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第3話 イケおじ


 扉が開かれると、遠目からでも見て、分かる豪華な装飾が施された椅子に座っている男性の姿。その他の人達は、立ち尽くし、こちらに視線だけを向けてくる。またもや、光景に圧倒されてしまう。まるで、映画の中に入り込んでしまったのかと、錯覚してしまいそうになる。


 「大丈夫。安心して。」


 立ち止まっていると、私が不安がっているとでも思ったのか、小声で優しく声を掛けてくれる。彼の言葉に小さく頷き、一歩…また一歩と前へと進んでいく。進んでいくと、繋がれていた手は離れていき、二人は立ち止まった。私も立ち止まるべきかと思い、彼等に続いて立ち止まった。


 「お嬢さんは、もう少し前に出てきてもらって構わない」


 凛とした声が静かな部屋に響く。言われた通り、私は二人よりも前に、出て立ち止まる。遠くから見ても威厳があると人だと思っていたが、近くで見ると圧倒的だった。


 (しかも…イケおじ!!!)

 

 レオと呼ばれた人の顔を初めて見た時みたいに、言葉にならない声が出なかったのが救いだ。彫刻かと思うくらい彫りが深い顔。髭は、きちんと整えられている。

 雰囲気で分かる。分かってしまう。年齢を重ねた魅力が、たっぷりと詰まっているって事は!

 場違いな事で頭の中を、埋めつくしていると、国王様が口を開いた。


「名前を伺ってもいいかな。お嬢さん」

「は、はい!一ノ瀬 夜海です!」


 名前を言ってから気付いた。明らかに日本人の顔立ちではない、国王様に苗字 名前の順で言ってよかったのかと。やり直した方がいいかと考えたが、国王様の威圧感のせいで、後から訂正出来るはずも無く考える事をすぐにやめた。


 「私はルーク・クリフォード。このネルヴァーノ王国の国王をやっている」

 「ネルヴァーノ…」


 言われたのは、全く知らない国名。


 (何処ですか!?聞いた事もない国なんですが!王国!?アレですかね…!ネット小説とかで最近、お馴染みの異世界ってヤツですか…!?)


 夜、眠れなく暇な時に、よく読んでいたネット小説の事が頭をよぎった。


「お嬢さんは召喚され、こちらにやって来たんだ」

「召喚っ!?」


 (召喚って事は私は生きてこっちに来たって事だよね!?転生よりはいいのか…?マシなのか!?)


 " 召喚 " 口にすると、たった4文字の現実味のない言葉で、私はショート寸前だ。


 「…混乱させてしまい申し訳ない」


 先程まで、私と目を合わせていたはずなのに、今は目を伏せている。そんな表情をイケオジにされるのは最っ高に…じゃなくて!こちらが申し訳なくなってしまう。混乱するのは話を聞いた後だ。意を決して、恐る恐る言葉を口から吐き出した。

 

「なっ何で私なんですか…?それに召喚って…」


 出した声は少し震えていた。私が口を開いた途端、伏せていた目は上がり、また目が合う。この人も安心させる為なのか、少し口角を上げ微笑んでくれたのだ。


▽ ▽ ▽


 説明を聞き、何故私なのか、何故召喚されたのかが、大体の事が分かった。私なりに、まとめてみた。


 ・何故、私なのか?

  →女神が召喚される人物を決めるみたいだ。

  何故、私なのかは女神に聞かなければわからない。


 ・何故、召喚したのか?

  →この国…いや、この世界には魔王がいた。1000年前に勇者によって討伐された。勇者もお決まりの如く召喚された人物だ。魔王が討伐され、もう平和だ〜!とはならなかったのだ。魔王は討伐される直前、自分の力を世界にバラバラにし解き放った。解き放たれた力せいで、善だった人達は悪にはしるようになった。

 そんな人達を治す方法は一つ。浄化する事だ。浄化できるのは女神に召喚された人しか無理らしい。浄化しても100年経つとまた魔王の力が復活するみたいだ。それをまた浄化する為に召喚をしたみたいだ。


 まるで御伽噺を聞いているかと思うくらいの内容量だった。召喚された事はわかったが、私は元の世界…日本に帰れるのだろうか。何とか聞いた事を無理やり整理した頭で疑問をぶつける。


「浄化が終われば元の世界に…帰れるんですか?」

「勿論だ。浄化が完了次第帰れる。」


 (何とあっさりした返答…)


「浄化するって事は旅とか…するんですか?」

「そうなる」

「一人で!?」


 不安と驚きのあまり、大きな声が出てしまった。しかも、タメ口。

 

「いや。お嬢さんを、この部屋まで案内してくれた二人とだ」


 その言葉を聞いた瞬間、私のテンションは、ぶち上がった。


 (二次元級のイケメン二人と!!なんつー…ご褒美だ!!もう女神様ありがとう〜〜!!私を選んでくれてありがとう〜!!)


 心の中で女神様に、思わず感謝してしまう。


 「今晩はゆっくり休んでくれ。レオ、ノア。お嬢さんを部屋に案内してあげなさい」


 国王陛下の言われた通り後ろに居た二人が、ここへ来た時と同様に案内してくれる。部屋から出ていく際、国王様に一礼だけし、その場から立ち去った。


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