十六話:自己紹介って何言うか迷わない?
まぁ、いいや。後でライン…は聞いてないだろうから、リヴ達に聞くか。
あぁ、忘れていた事があった。なんで二歳年上のラインがオレと同じクラス、すなわちオレと同じ学年にいるのかと言うと、一言で言うなら亜人だからだ。
別に差別とかそういうモノじゃあない。亜人というか人間以外の者は大体が人より寿命が長い。だから、それぞれによって成人の年だったりが違う。
例えば、オレが前世で暮らしていた日本では20歳で成人となっていた。昔は12歳だか15歳だかで成人だったけど……。で、今オレが住んでいる国イクォリティーは15歳に成人となる。今住んでいる世界では大体が15歳で成人だと聞いている。
でも、エルフは寿命が長い。ラインはハイエルフだからそれに輪をかけて長い。聞いた所によるとハイエルフの寿命は1500~2000歳との事。ここで、ちょっとした計算しよう。人は120歳程まで生きられると聞いた事がある。それを使って、さらに色々な事をオレの思うままだと仮定して、
120:15=8:1=2000:X
と考えてみる。
そうすると、
X=250
となる。簡単な計算問題だな。
そう考えると……………ラインは、いや、ハイエルフ族は250歳まで子供という事になる。まぁ、オレの仮定が全て正しいとすればだけど。合っていないだろうがな!!
で、本題からずれつつあると思うが、ちゃんと戻ってきたぞ。
結論を言うと、寿命が長すぎるから人間からするといつ入れれば良いかわからないぜ!だから、親に良識の範囲内でいつ入れるのか決めてもらおうぜ!という事。
だから、ジンさんはラインがオレと仲が良いからってオレと同じ時期に入れる事にしたんだろう。
「では、そちらにいる方から自己紹介をしていってください」
あぁ~、自己紹介か。
と、そうだ。忘れる所だった。
さて、この学校に入学してるのは、もちろんリヴ、ライン、リン、ククルー、オレだ。
ククルーというのはケッツアコァトルの王種の事。
しっかりとちょ………教育して言葉遣いを普通のモノにして、オレ達と一緒に暮らしている。
義妹として!
母さんたちに説明するのは疲れたが、最終的になんとか許可をもらい義妹として暮らす事になった。一応、オレらは人間なのでククルーが使っていた人間になる魔法(広義の意味で)にプラスして、母さんが魔力を抑える魔法とか魔法具とかを使って擬態している。
と、そんなことを考えている場合じゃない。
速く何を言うか考えなくては!
え~っと、名前だろ。ギルドランクだろ。両親の事はぁ~やめておこう。すぐバレるかもしれないけど。え~っと他にはぁ~。だめだ。思いつかない。他の人を参考にするか。
「知っての通り、ストレイク・アルブール・イクォリティこの国の第三王子さ」
前に出てきて自分の金髪をフッとやりながら言いやがった。
金髪碧眼に西洋風なイケメン?顔。キャーキャーうるさいぞ!そこの女子共!こいつは、敵決定だ。さっきもキャーキャー言われてたし。なんで、こいつが好かれんのかなぁ~?
まぁ、はい、キザ、ナルシストけって~~い。異議なぁ~し。
でも、普通の人は少ないようだ。だって、キャーキャー言ってる人が数人しかいないんだもの。
あ、ダメージ受けたっぽい。ざまぁ。でも、さらにキャーキャーが大きくなった。
あぁ、そうだイケメン?になっているのはオレが顔の善し悪しが判らないからだ。
あからさまに酷かったら判るのだが、特段に良かったら判らない。もちろん、普通の人とイケメンとか美少女の区別も、無理。
原因は色々あるが、多くは前世だ。
どういう事かというと、前世の時に通っていた学園にはたくさんの美少女、イケメンと呼ばれる者達がいた。そして、ラノベの様な摩訶不思議な事とかが起こっていた。
特にオレのクラスはすごかったようで、勇者様軍団(4人組みのイケメン、美少女。逆ハーでは無いが男3に女1。よく人助けしていたから勇者とか呼ばれている)とか異常者(家族とか友人とかに普通じゃない人、異常な人が多い。本人は普通だと思っているけど本人も異常。そして、不運なため、良く色々な事に巻き込まれている)とか忍カップル(何故か制服を忍者服っぽく改造したり、忍者っぽく行動している奴ら。もちろん男と女。授業中によく眠っている。なのに、成績優秀)とか二宮シャーロック(難解な事件を解決して有名になった奴。もちろん本名。そのあとも過去の迷宮入りした事件を解決したりとかしている)とかがいる。
オレ?オレはもちろんThe 普通ですよ?
「……………妹共々よろしく……………」
暗くなって席に帰っていった。
つーかオレのいるクラスって結構すごいな。さっきの言葉で妹がいるってわかったから周りを見てみたら、居るわ居るわ。
なんだか、はぁ~。イベントが起きそうな感じをさせる人たちが集まっていた。
この国の王族に、様々な種類の亜人、獣人、魔族。それに他国の人も混ざってるっぽい。
おおぉ!あ・あ、あれは。いや、あの人物はヘーファイスーじゃあないか!よし!優先的に声をかけていこう!
「初めまして。イクォリティ王国第二王女、ティアライト・アルブール・イクォリティです。兄共々よろしくお願いします。ここでは私は一人の生徒なので王族とかそんなことは忘れて気軽に話しかけてきてくださいね」
ニコッ。
笑顔、可愛いな。
と、そんな事考えている場合じゃない。
速く考えないとなぁ~。
「ん?ああ………、おれの番か。見ての通り分かると思うが、エルフ族のラインだ。本名は長いからラインでいい。よろしくな」
そんな事でいいのかよ、ライン。
と、一度席に座ったラインがまた立って、
「あぁ、そうだ。そこにいるルシアとは親友であっちにいるリンはおれの妹だ。わすれてたのはそんだけ」
じゃ、と言ってまた座る。
おい、ライン。その情報はいらなかったと思うぞ。特にオレの名前の略称。
最近思い出したんだが、るしあって女の名前じゃないか!只でさえ女顔に生まれて男の娘状態なのに…………。さらに、名前まで女って………………………orz。
っ!
誰だ!今オレを見ていた奴は!
咄嗟に発動しようとした魔法を抑える。
危ない。オレが気づいたとバレたら逃げられてしまう。なんとか特定して、なんでオレを見ていたのか聞かないと。
全く一波乱ありそうだなぁ~。
まったくもって、転生者ってやつは…………………………。
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