第十九話
久しぶりの更新です。
僕は少し三途の川が見えたが何者かに現実に弾き飛ばされた。
「はっ!?ここは!?」
僕は気が付くと教室ではなくベッドの上にいた。ふと太もも辺りが重く感じた。体を起こして見てみるとそこには雪音が僕の太ももを枕代わりにして寝ていた。僕は腕時計を見る。今は十一時。まだ授業中だ。まぁ僕が最後に覚えているのはクラスの女子に卒倒されたことだけだ。つまり八時半くらいから寝ていた(気絶していた?)ことになる。雪音はその間ずっと付き添っていたのかな?だとしたら嬉しいことこの上ないな。
「すぅ……すぅ……」
雪音の寝顔を見る。自分の彼女&妹とは思えないほどのかわいさだった。でもせっかく両想いになり尚且つ両親に認められたんだ。僕がしっかりと雪音と紅葉を支えないとね!
「ところでこの状態はどうすればいいんだろう……?」
保健室の先生もいない中、僕はポツリと呟いたのだった。
十分後。
「う……ん……?兄……さん……?」
雪音が目を覚ました。ちなみに雪音の寝顔は天使みたいに可愛かったです。……僕、色々危ないかも。
雪音は起き上がると僕の体をペタペタ触ってきた。恐らく何ともないかを確認しているのだろう。やがてホッと息をつき、雪音は離れた。そして僕を改めて見てくる。
「兄さん、どこか痛かったりしますか?」
やはりホッとしたとはいえ、心配らしい。まぁ今の今まで気絶してたんだから無理はないけどね。でも心配をしてくれるのは素直に嬉しい。
「うん、とりあえずは何ともないよ」
「そうですか。よかった……」
僕が腕を広げて見せて痛がっている様子がないのを証明したら雪音は次こそは本当に安心したらしい。僕はそれを見て微笑む。そして雪音は微笑む僕を見て微笑んでくれた。やっぱり雪音に笑顔はとてもかわいく、とても魅力的だった。
僕と雪音はあの後は保健室の先生が戻ってきたの時に保健室の先生がえらく僕を心配してたけど僕が「大丈夫です」と言って普通にベッドから降り、普通に歩いたら納得したらしく、ベッド利用の名簿を書いて僕と雪音は二人で教室へと戻る。途中でチャイムが鳴り、三時間目終了を知らせてくれた。
教室へ入ると皆が(女子のみ)僕と雪音を見てきた。そしてその中から水瀬が僕達のもとへやって来た。
「祐斗君、もう大丈夫なの?」
水瀬は騒動を見てたからか、凄く心配をしてくれていたらしい。僕は頷いた。
「もう大丈夫だよ。心配してくれてありがとね」
「そりゃあんな現場を見たら心配するでしょ。けど、どういたしまして」
水瀬は苦笑を浮かべていた。水瀬と楽しく(?)話していた時にふと横が静かなのに気付いた。雪音の方を向くと雪音は頬を膨らませていた。心なしか涙が見える。
「雪音、学校終わったら紅葉に聞いてからデートでもしようか」
何気なく言ったその言葉は雪音だけでなく他の女子までもが反応した。中でも永峰は完全に固まっていた。
「は、はい!是非とも!」
さっきまで沈んでたのはどこに行ったのやら、雪音は超笑顔で答えた。逆に何故か他の女子が沈んでた。なんでだろう?ただ水瀬だけはやれやれと首を振っていた。はて?何かマズイことを言ったかな?
昼休み。
僕は紅葉に連絡をして聞いたらなんと、
「わかった~。じゃあ今日はおとなしく一人で夕食を食べてるよ~。だからゆっくり仲良くね!」
と電話で言ってきた。僕は理解してくれる妹に感謝をする。なのでお言葉に甘えてゆっくり雪音と放課後デートをしよう。けどデートって実際にはどういうことをすればいいんだろう?さっぱりわからない。隆輝に後で聞いてみるか。
「兄さんとデート……。えへ……えへへ……」
「雪音、大丈夫か?」
「はっ!?だ、大丈夫です!!決してデートができるからと浮かれてるわけでは!」
僕が話し掛けてようやく我に戻った雪音。そしてほぼ本音が漏れてます。けど僕はそこまで雪音がデートを楽しみにしてくれているのに喜びを覚えた。雪音は深呼吸をして息を整えている。どれだけ興奮してたんだろう?さすがに驚く。同じく雪音の横にいた水瀬も心配そうに雪音を見ていた。
「ふぅ……。見苦しい姿を見せてしまいましたね」
いつもの静かな雪音に戻った。それを見て僕と水瀬は安心する。ここで下手に暴走してほしくはないからね。
この後は楽しく談笑しながら昼食(弁当)を食べて昼休みを終えた。
どうも、アイギアスです。
最近は二作のうちのもう片方に集中していたために更新がかなり遅くなってしまいました。申し訳ありません。
さて、ここであくまで予定ですが『春に咲く彼女達~けれど大変なことが多い僕~』はおそらく次回で最終話になるかと思います。
更新が遅れた上にこんなことを言ってすみません。
でも読んで下さっている皆さんには感謝しています。




