五話:やっとやっと来たよ、戦闘が
と、言うわけで戦闘です。
上手いわけではありませんが。
さて、今オレ達は、ジンさんが家に戻ったので二人で習った大系を使っていろいろな事をしている。
と、そんな時に
「そういえば、母さんたち遅くないか?」
ラインが夕日に照らされながら、唐突に言った。
「あぁ、そういえば確かに。新しい大系に夢中で忘れていたな」
「おいおい自分の妹のことも忘れてたのか?そんなにいいのか?新しい大系を学ぶのが」
はぁ、わかってないなぁ。
「いーに決まってるだろ。魔術も使えるようになるし、それによって使える魔法の幅が広がるんだぜ?」
「まぁ、そうだけどさぁ~。使えなけりゃあ意味ないだろ」
あぁー、そうだった。ラインは刻印がよく理解できなくて諦めたんだっけ。
「んで、さんたちが遅いんだっけ。どうせ、あれじゃあないか。ほら、いつだったかリンが迷子になって、探してて遅くなったっていうのがあったじゃん。どーせ、あ「お兄ちゃん!」
なんて声が聞こえてきた。
声から推測するに先程話題になっていたラインの妹、リンのようだ。
そっちを見ると、思ったとおりリンがいた。
「お兄ちゃん達、お母さんが……。お母さんが……」
といって泣き始める。
「落ち着け。何があったんだ?」
なんか嫌な予感というか予想があったが、聞かなくては物事を進められないので聞く。
「ぇひっぐ。リヴがおっきい鳥に………「あぁ、大体わかった。もう、大丈夫だ」
ちっ、そういうことかよ。
「ライン、リンを家に連れていってくれ。そして、ジンさんに伝えてきてくれ。
リヴが魔物にさらわれて、エリスさんが取り返そうとして負傷。相手は、多分ケッツァコアトルってことも。オレは探しに行ってくる。頼んだぞ」
「おい、ま「じゃっ」
反論を許さず、すぐに駆け出す。オレは妹のことが大切だからな。
「雷よ、風よ。我は速さを求むる者也。その力を我、今しばらく借りん」
走りながらそう唱え、速度重視の身体強化の魔術をかける。
こんな広い森とはいえ、この速さならば1時間ぐらい走れば見つかるだろう。
そう思い、とにかく走りまくった。
そうして、ジンさんの家をでて30分後。
オレは、茂みに隠れていた。
なぜなら、リヴを背中に乗せたでかい鳥が目の前にいるからだ。ちなみにリヴは気絶中っぽい。そして、あちこち探しまくったがラインの母親であるエリスさんは、見つからなかった。
しっかし
「やっぱり、ケッツァコアトルか……」
ケッツァコアトルは魔物の鳥類種の中で頂点にいる魔物で、ランクはSランクに位置する。そして、体長は平均2m程ある。羽の色は様々で、赤も入れば青や緑もいる。大昔に竜と鳥が交わって生まれた生物とか言われており、その羽毛は並みの武器では傷はつかないほど硬い。もちろん、鳥なので空を飛べるがその巨体のためか、長い時間飛ぶことはない。姿は、丸っぽい。前世では、鳥とかに興味なんかなかったから何に似ているのかはわからん。
で、だ。こいつは、水色。体調は平均と同じぐらい。そして、オレに背中を見せて歩いている。襲うなら、今だろ。奥の手とかを使えば、絶対取り返せるしな。
「雷よ、風よ。我は速さを求むる者也。その力を我、今しばらく借りん」
そう言って、また身体能力を強化する。
そして、
「我は風。我は雷。我は疾きものなり。その力をもって、いざ、駆けん。≪風雷≫」
一直線にリヴを目指して翔ぶ。
あっという間にリヴに近づき、リヴを背中から奪い、抱きかかえる。幼児だと物を持つのも一苦労だなぁ~。
そして、そのまま、真っ直ぐ進『行かせん!』めなかった。突如目の前に水の壁が現れる。
≪風雷≫を解除して止まる。とりあえず、リヴを取り返せたのはいいが……ちっ。ここまで反応が早いとは。さすがはSランク。逃げ切れると思ったのに………。どうしよう……。
『久しぶりに我に合う物なんじゃ。そのまま行かせると思ったか?』
念和で話しかけてくる鳥。つーか、まじでか。まさかリヴがこいつに合うとはなぁ~。さて、どうしよう。とりあえず話しながら、スキでも見るか。
「行かせて欲しかったんだけどなぁ」
『くくくく。無理だと分かっておろう?』
まあ、そうだけど。ってそうだ。丁度あれがあった。でもあれは一人用だしなぁ~。しゃあない。リヴに使わせて、奥の手使って逃げるか倒すかしないとなぁ~。
「ところで、お前がこいつを攫ったとき誰かがお前に攻撃しなかったか?」
『答える義理はないと言いたいところじゃが、ふむ、冥土の土産に答えてやろうか』
「ちょいちょい、待ち待ち。なして、オレは殺されんの?」
『それは汝も合いそうだからじゃよ。くくく、まさか一度に2匹も合う物があるとは思わなんだ』
うわー。最悪。まさかなぁ。じゃあもう
「倒すしかないじゃあないかよっ!!!!!」
そういってズボンのポケットから札を取り出しリヴに付け、魔力を流す。
直ぐに必要魔力量に達し、札に描かれた文様が光り、刻印魔法≪転移≫が発動する。
『なんだとっ!!』
その瞬間リヴは光に包まれ、そして、消えた。オレは、咄嗟に放ったであろう≪水球≫にあたり吹っ飛ぶ。
『っくくくくく。汝よ、』
とタメを作って『死ね』
「誰が死ぬかよ!!」
と言いつつ、凄まじいスピードでやってくる水の塊をよける。右、左、後ろ、屈んで、ジャンプ。
よっ、とっ、せっ。
よし、身体強化はまだ続いてるな。なら、
「今度はこっちの番だ」
未だ途切れることのない水の塊のを避け続けながら詠唱する。
「火よ。寄り集まり彼の者を討て≪水弾≫」
実際の銃弾―――9mm―――と同じような形をした水が現れ、回転しながら鳥に向かう。
しかし、空中にある水にあたり蒸気を上げながら消えていく。
『ふっ。そんなものか。使えん魔法だな』
くそっ。やっぱりだめか。どうしようか。これでも、奥の手のひとつだったんだけどなぁ、弾系。火球だと威力が弱いしなぁ。火槍だと水にあたってダメになるし………。
と、いつの間にか水が来なくなってきた。どうしたんだ?
『押し潰せ≪水潰波≫』
オレの疑問に答えるように奴の声が聞こえ、魔法が発動した。
今年最後の投稿です。
といっても、この話が投稿された時点で、残り1時間ほどで新年ですが……。
来年もよろしくお願いします。
意見とか感想とかアドバイスをもらえるとありがたいです。
それでは、良いお年を