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特別話10000pv達成

サブタイトルの通りです。

感謝です。

とある休日。今日は四月二十五日。なにかあったような気がする。

僕はやることがなくて暇だった。家事は全部やったから本当にやることがない。

「暇だ……」

紅葉はクラスメートと買い物に出掛けたし、雪音はどこかに出掛けてた。だから家の中もシーンとしてる。さて、どうしたものか……。

「隆輝も今日は大会だったっけ。あの学校の男子は大体バスケ部なんだよな……」

つまりは同じ学年の男子は部活に入った所はみんなバスケ部。しかもあの学年で入ってないのは僕だけ。

「友人も誘えないしどうしようかな」

本気で悩んだ末、僕の結論は、

「外に出てブラブラしてよう」

それしかなかった。準備をして戸締まりをして外に出る。今日は過ごしやすい温度のようだ。風が気持ちいい。


ーーー三十分後。

僕は困っていた。そして外に出たことをかなり後悔してた。その理由は……、

「あの~、よければご一緒にカラオケでも行きませんか?」

「代金は私達が払いますから」

……逆ナンにあってた。しかもこれはたしか、五回目くらいだ。

「ごめんね、女の子に払わせるのは悪いから遠慮しておくよ」

まぁこのように全部断ってるけどね。理由?いつ帰れるかわからなくなるからだよ。できれば少し早めに帰っておこうと思ってるし。

しかし、

「えぇ~、そんなこと言わずに一緒に行きましょうよ!」

この子達はなかなかしつこい部類のようだった。

「それに、そろそろ帰らなきゃいけないからね。だからごめんね」

これはさっさと帰った方がいいだろう。これなら家で何かしてた方が良さそうだし。何より何となく嫌な予感が……、

「おい、そこの優男!」

……すでに起こりました。なんかチャラそうな金髪の男がやって来た。あー、こりゃまた喧嘩かな。逆ナンしてきた女の子達が震えてる。

「あんたさ……」

なんだ?いきなり殴って来るのか?こちらに近付いて来た。そして、

「この店どこにあるか知らねぇか?」

と、言ってきた。……………………………は?

ちなみにこの男が指してきた店はアクセサリー屋だった。

…………なんで?

「え~っと、そこの角を右に曲がってすぐ左側にありますよ」

とりあえず教えた。そして男は、

「おぉ、すぐそこじゃねーか。あんがとな!」

言って男は笑いながら去っていった。喧嘩にならなくてよかったよ。女の子達も心なしかほっとしてた。当然か。

「さて、僕は帰るかな」

「えっ!?」

……なんで驚かれてるの?僕。

「あ、あの、それじゃせめて連絡先だけでも!」

必死だな~、この二人。教える気はないけどね。後々面倒になりそうだし。

「それもお断りするよ。最後に一つだけ。君達はもっと素敵な人を探した方がいいよ」

僕となんかじゃどう見ても不釣り合いだしさ。正論だろ?

「そう……ですか……」

一人がしゅんとする。もう一人がその子を連れて去っていった。それを見届けて僕は帰路についた。


家に着くと雪音がいた。

「あれ?雪音、どうしたの?」

雪音はせっせと何かしてた。

「ひゃっ!?」

いきなり声をかけたからか、雪音は可愛い悲鳴を上げた。

「に、兄さん!?驚かさないでください!」

……帰って早々に文句を言われた。少し泣きたい。

そのタイミングで紅葉も帰ってきた。

「紅葉、お帰り」

「ただいま、お兄ちゃん」

さっと何か隠す紅葉。…………雪音の反応といい紅葉の行動といい、絶対何か隠してるな。まぁいいか。隠し事は誰にでもあるし。

さて、僕は部屋に行くかな。

階段を上って部屋に行く。僕の姿が見えなくなったあと、二人はボソボソと何か言ってた。共有の秘密らしい。女の子の秘密ってやつかな?

部屋に入る。今日の夕食当番は紅葉だから僕はしばらく部屋で本を読むことにした。


ーーーしばらく本を読んで時間がたった後。

「兄さん、夕食です」

雪音が呼びにきた。もうそんな時間か。少し早いような気もするけど、いっか。

「わかった」

本をしまってリビングに向かう。そこには、

「……今日はえらく豪華だね」

沢山のご馳走があった。しかも心なしか僕や雪音が好きなものが多い。

「今日はどうしたんだい?紅葉」

思わず紅葉に聞く。すると紅葉は笑顔で、

「お兄ちゃん、今日はお兄ちゃんとお姉ちゃんの誕生日だよ?」

言われて思い出す。同時に、雪音への誕生日プレゼントを買い忘れた後悔もした。兄弟の誕生日も覚えてないなんて兄として失格だな、僕は。

「そっか。もう誕生日だったんだね」

「そうですね」

僕が呟くと雪音も呟く。

「ごめんね、雪音。誕生日プレゼント、買い忘れちゃった」

素直に言っておくことにしよう。

「大丈夫ですよ、兄さん」

雪音はいくつになっても雪音だった。気にしてないようだ。

「でも忘れてた詫びはしておきたいよ」

それでも忘れたのは良くないことだ。せめてできることをしたい。

「では後で甘えさせてください」

「そんなのでいいの?」

「はい」

甘えるのは全然構わないし雪音もそれがいいならそれでいいか。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん。誕生日おめでとう!はい、プレゼント」

小さな箱を渡してくる紅葉。受け取ったら軽かった。

「開けていい?紅葉」

「うん!」

笑顔で答える紅葉。雪音と目をあわせて箱を開ける。

「……綺麗なブレスレットですね。紅葉、ありがとう!」

二つの箱の中身は色違いのブレスレットだった。僕は赤と金色のブレスレットで雪音は青と銀色のブレスレットだった。雪音の言う通り、とても綺麗だった。

「ありがとう、紅葉」

「えへへ♪二人に喜んでもらえて良かった!」

紅葉の頭を撫でる。嬉しそうに笑う紅葉。いい妹を持ったな、僕は。

そこで雪音も、

「兄さん、誕生日おめでとうございます」

言って小さな包みを手渡してくる。受け取るとそれは軽い。なんだろう?

「開けてみてください」

言われて可愛いラッピングをされた包みをほどく。そこには僕が前から欲しがっていたペンダントがあった。それは雪が降り積もって朝日に輝く銀色をしたペンダントだった。つまりはダイヤモンドだ。そしてそれは僕と雪音の誕生石でもある。それはとても綺麗な輝きをしてた。

「ありがとう、雪音。嬉しいよ」

「喜んでもらえて何よりです♪」

微笑む雪音。僕もお返しをちゃんとあげないとな。

そうして僕達は紅葉が作ったご馳走を食べ、みんなで喋ってこの日の夕食は終わった。


夜十時。

雪音が今僕の部屋にいる。今は雪音が僕の横で寄り添っている。雪音は嬉しそうに微笑んでいた。

「こんなので良かったのか?雪音」

「はい。これだけでも幸せです」

「そか。雪音がいいならいいか」

僕も嫌じゃないので存分に雪音を甘えさせる。とはいえやってるのは頭を撫でたりしてるだけだけど。

その後は他愛のない話をして、雪音が寝るまで甘えさせた。

今日一日は楽しい日だった。

そして二人の兄であること。それが僕にとって嬉しいことだと改めて思い、この日を終えた。

二人に最高の誕生日にしてくれてありがとうと思いながら。

どうも、アイギアスです。


沢山の方に読んでいただき、感謝でいっぱいです。

どうか駄文ですが今後も読んでくださると嬉しいです。



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