6 どちら様でしょうか?
しばらく走っていると砂漠からでっかいミミズみたいなのが出てきた。
「ううぉ!何じゃこりゃ!」
俺が幼き声で反応すると同時に俺の身長の10倍はあろう高さからミミズが俺にダイブしてくる。
「『角砲』!」
なんだかんだ初めて使うが、発動すると角射出に使われたのと同じ形の螺旋状の模様がある角が俺の手のひらのまえに出現する。
しかし、ミミズに向かって飛んでいく様子はない。
「え、ちょ、ちょちょちょちょ!」
飛べよ!、そう思った瞬間角は角射出と同じぐらいのスピードでミミズに飛んでいき、ぶち当たって、ミミズは血を流し悶えている。
しかし、どういうことだ?飛べよと念じたら飛んでいった?
もしかして、、、
俺はミミズに手を向けて角砲を打つイメージを強くしてみる。
「ザシュ!」
思ったとおり発動した。
どうやら、この世界ではスキル名を言わなくても発動できるらしい。
じゃぁ俺は今まで砂漠でスキル名叫んでる痛いガキだったって訳か。トホホ。というか、サボテンのときは喋らなくても使えたのになんで気付かなかったんだろう。
(角砲 角砲 角砲)
俺は次々とミミズに角をぶち当てて3分後ぐらいには動かなくなった。
(吸収)
俺はミミズを即吸収し、スキル作成をしてみる。
サンドワームからスキル『砂食』『砂上移動スピード上昇(小)』を作成します。
→YES
→NO
これは勿論YES!砂上移動スピード上昇とか人里を探すのには便利だ。
俺はYES念じ、スキルを手に入れる。
というか『砂食』って言葉のままの意味だよな、、、
俺は恐る恐る砂を口に運ぶ。
「ペッペッペッ!」
勿論砂は美味しくなく食べれたもんじゃない。間違いなくゴミスキルだ。
食えるかもしれないが、喉を通らないからしょうがない。
「uwigiwbdidkkwbsuw?」
「え?」
俺は謎の声がした方へ振り替えると、そこには男の2人組が立っていた。
「gwidoevdifofjevdifofkgofkesj」
「え、え?なんて?」
片方の背丈が高い方が俺に話しかけているが全く理解できない。
「おい!お前どうしたんだ?おーい!言葉分かるか?」
すると急に聞こえるようになる。
「あ、えっと。わかりますか?」
何がだよ!突っ込みを入れたくなるような俺の発言だが、俺がガキだと思って男は気を使って話を合わせてくれる。
「あぁわかるぞ。」
「えっと、どちら様でしょうか?」
これが俺の異世界転生してから最初の会話であった。