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#01:夢の国まで片道230円(バスで20分)

◇まえがき◇

はじめてのシリーズものです。

宜しくお願い致します。

また今日も、放課後のチャイムが鳴る。私、椎名椎菜しいな・しいな、16歳。高校生にして、夢の国の従業員。

ま、簡単に言えばテーマパークのバイト。日々、夢の製造ラインで奮闘中。


「じゃあね〜」


クラスメイトたちと別れ、さっそうと学校を後にする。

私には私の仕事がある。


駅まで歩き、そこからバスに乗る。テーマパークまでは20分の道のり。毎日同じ景色なのに、不思議と飽きない。っていうか、飽きる暇なんてないんだけど。


はぁ~。今日も夢の国へ出勤か。1000円で作る夢って、原価いくらなんだよ。


窓の外を流れる風景を眺めながら、今日も頭の中はごちゃごちゃ。明日の数学のテストのこと、来週の文化祭の出し物、それに親友の誕生日プレゼント...やることリストが頭の中でぐるぐる回る。


ついまた、ため息をつきそうになるけど、グッとこらえる。弱音を吐くのは好きじゃない。それに、バイト先では笑顔が命だしね。


「あ、またあの人」


毎日同じ時間のバスに乗っているサラリーマンを見つける。スーツ姿で、いつも同じ席。彼にとっても、私は「いつものJK」なんだろうな。ちょっと可笑しくなる。


でも、同時に少し怖くもなる。大人になったら、毎日同じルーティンの中で生きていくのかな。それって、夢があるのかな。


「はっ」


そんなことを考えてる自分に気づいて、首を振る。今の自分だって、学校とバイトの往復。別に大差ないじゃん。


テーマパークに近づくにつれ、遠くに観覧車が見えてくる。


「よーし」


小さく呟いて、気合を入れ直す。今日も1000円で誰かの夢を作る。それって、案外悪くない仕事かもしれない。原価問題は置いておく。


バスが目的地に着く。降りる準備をしながら、ふと思う。 「私の夢って、なんだろう」


従業員専用入口から入る。ロッカールームでユニフォームに着替える。ジャンパースカートタイプで、正直かわいい。エプロンを羽織り、紐を後ろに結び気合を入れる。


バックヤードであるメイカーズ・エリアを通り抜け、売り場のあるドリーム・エリアへ向かう。

「いざ、夢の舞台へ」なんて、テレビCMみたいなこと言ってみる。でも、現実はそんなに甘くない。


さあ、今日のアルバイト時給1000円の幕開けだ。

◇あとがき◇

出来れば週一ペースで更新したいと思いますが、

ひとまず、3話までは連日で、20時に投稿します。

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