第五話
また遅めの投稿です。
楽しんでいただければ幸いです。
朝、いつも通りに僕は朝食と昼食を作って妹の雪音と紅葉と学校に行った。
学校に着いたら昨日とは違う雰囲気でクラスの女子たちが会話をしていた。
「聞いた?明日だけど後輩に転校生が来るらしいよ!」
転校生?まだ入学して間もないのに大変だなぁ。
「噂ではすごくかわいい女子みたいだよ!」
女子なんだ…。一年の男子はまだ馴染めていない中にまた女子が増えるからさぞかし辛いだろうな。
「祐斗君、おはよう」
一年の男子に同情紛いなことをしていたら永峰に声をかけられた。
「ああ、おはよう」
短く挨拶をしただけでも永峰ははにかんでいた。そんなに嬉しいのかな?
ちなみに雪音は既に他の女子の輪に入っている。
「みんなが話してる転校生ってどんな子なんだろうね?」
「さあ?あまり想像つかないな」
「……できればライバルになる子じゃなければいいんだけど…」
ぼそぼそとなにか呟いた。聞こえなかったけどね。
「ん?何か言った?」
そう聞くと、
「あ!いや!なんでもないよ!」
妙に慌てた様子で永峰は答えた。
「そ、そうか…」
どうやら深く追及しない方がいいみたいだ。
昼、弁当を食べながら(水瀬と雪音と一緒だ。逃げようとしたら捕まった)僕たちは必然的に転校生の話をしてた。
「こんな四月のまだ入学したての子がなんで転校なのかな…」
水瀬は弁当のウインナーをつつきながらそう言った。
「たしかに妙ですよね〜…」
雪音も弁当のご飯をちょびちょび食べながら言う。
「まさか例の不良が関係してるのかな?」
僕は思い当たった推測を言った。
「だって僕が昨日返り討ちにしたあとから転校生の噂が出たでしょ?偶然かもしれないけどさすがにね…」
「言われてみるとそうですね…」
雪音が納得したように言った。
「……少しみんなに聞いてみるよ」
水瀬はそう言って席を立ち、周りの女子たちに聞きに行った(ちなみに水瀬は弁当を知らないうちに食べ終えていた。早いな…)。
ちなみにどこから漏れたのかは知らないが僕が不良に襲われたのは既に噂になっていた。女子の情報網は並じゃないね。まあ、だからか、
「祐斗君、昨日は大丈夫だった?」
って声を…、えっとこれで何人目だ?まあ掛けられたんだよな〜。
みんな優しいな〜。僕を心配してくれるなんて。
そう思っていたら水瀬が戻ってきた。
「なんかね、隆輝君が昨日部活の鍵を返しに行った時に職員室で先生達が転校生が来るって話をしてたらしいよ」
って隆輝が生徒の中で最初に知ったのかよ。
「そこから広まって今に至るってわけか…」
まあ隆輝も単なる偶然だろう。鍵を返しに行った時なんだし。
そこでチャイムが鳴ったので昼はそこで会話が修了した。
放課後、僕は何もやる事がなかったので、真っ直ぐ帰宅した。雪音は少し友人と話すと言っていたので帰りは遅いだろう。時刻は…、今は五時。少し早いけど夕食の用意をするとしよう。今日は何にしようかな…。
特に思い付かない僕はとりあえず野菜炒めを作った。それとしょうが焼きも作った。その二つを作り終えたちょうど良いときに、
「ただいま、お兄ちゃん」
「ただいま、兄さん」
紅葉と雪音が帰ってきた。
「お帰り、二人とも」
「お腹減った…。お兄ちゃん、海ヶ崎高校の体育って辛いね…」
海ヶ崎高校の体育は意外に厳しい。運動部の人なら大丈夫だけど、文化系の部活に入っている人には辛いだろう。
「はは、運動が苦手な紅葉にはたしかにあの学校の体育は辛いな」
「む〜!笑わないでよ〜!」
「たしかに兄さんは運動も勉強も得意ですからね。運動部にも入っていないのに…」
今雪音が言ったのに補足すると、僕は運動部どころか部活にさえ入っていない。家事もあるしね。
「とりあえずもう夕食は出来てるから食べようか」
「「はーい」」
二人はそう言って手を洗いに洗面所に行った。すぐに戻ってきたのですぐに席に着き、
「「「いただきまーす」」」
としっかり言って食べ始めた。
「そういえばお兄ちゃん、明日転校生が来るんだよね?」
夕食も食べ終わり、片付けも終わったので風呂に入ることにした。今は雪音が入っているので僕は紅葉と話している。
「ああ、そうらしいな」
話題は転校生について。
「なんかね、その転校生はうちのクラスに来るらしいの。だからどんな人かな〜ってクラスの何人かの女子と話してたんだ〜。それでお兄ちゃんはどんな人を予想してるのかなって思って…」
「僕は少なくとも女子だって話は聞いてるよ」
「え?そうなの?」
どうやらこの情報はまだ二年生にしか入っていないようだ。
「仲良くなれるかな〜?」
「紅葉ならきっと仲良くなれるよ」
「お風呂空いたよ〜」
そう会話してたら雪音が上がってきた。知らないうちに時間が経っていたらしい。
「わかった。紅葉、さきに入りなよ」
「うん、わかった」
そう言って紅葉はリビングを出ていった。
「紅葉となんの話をしてたんですか?」
「ああ、転校生のことをね」
みんなそんなに転校生が気になるんだな〜。
「ま、兄さんを狙う輩じゃなければ私はいいですけど」
「相手は女性だからさすがに大丈夫だろ」
いまだに雪音は暴行騒ぎのことに根を持っているらしい。心配してくれるのは嬉しいけど僕の中ではもう大丈夫なんだけどな〜。
「はぁ…。なんか疲れたのでもう寝ますね」
「わかった。おやすみ、雪音」
「おやすみなさい、兄さん」
雪音は部屋に戻って行った。
―二十分後、紅葉が上がってきた。
そのまま紅葉は部屋に戻り、今日出たという宿題をやるようだ。
さて、僕は風呂に入るか。
―風呂から上がり、家事も終わったので今日は寝ることにした。さすがに疲れが出てたので僕はすぐに眠った。
―同時刻、一人の女性が笑みを浮かべていた。
「祐斗先輩、明日会うのを楽しみにしてますね!」
彼女はかなり嬉しそうに言って眠りについた。
新たに味わうであろう、喜びと共に。
祐斗「最近、この作品の作者はネタが思い付かなくて悩んでるらしいよ」
雪音「何かと大変ですね、この作品の作者さん」
という訳で正直ネタが本気で思い付かないアイギアスです。でも頑張って更新はします。
文章力がない自分が恨めしい…。