第六話
色々あって更新がかなり遅れました
次の日、学校は何故かいつも以上に賑やかだった。そう、クラスではなく学校全体がなのだ。
「なんでこんなに賑やかなんだ?てか騒がしいんだ?」
僕の記憶が正しければ今日は特別なことはなかったはずなんだけどな…。
「さあ、みんな席に着きなさい」
いつも遅い松上先生まで早い!絶対なんかあるだろ!
「みんな知ってるだろうけど今日から一年生に転校生が来ます。先輩としてわからないから教えて欲しいと言われたらしっかりと教えてあげるように。以上!」
そう言って松上先生は去って行った。相変わらず自由な人だ。
それはさておき転校生に教える、ねぇ…。まあ会うこともそんなにないだろうし関係ないか。そもそも何を教えるんだろう…。
その後は特に何もなく昼休みになった。
「兄さん、お弁当を食べましょうか」
雪音が待ってましたと言わんばかりに話し掛けてきた。
「そうだね。…あ、食べる前に飲み物買ってきていいかな?」
「はい、わかりました」
「あれだったら先に食べててもいいよ」
「はい」
僕はそう言って飲み物を買いに行った。
自販機の所に来て、何にしようか悩んでいた時だった。
「あの…」
不意に声を掛けられた。振り向くと短い髪にヘアピンを着けた女子生徒がいた。よく見るとかなりかわいい。そしてリボンの色からして一年生のようだ。
「なにかな?」
怖がらせないように優しい口調で返事をした。
「えっと、紅葉ちゃんのお兄さん…、ですよね?」
「え、うん、そうだけど?」
どうやら僕に用事があるようだ。何か聞きたいのかな?
「先輩、少しお話してもいいですか?」
やっぱり僕に用があるみたいだ。
「うん、いいよ。何かな?」
「ここだと他の人に聞かれる可能性があるので場所を変えていいですか?」
そんなに人前では言えないことなのか?
ふと周りを見てみたら僕達を見てる人が多かった。まあ女子しか見てないんだけどね。でも心なしか殺気を立てている子が多い気がする。あ、自販機の前にいるから邪魔になっているのか。
「ん、わかったよ」
僕達は屋上に移動した。
「それで、話って?」
僕は単刀直入に聞いた。
「先輩って前に暴力魔に襲われましたよね?」
…まさかまたこの話を聞くとはね。
「そうだけど、それがどうかした?」
若干声が低くなってしまった。
「見てたんですよ。先輩がその男とやりあったところを」
また最悪だな。今までは見たって人がいなかったから大事にならなかったのに…。この後輩はバッチリ見たようだ。
「それで?」
「いえ、その時の先輩がとてもかっこよくてですね…。その…、ほ、惚れてしまいました…」
「はっ?」
思わず声が裏返ってしまった。てか僕は最初は殴られまくっていたような…。
「だ、だから先輩と親密になりたくて今日声を掛けました」
言ってて恥ずかしいのか顔を真っ赤にしながらそう言った。でもできればこれ以上厄介事を増やしたくないな~。
「えと、その…、ご迷惑でしょうか?」
ぐっ、上目遣いに言われた後に断るのはなんか辛い!主に心が!
「いや、迷惑じゃないよ」
「本当ですか!?」
「う、うん。本当だよ」
そう言うと彼女は嬉しそうに微笑んでいた。……そういえば今更だけど僕、この子の名前知らないな…。
「ああ、嬉しいです…。そういえばまだ私の名前を言ってませんでしたね。私は春月桜と申します。よろしくお願いしますね、祐斗先輩♪」
「う、うん、よろしくね、春月さん」
こうして少し変わった後輩と僕は出会った。……あれ?ちょっと待てよ?僕って自己紹介とかしたっけ?ま、細かい事を気にしたら負けだよな。
「あ、あと先輩。できれば私の事は名前で呼んでください。さん付けとかもなしでお願いします」
「ん、わかったよ、桜」
「…えへへ♪」
嬉しそうにはにかんだ桜はとても可愛く見えた。
「じゃ、僕はこれで」
「はい、またお話しましょう、先輩♪」
こうして僕は桜と別れて屋上から去ったと同時に昼休みの終わりのチャイムが鳴った。…昼飯食えなかった…。
ネタが思い付かなくなって来ました。
だからとは言えませんがまた更新は遅くなると思います。