第十五話
またかなり遅くなってしまいました。
申し訳ありません!
放課後になってしまった。
悶々と考えた結果は何も思い付かなかった。なんで何も出て来なかったんだろう。ってそれは当然か。
「そうなるとやっぱり正直に言うしかないよね……」
永峰はともかく、伊島先輩には何を言われるか(いや、どっちかって言ったらされるか?)わかったもんじゃない。けど黙ってたら後からもっと何をされるかわからない。
「考えていてもしょうがないな。とりあえず永峰から話そう」
そう結論付けて、永峰を探す。教室の入口近くの席の子と話していた。僕はそこに近付く。その子が僕に気付き、なぜか顔を赤くして俯いた。……僕、何かしたっけ……?なんか地味に傷付く。するた永峰も気付き、僕を見る。
「永峰、ちょっと話があるんだけどいいかな?」
そう問い掛けると永峰は途端に顔色を変えた。告白の返事だと思ったのだろう。実際にその通りだけど。
「うん、わかった。いいよ。……ひーちゃん、また後でね」
「あ、うん、また後で」
今まで話していた子にそう言って僕の横に付く。僕はそのまま屋上に向かう。この時間なら誰もいないだろう。
特に会話もなく屋上に着く。
改めて永峰の方を向いて、
「告白の返事だけど……」
「うん……」
永峰は少し暗くなる。けど僕はそのまま、
「ごめん、僕は雪音の事が好きなんだ。だから永峰とは付き合えない……」
自分の正直な気持ちを永峰に伝えた。永峰はそれを聞き、俯く。髪が顔に掛かって顔色が見えないが、悲しんでいるのはわかる。それは雰囲気的にだけど。
それから五分。僕も永峰もお互い動かずにいた。が、
「…………そっか」
と短い言葉を永峰が呟く。
「うん……。やっぱりそうなのかなって思ってはいたけど出来れば私を選んで欲しかったな……。今となってはただの儚い願いだったけどね……」
そう言って顔を上げた永峰はえへへ、と笑っていた。恐らく強がりだろうけど。
「本当にごめんね?」
もう一度謝ると、
「そう何度も謝らないでよ……。余計に傷付くからさ」
「あ、うん」
何度も謝ることは時として更に傷を付けるんだな。じゃあ、
「告白してくれたこと、素直に嬉しかったよ。だからありがとう」
代わりにお礼を言うと、
「うん、しっかりと考えてくれたことは私も嬉しかったよ!いい返事は得られなかったけどね」
永峰が笑顔で答えてくれた。その笑顔はまるで春に咲いた桜などの花のように見えた。
「祐斗君、一つだけお願いがあるんだけどいいかな?」
ん?何だろう?
「何かな?」
「振られちゃったけど……、これからも今までみたいに友人として接してくれると嬉しいな」
ああ、なんだ、そんな事か。
「勿論だよ!これからもよろしく!」
「うん!よろしくね!……それじゃもう行くね、バイバイ!」
「あ、その前にこれ」
永峰が去る前に、僕は一つの紙切れを差し出す。それは僕のメールアドレスと電話番号が書かれている。
それを確認した永峰は先程と同じような笑顔を浮かべて、その紙切れを受け取り、今度こそ去って行った。
さて、次は……。
「伊島先輩、だね。こっちも素直に伝えよう!」
そう意気込み、屋上を去った。
ーー
とある屋敷。桜は学校が終わるとすぐに帰って自室に潜り込んだ。そして、朝の事を思い出す。
「はぁ……。私の祐斗先輩がぁ~……」
桜は自分の自室でとてつもないショックを受けていた。朝、祐斗と雪音の事を本人達から聞いた事がやはりショックだった。
「お嬢、どうかなさいましたか?帰って来られてからずっと元気がないようですが……」
亮が心配して声を掛けるが桜は反応しない。
「(参ったな……。こりゃ旭祐斗から話を聞くしかないか?)」
亮がそう考え始めた頃に桜が、
「ねぇ、亮……」
「はい、お嬢」
「一夫多妻って認められるかな……?」
「えーっと、それはさすがにわかりませんね」
それよりも亮にとっては質問の意味がよくわからなかった。
「ならやっぱり祐斗先輩と繋がるには一夫多妻しかないわ!」
突如変な気合いを入れる桜にぎょっ!としながらそれを見やる亮。そして同時に亮が思ったこと。それは、
「(旭祐斗。よくわからんが気を付けた方がいいぞ。お嬢は諦めが悪い御方だからな)」
と、祐斗にエールを送っていた。
その時に祐斗が謎の悪寒を覚えていたのはまた別の話である。
どうも、アイギアスです。
更新がまたしても遅くなってしまいました。最近はリアルが忙しい上に、ネタが中々思い付かないという2コンボを食らっていました。
また更新が遅くなる可能性がありますが、そこは温かい目で見て頂けると嬉しいです。




