表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/25

初依頼②

 『賢魔の森』。

 名前の由来は、かつてこの森にいた推定Gランクの魔獣らしい。

 普通のGランクの魔獣程度なら、腕利きの冒険者を人数揃えれば討伐できるだろう。しかし、森にいたのは『やたらと知能の高い』ワーウルフだったらしい。ワーウルフとは、まぁ所謂(いわゆる)狼男のことだ。

 獣人の狼族は、獣耳と尻尾をつけて、あとは毛深くした人間と言ったところだが、ワーウルフは二足歩行の狼を想像してもらえれば解りやすいだろう。

 ところが獣人とは違い、本来知性など無く狼の本能で生きているはずのそのワーウルフは罠や戦略を使用してきたと言うのだ。

 結果、討伐隊は壊滅。

 その後、数回討伐隊が編成されたものの全て返り討ちに遭い、そしていつのまにか謎のワーウルフは姿を消していた、ということだ。

 ワーウルフは基本的に群れで行動する。

 謎のワーウルフも周りに侍らせていたような、普通のワーウルフは今でも森に出るらしいが。

 そうして、この森は『賢魔の森』と呼ばれるようになったそうだ。



(そのワーウルフ・・・出てこねぇかなぁ。そしたら結構面白そうなんだけど。)



 普通のワーウルフは単体でランクなし。群れでI+といったところだろう。俺には全く面白味のない相手だ。





 さて、森に到着。サクッと気配を探ってみると、かなりの生き物の気配。まぁ当たり前だわな、森だし。


 今回の依頼、本当に曖昧な情報しかない。なぜなら、ちゃんとした目撃者は生きて帰ってきてないからだ。だからとりあえず、その曖昧な情報があった場所を目指してみよう。印の付いた地図を貰っている。




 目的地に到着。木々が開けた場所で、普段は休憩や野営地に使われるんだろう。木片や金属の破片がところどころに散らばってるなぁ。情報通り、ここが被害現場だな。・・・他には何にも見当たらんがね。



「どうすっかなぁ・・・ん?」



 南東(森の奥の方)から気配5つ。たぶんワーウルフだな。この森はワーウルフの住処らしいし。


 案の定、ワーウルフのお出ましだ。やっぱり、雑魚の気配。時間の無駄だ、さっさと片付けるとしようか。


 一体目が大口開けて迫ってくる。莫迦が。噛みつきなんてモンは相手に組み付いてから使うもんだぞ。とりあえず横っ面を蹴る。おっと強過ぎた、首から上だけ吹き飛んじまった。

 二体目、三体目同時攻撃。二体目は脚、三体目は腕を狙って噛みつこうとしている。・・・ん?なんか、戦術っぽい?だって、その後ろ。四体目、五体目が波状攻撃しようとしてるんだが。

 面倒だ。一掃するぜ。



「『破陣(はじん)』。」



 二体目と三体目の顔の側面に手を添えて逸らす。そのまま回転。手は鉤爪の形を維持。遅れて来た四体目、五体目を制空圏(手の届く範囲)に招き入れ、4体まとめて薙ぎ払う!

 最初の2体は下半身を、後の2体は上半身を吹き飛ばされ絶命。

 周囲に気配無し。これにて(りょう)、と。


 魔獣を討伐すると自動でギルドカードに記録される。記録された討伐数で報酬が出される。それは依頼外であってもだ。だから一々魔獣を解体する必要はない。・・・勿論、素材は売れるけどね。俺は興味ねぇや。しかし・・・。



(犬っころが生意気にも波状攻撃だぁ・・・?そんな話は聞いてないがなぁ。)



 これは無視することの出来ない事だろう。これはもしかすると。



「居るのか、『賢魔』っ・・・!!」











 テンション上がってきたーっ!!

 短くてすいません。


 ちなみにまだ街の門番にギルドカードは見せてません。

 もし稼げないようなら、三日以内に街を出るつもりだからです。

・・・まぁ、んな訳ないんですけどね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ