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閑話―――アランくんの大冒険!―――


 本日2話目です。




 会話ほぼ無し!



 この話は、まぁ、読んでいただいたほうが、本編で説明する手間が省けるというか、なんというか・・・。



 僕はアラン・シェイド。22歳。カンタール王国東部の町『エルゴ』の出身だ。


 幼少の頃から才気に溢れ、特に剣に適正があったみたいでね。5歳には町一番の剣士に剣を習っていたんだ。

 あれは12歳の時か。ある日、ふと気付いたんだ。このままじゃあ、僕はこの小さな町で埋没するだけだって。

 だから町を出た。書き置きだけ残して、誰にも言わず、夜中にこっそりとね。

 興奮したよ!町の外なんて見たこともなかったからね!さぁ、アラン・シェイドの大冒険の始まりだ!なんて、舞い上がったものさ。

 見るもの全てが珍しく、世界は楽しいもので溢れていたよ。


 でも、やっぱり子供だったのさ。

 野宿なんてしたことなかったから、夜は普通に眠っちゃってね。魔獣に襲われて死にかけたこともあった。

 ある街では悪徳商人に騙されて、奴隷に落とされそうになったりもした。

 財布をスられた回数なんて、もはや覚えちゃいないね。

 ホント、散々な日々だったよ。何度故郷に帰ろうと思ったか・・・。



 そんな僕にも転機が訪れたんだ。



 あれは忘れもしない16歳の時。

 街道を移動中に、盗賊に襲われてね。1人1人は大したことなかったけど、やっぱり数の暴力には勝てなくてね。ボコボコにされて身ぐるみ剥がれて、さぁ殺されるぞってタイミングで、助けられたんだ。

 そう!助けてくれた方こそ、先代の『参剣(さんけん)』ヤチル・タバタ様だったのさ!

 老齢の女性とは思えない、凄まじい剣技だったよ。バッタバッタと盗賊を薙ぎ倒していく御姿を、僕は一生忘れないね!


 そこからは充実した生活が始まったよ。

 ヤチル様に土下座して弟子入りさせてもらってね。

 ヤチル様が亡くなるその日まで修行をつけてもらったよ。

 途中で、今代の『壱剣』様に称号を頂いたんだ。それが『玖剣』ってわけさ。




 ヤチル様は、最期は本当に静かに逝かれたよ。僕に型の素振りを命じて、縁側に座って見てらっしゃったんだ。

 素振りが終わって、次の指示を貰おうと声を掛けたら、目を閉じて・・・。

 眠っているようにしか見えなくてね。最初は肩を揺すって起こそうとしたんだけど、すぐに気付いたよ。僕なんかが近付いたら、寝ている状態でも反応するのがヤチル様だってね。



 家族もいらっしゃらないヤチル様の葬儀を済ませてから、僕は再び旅に出たってわけさ。

 ヤチル様には感謝してもし切れないよ。あの方のおかげで、僕はこの若さでF-ランクになれたんだから。

 でも、僕はもっと強くなるんだ。

 『壱剣』を継いで、世界中に名を轟かすのさ!

 それこそが、ヤチル様への最高の恩返し!







 そういえば、生前。ヤチル様は事ある毎に仰っていたな。たしか・・・。




「お前が旅に出たとして、いずれ名を上げるだろうね。その時、お前には強者が寄ってくることになるだろう。・・・忘れるんじゃないよ。『賢帝』、『暴君』、そして『覇王』。この3つの名を語る奴がいたら、絶対に戦うんじゃないよ!」


「何故かは教えていただけないのですか?」









「・・・詳しくは話せないがね。あたしの故郷で『天下三武』と云われた化け物共さ。」




 アランくんのお話でした。

 まぁ特にめぼしい出来事もない、ありふれた成り上がりですね。



 ちなみにヤチル婆さんはD+ランクでした。

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