プロローグ
はじめまして。どうぞよろしくお願いします。
内容についてはちょっと変更が利きませんが、改行などについてなら変更が利きますので、ご意見があればどうぞご遠慮なくお申し付けください。
────真実は一つでも、答えは一つとは限らない
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自室で女の子が死んでいた。
目の前の状況と僕のこれまでの経緯等を照らし合わせれば、つまりはそういう事になる。
原型を思い出せない程に破壊し尽くされたそのバラバラの死体は、凄惨極まりなく、あの人の事を思えば、胸がはち切れんばかりの悲しみに襲われてしまう。
吐き気がした。
部屋には赤黒い半液状のモノが散乱し、むせ返るような腐臭に満ちていた。
どうしてこんな事に…………。
僕は頭を抱えた。
突然の惨状に混乱し、うまく頭が回らない。
しかも思い返せば、この部屋は密室だった。
部屋の鍵は掛けられており、そこには誰も入る事はできない筈だった。
それなのにそこで人が死んでいた。
言うまでもないが、これは自殺ではなかった。
当然だ。
あそこまで粉々に壊されたモノを見て自殺と判断するような奴がいたら、そいつは間違いなく狂っている。
だけど僕は絶望のあまり、その狂った奴になりたがっていた。
現実から目を背け、理性の融けた世界に逃げ込みたかった。
ああ、どうしようか。
このまま、何も見なかった事にしておこうか。
僕は少し考え、ひとまずその死体を片付ける事にした。
誰にも見られないよう、密かに。
独りで。
こうなるともう誰も信じられなかった。
全員が敵だと思うくらいの気持ちでいようと心に決めた。
だけど、ふと思った。
彼女になら話していいかもしれない。
彼女だけは信用できる。
彼女なら大丈夫だ。
僕は死体を片付けながら、彼女に相談するまでの手筈を考えた。