七話:この状態にはしないでくれ。頼むから、カムバッーーーク
よし、奥の手を使いまくって華々しく散るか、ジンさんが来るまで逃げ回るかどっちにしよう。
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よし決めた。とりあえず、速度重視をかけて、手とかで攻撃しまくろう。意味ないと思うけど。だってさ、もう魔力ないんだよねぇ~。
んで、ジンさんが来るまで待とう。
あの人なら、楽とは言わないけど勝てるだろう。
「雷よ、風よ。我は速さを求むる者也。その力を我、今しばらく借りん」
早口で唱え、さっさと動く。先手必勝。
足を狙って蹴る。
かったァあぁぁぁぁぁ~~~~~~~。
何あれ?硬っ!!!
とりあえず蹴った勢い使って、後ろに下がったけどまだ足がジンジンしている。こっちは結構強く蹴ったのに…………。
なのに、奴はなんですか?みたいに全く動じてないし。それに、こっちが思いっきり攻撃しても、攻撃しようとしてこない。何したいんだよ?
そのことについて考えたかったが、動きを止めるわけにはいかないんだよなぁ~。狙われるから。
しゃあない。
「水よ、出ろ!≪間欠泉≫」
間欠泉を七色の鳥の周りに出させる。
そして、すぐに唱える。
「雷よ、その力をもって水を壊せ≪分解雷≫」
電気がどこからか現れ、水に向かう。
そしてオレは、地面に描かれてある文様に魔力を流す。
残り魔力が少ないとはいえ、一つ分なら≪火球≫は出せる。
少しのタメを持って、奴に向けて撃つ。
そして、いつの間にか消えていた間欠泉があった場所にたどり着いたとき、そこら一体が爆発した。
もうお気づきかもしれないが、これはただ単に水を酸素と水素に分解、その後熱源―――この場合は≪火球≫―――を近くにやることでそれらが反応し、水になる。その時に爆発が起こる。
理科や科学の授業で何回も何回も何回もやった実験だ。
これが、オレの奥の手の一つ。この世界も、地球と同じ分子、原子によって構成されているという事に気づいたオレが考えたもの。
でもさ、全く効いてないって・・・どゆこと?
何、それ?
これでも、奥の手の中では結構使えそうなものだったのに……。
あ~あぁ。
しゃあなし。
やるか。
残り魔力の殆どを使うモノをやるかぁ。
これは、真似されるとすごく危険だから、を共鳴声を使い唱える。
『集まれ星の力よ。我はその力を行使する者也。集まり、寄り、絡み合い、固まれ。
その重き力を1つにし、顕れ、蹂躙しろ。≪絶対力≫』
ブラックホールとか言ってるけど、ホントはそこまで強いモノは作れてないんだよなぁ。
強いて言うなら、≪ブラックホール(笑)≫ってところ。
で、その≪ブラックホール(笑)≫が鳥の王と重なるように顕れる。
そのあとは、知らん。
魔力がなくなって気絶しちゃったんだもの。
まぁ、でも一度発動した魔法は実行し終わるまで続くからいいんだけど。
で、最後に走ってきている音を聞きながらオレは気絶した。
そういや、あの王種、なぁんにも話さなかったなぁ。
「おはよー、そして、久しぶり」
そんな声で目が覚める。
誰の声だ?どっかで聞いたことがあるよーな。
「憶えてないの?五年ぶりの再開だっていうのに……」
目を開けるといつか見た、女神?がい「ハテナ?女神??キミキミ、また、されたいの?」
だからね、疑問の段階でひ……そういや、そうだった。
久しぶりだから忘れていたけど、考えていることが丸分かりなんだっけ?
また、同じことをしそうになってしまったよ。
つーか
「なんでオレはここにいるんだ?」
魔力がほぼなくなって、気絶したことはわかるけど……、え!おい!もしかして!?
「死んだ!?」「とりあえず、五月蝿いから黙ろうか」
口を消すのはどう
「じゃあ、説明するね」
何もなかったよ、もちろん。当たり前じゃあないか。ちょっとふらついてしまっただけだよ。
「まず最初に結論言うけど、あなたは死んでいない」
ん?
「もう一度言って」
「聞こえなかったの?あなたはまだ死んでいないって言ったのよ」
や、やっぱり。気づいてないのかもしれない。でも、なんでだろう。
「はぁ?なんのこと?」
「何でもありません!」
「まぁ、いいわ。ここにはあなたの精神だけを持ってきたの。精神=魂ね。
で、説明するけど、あなたがここに来たのは簡単に言うと、新しい力を与えるためなのよ。前に言ったじゃない?まだまだ他の神様からもらった力が余ってるのよ。で、今回、あなたが新しい力を求めたわけ。そういうことで、それについての説明とかをするために、ここに呼んだの。分かった?」
な~んだそんなこと。
「?そ・ん・な・こ・と?」
「いえいえ、重大なことですね、とても」
「そうでしょ?」
「で、どんな力をオレは求めたわけ?」
オレ自身は何も求めてないと思うんだけど。
「だから、前に言ったとおり、深層意識が欲しがっている力をあげるんだから、あなたが今欲しがっているものと違うんだって。それで、あなたが欲しがっている力は、え~っと、創造魔法ね」
「ソウゾウ魔法ってどっちの?想像?それとも、創造?」
「創る方の創造よ」
おい、オレの深層意識。何とんでもないもんをリクエストしてるんだよ。
どんな魔法か分からんが、響きからしてなんかチートっぽい。
「内容も聞いてないのに、なんでそんな風に考えちゃうのかな~。
で、その内容なんだけど、あなたがいる世界では魔力で作ったものは、しばらくしたら消えてなくなるじゃない?でも、創造魔法を意識して、モノを創るとそれは消えなくなるのよ。まぁ、それだけと言えばそれだけなんだけど、色々作れるからね、あなたは。
例えば、銃器とか、爆弾とかね。あ、でも魔力消費量は大きいから気を付けてね」
ふむふむ、便利だなぁ~。これがあれば色々と作れるのかぁ。でも、あまり役に立ちそうにないなぁ。
オレは今の生活に満足しているわけだし。
「じゃっ、それだけだから。じゃぁねぇ~」
「おい、ちょっと待てよ!速すぎるだろ!もっと説明とかしろよ!」
「あたしは今忙しいわけ、わ・か・る?この時間だって、なんとか時間を作ってあなたに会いに来てあげたのよ。そういうわけでそれで勘弁してあげるから、さっさと起きなさいよ。大変?なことになっているから。これも転生者の運命だと思って、諦めなさい。
じゃあね~」
そう言って消える、女神様。
あの、直してから、帰っていただけませんか?
うん、そう。やっぱり答えないよね?
「はぁ~。もう二度とここに来たくない」
そう言ってから10分後、意識がなくなった。
最後まで、元に戻らなかった…………………………。
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