六話:そ、そんな……… 焼肉喰いたかった………
明けましておめでとうございます。
今年もどうかよろしくお願いします。
というわけで
前回の続きでケッツァコアトル戦です。
その瞬間オレの視界が水色の水で埋まった。
目の前には、水、水、水!左も右も水!その水がオレに向かって動いてくる
「っ!!!」
くそっ。逃げ場がねぇ。どうしようか。ヤバイヤバイヤバイ。
!そうだ!あれだ!
もう目の前に水が迫ってきているため、詠唱破棄で発動する。たった今考えついた魔法を。
「噴火!!!」
オレの前の地面が裂け、摂氏何度かはわからないが、とにかくアツイ火、否、炎が出てくる。
「風よ、≪気温調整≫」
気温調整する魔法をかけ、炎のすぐ後ろに立つ。これで、アツクない
ぶしゅじゅしゅしゅぅうううぅぅぅぅぅぅ~~~!!!
その炎が、オレを潰そうとしてやって来た水に当たり、どんどん消えていく。
しかし、水もどんどん蒸発していく。
そうして、気付いたら水も炎も消えていた。
「噂はホントだったんだな。体の色と得意属性が同じということは」
『ふむ、それがどうかしたか。』
どうやら仕留められなかったいらだちを隠しているっぽい。
この世界のものには、魔法に限らず属性がある。
ゲームとかでお馴染みだが、この世界では非常にややこしいことになっている。
まず、基本属性というものがある。これは、火、水、風、土という4属性で構成されており、一般的に火は水に弱く、水は土に弱く、土は風に弱く、風は火に弱いと言われている。しかし、オレがさっきやったように、水に対して火を用いて蒸発させたりといったように、それでは説明がつかないものがある。
で、次に上位属性。火炎、潤水、疾風、岩石、闇、光があり、火炎、潤水、疾風、岩石は火、水、風、土の強化版のようなものだ。ちなみにこれはある程度基本属性ができていないと、使えない。
簡単に言うと、同じようなものでも上位属性のほうが強いのだ。例えば、火属性の≪火球≫と火炎属性の≪炎球≫は形などもほぼ同じだが、ぶつけ合うと≪炎球≫のほうが勝つ。
で、最後に、派生属性。これは、その他の属性だ。例を挙げると炎、氷、影、時、木、色、雷などがある。
それで、だ。魔力がある程度あるものならば、大抵どの属性でも使えるが、その中には得意属性というものがあり、得意属性じゃないものと比べると1.5倍以上になる。
そして、逆に苦手属性というものがあり、これはそのまんま得意属性の逆だ。同じ属性の同じ魔法を使ったとき、威力が下がるというもの。
で、長くなってしまったがオレが言いたいのは、
今、オレが相手にしている鳥―――ケッツァコアトル―――の体の色は水色。つまり青系である。これは、水系統が得意という意味にしかならない。ちなみに、緑系だと風系統、赤系だと火系統、茶色系だと土系統が得意属性だと思われる。
まぁ、噂だったんだが当たっていたようだった。
さて、いっちょ反撃と行きますか。
オレは今まで使っていなかった上位属性を使うことにした。
だって、もう実力分かったし。
「さて、殺さないとな」
この年齢で上位属性が使えると知られるのは嫌だしな。
『何を言っておるか。汝はわれに負けるに決まっておろう』
「そういくかな?」
オレはそういった後に直ぐに発動させる。
『ムッ』
オレはただ逃げていただけじゃあない。逃げながら地面に文様を描いていたのだ。
何個も何個も。
それに今魔力を流した。つまり、刻印魔法が発動する。
発動する魔法は≪火球≫。
ボゥ、と≪火球≫が何個も何十個もオレと奴の周りに現れる。
「逝け」
その声を発した瞬間≪火球≫が動き奴に向かって動く。
すぐに奴の姿は火球で見えなくなった。
だが、俺はそれを無視して詠唱を開始する。
「火よ、炎よ、火炎よ、焔よ、劫火よ。集まれ、寄れ。そして逝け。≪真っ赤な雨≫」
火系統に特化させたオレの魔術が発動する。大量の火で作られた弾丸ができる。
そして、それらが未だ尽きることなく鳥に向かっている≪火球≫に混ざり、敵に向かう。
そして、さらに指で文様を書く。某眠りたがりさんみたいな感じで。
そうして書きながらオレは更に詠唱をする。
「日よ、我はその力を求める者也。我は探求者也。その力を借り受け我はここに想像せん!≪灼熱球≫」
その言葉が終わると同時に文様を書き終える。
そして未だ、≪火球≫も≪真っ赤な雨≫がやまない鳥の上に、でっかい炎の塊が出てきて、落ちる。
そして、土煙がもうもうと巻き上がる。
ふーこんぐらいやればいいだろう。
というより、妹とオレを食おうとしたからな。こんぐらいは、やって同然だ。
特に、リヴを食おうとしたからな。可愛い可愛いオレの妹に、お前のような鳥が触れていいと思っているのか?
否だ、否!
お前みたいなカスはそこで焼き鳥になってりゃあいいんだよ。
と、土煙が晴れてきた。
鳥は焦げていた………。う、嘘だろ。
焼き鳥にして食いたかったのに……………。オーアールゼット。がっくし。
?て、いや、あれちょっとヤバ。
しまった。いくら、精霊式と合わせた魔術だからとはいえ、魔力を使いすぎた。
まぁ、でもいいや。いろいろ使っちゃたからな~。ジンさんが来るだろう。きたら家に連れ帰ってもらおう。チョッと動けそうにないし
さてと、ゴロンと地面に横になり、目をつぶり寝ようとしたら、なんか音が上から聞こえてきた。
擬音語にするとこんな感じ
ばさっばさっばっさばさ
?この音って………目を開けたらそこには
七色に輝く羽を持った巨鳥がいた。
というより、ケッツァコアトルだった………。
って、おい!おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおい。
またかっっていうかなんで連戦?オレは父さんとかと違ってチートとかじゃあないんだぞ?一体に対してほぼ全魔力使っちゃうやつなのにどーしろと!?
そ・れ・に、なんで七色?
本や母さんによるとあっても2種類の色しかないっていっていたのに…………。
ん?いや、あったなぁ~。うん
なぁ~んだっ、王種か。
王種ならこんなにカラフルな色をしているのも頷けるなぁ。
あははっはははははははははははっははははっはははは。
勝てるわけねぇじゃあないかよ。
まぁ、いい。
ヨレヨレの足に喝を入れ、なんとか立ち上がり七色の鳥を見る。
あっちもこっちを見ている。
さて、できるだけ抵抗してやるか。
これでも神になった男なんだから、神らしさを見せないとな。
意見とか感想とかアドバイスをもらえるとありがたいです。