座を免れた、前橋健吾の一人息子である。
反政府の旗の元に立ち上げられた『国民解放軍』には先の反乱に携わった者たちや新たな世代の勇士たちが集い、旗挙げから二年たった現在も各地でゲリラ的活動を続けている。