第十三話
あれから三日後。
今更ながら両親のことを説明しようと思う。両親は共に色んな所に転勤してるために家に帰ってくることはほとんどない。堅苦しいかどうかは真逆だ。でも僕と雪音の交際を認めてくれるかどうかは話が別だ。雪音を一瞥して父さんに電話をかける。ガチャ。
『もしもし?』
何気にすぐに出た。仕事中ではなかったようで安心した。
「父さん?祐斗だよ」
『おぉ、祐斗か。どうした?なんかあったか?』
陽気な声が返ってきた。しかも嬉しそうに。なんかいいことでもあったのかな?まぁいい。本題だ。
「実は大事な話があるんだ」
単刀直入に言うことにした。
『おう、なんだ?』
特にテンションが変わってない父さん。でも声はさっきよりも真面目になってる。
「僕とさ、雪音の交際を認めてほしいんだ」
言った。言ってしまった。もうどうなるかはわからない。そして父さんの返事は……!?
『祐斗』
名を呼ばれる。雪音も不安そうにしてた。
「なに?」
『やっとお前らがそれを考えたか』
父さんの言葉は予想もしてなかったものだった。
「え?どういう意味?」
『いや~、雪音を他の男にやるのは正直嫌だったんだ。大体が下心ありまくりになりそうだったし。母さんも心配してそれは何度も言ってたんだよ。んで一番いい手は色々考えた結果、お前と交際させるのが一番だと考えたんだ』
まさか両親の間では僕と雪音の交際はほぼ決まってたらしい。この両親はやっぱりどこかおかしい。 でも一つ気になることがある。
「なんでさっさと言わなかったんだ?」
そこまで考えていたならさっさと言うだろう。だから僕は疑問に思った。
『そりゃお前らにも選ぶ権利があるからな。だから何も言わなかった。けど二人が交際するというなら止めない。というよりもむしろ歓迎だな!ははは!』
父さんは豪快に笑う。父さんの言葉はつまりは、
「OKってこと?」
『おう!』
呆気な!?僕と雪音の緊張はなんだったの!?
『けどちゃんと紅葉のことも見てやれよ?』
「わかってるよ」
『それがわかってれば異論はない。楽しくやれよ?』
「……うん。ありがとう、父さん」
『おう!そろっと仕事始まるから切るぞ』
「わかった。仕事頑張ってね」
「おう!」
電話を切る。そして不安そうな雪音の方を向いて、
「父さんも母さんもいいってさ。むしろ歓迎だって」
「ホントですか!?」
一転して喜ぶ雪音。
「うん」
「よかった……」
安堵の息を吐く雪音。そしてこちらを見て、
「それじゃ改めてよろしくお願いします。兄さん」
「こちらこそ。雪音」
こうして無事に僕と雪音は付き合うことができた。嬉しい限りだ。
まぁまだ問題はこれからだけどね。
アイギアスです。
もう色々疲れました。けどめげずに頑張ります。




