十五話:人生明るく ネガティブ思考はやめよう
来週もとか言っておきながら、再来週になってすみません。
「つーわけで、あたしがこのクラスの担任になったカールベルト・ストリウムだ。基本あたしは何もしない。んじゃ、後はよろしく」
そう言って上から下まで黒一色の服を着た、普通にしていれば充分美人な女が教室から出て………戻ってきた……。
「教師の悪口は言わない方がいいぞ。人によって些細な事でもその当人にとっては重大な事である場合が多いからな。それに大抵の教師は、耳がいいからすぐに聞きつけるぞ」
にこっ、と普通の人なら心を四分の一程奪われるようなワライ顔を見せて去っていった。
はいっ。了解です。さ、さすがは“漆黒の疾風”………。気体というか風の操作は御手のもんですか。
さて、担任やら教室という言葉で判ると思うが、オレは学校に通い始めた。というより今日が入学式。
そして現在8歳。日本と比べると少し遅いように思うかもしれないが、その年度で9歳になる人から入学する。この言葉から判る通り、一応義務制となっている。
しかし、オレは元々入る予定等は無かった。のだが………
「るしあ。あぁ、、私達の可愛いルシア。実はね、お母さん達ね、ちょっとした用事ができちゃって………………四年程家を空けないといけなくなっちゃたの………………。ごめんねルシア。あなたなら心配ないと分かっているけどそれでも心配で心配で心配で心配なの!可愛い可愛いルシアが一人で寂しく暮らしていると思うとね。
だからね!本当は行かせる予定は無かったけど時期も丁度いいから学校に通ってみたらいいと思うの。今回はジンも行く予定だから多分リヴもラインもリンも入学すると思うわ。というよりリヴはもう入るって言っているわ。あ、もちろん入りたくなければそうといっていいのよ。元々あんな所に入る予定なんかなかったしいつでも退学していいからね。
でもね、お父さんから言われたんだけど、ルシアって全然同世代と交流したことってないじゃない?だから交流させた方がいいって言ってるの。だから彼は世界、いえ世間の事を知るのも役に立つから入ってみれば?って。
それにね、あなたと同じ年代には王女様がいるんだって!他にも私達のパーティー以外のSSランクの子も入学するみたいだから、腕を見るのもいいかもしれないわね。それに、国外との交流試合とかもあるみたいだし腕を上げるのにも役立つと思うわ。あ、でもルシアは可愛いしカッコイイから惚れられちゃうかもしれないわね。でも、ぜーったいあげないいんだからね。ルシアは(中略)
そういうわけで、一週間後に行く予定だから、それまでにどっちにしたいか言ってね」
By母。
きつかったよ………………………………………。だって、抱きしめられたりしながら話されてたんだよ………………。でも、それが後四年程無いというのはな………………最高だっ!
話はおもいっきし変わるが、母さん達の事がオレはよくわからん。
この前鬼ヶ島等での事を話してくれたが、オレは、恐怖した。
さらに、母さんや父さんの事がよく分からなくなり、判らなくもなり、解らなくなった。
母さん達は、既に転生者を何人か殺している。
あの鬼皇帝を殺した後で。
鬼皇帝を殺したのはまあ仕方がないと言えるであろう。なにせ、自分が邪神を殺し世界を救う事ができるなんて、死んでから言ったのだから。
しかし、母さん達はその後に人に迷惑かける転生者達をも殺している。
一つ、例を出そう。
その転生者は、コボルトの体を持っていた。自らが生き残るために、知識があまりない他のコボルトを率いて多くの村を襲った。その途中今までは自分の為のみであったが、愛着が出たのだろうか、コボルトを保護し始めるようになった。
具体的には戦術を今までは自分が死なないように他の雑魚コボルトを使っていたのだが、自ら先陣に立ち、チート能力等を使い始めるようになった。
そうして、コボルトのくせにやけに強い奴らがいるという噂を嗅ぎつけ、数多もの冒険者が挑んでは死んでいった。そうして、さらにコボルト達は強くなり、このままでは危険だと思った国は、依頼を出した。SSランクたるオレの母さんと父さんに。
そうして、その二人はリーダーであるコボルトと戦ったのだが、その戦いのさなかそのコボルトが転生者であると言ったのだ。
しかし、世界を滅ぼす邪神を殺す存在である転生者と言うことを知っているはずの二人は、その者を殺した。
オレには、理解できない。解らない。
オレだったら、殺さないだろう。規模を縮小するようにしたりしてなんとかごまかし、手のだし用もない戦いの運命にある奴を殺さず、世界を救ってくれる者を生かし続けたであろう。
だから、怖い。何を考えて世界を滅びに向かわせているのかがわからない。
もしかしたら、オレの母さんと父さんが邪神かもしれない。
最近はそんな考えも思いつくようになった。なにせそうであった場合敵を殺しているんだから。
それに、チート能力を防げたりするというのは、それだけでそれらに並ぶ存在であると言える。
さて、話を変えよう。暗くなりすぎるのも困る。
転生者関係と言えばなんだが………………………オレって何?
母さん達が聞いた話を聞くと、なんか、ね。
オレの事がよくわからなくなってくる。
オレはまず、転生者だ。
しかし、あの女神はオレに邪神を殺せなんて言った事はない。
と、いうか好きにしろっていう感じ。
だが、オレは話によると神らしい。
オレにはその辺の記憶や死ぬ時等辺の記憶が無いから確かめようがない。
しかし、もし神だとしたら………………………………………………………
オレこそが邪神なのかもしれない。
だって、
神に恐れられた
力を封印されている
とかいう奴があるんだぜ!?
絶対にオレの事だろ………………多分。
でも、その場合疑問が残る。
何故オレを転生させたのか、とか。
まぁ、いい。
人生愉しむが勝ちだ。
複雑なことなんて頭の隅に置いてめい一杯楽しく過ごそう!
目指すは………………………………………………………………………何、目指そうか?
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いやいやいやいや、何も考えてないわけじゃあないよ!?
人生行き当りばったりなんだから。
とりあえず当面の目標は何をするのかを決めることだな。
暗い思考とはオサラバして、さぁ先生の話を聞こうか。
「ということです。わかりましたか?」
………………………………………考えすぎて、話終わっていた………………………………………。
意見とか感想とかアドバイスをもらえるとありがたいです。