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43.



 僕らは1週間かけて王都へ向かう途中にある公爵領の街や村を訪れた。どこもジェニーを歓迎してくれて良かったよ。元侯爵がどれだけ酷かったかって話でもあるけど。

 そして休憩時や街では騎士たちの特訓が行われた。汗か涙か分からないけど皆張り切ってるねー。


「いくら子供と大人とはいえ、ライはやりすぎですわ」

「そうかなぁ?馬車の中で体が(なま)ってそうだったからちょうどいいと思うけど。ところで次の街ってあとどれくらいなの?」

「順調にいけば今日中には到着致しますわ」

「そっかー、じゃぁ今日は宿に泊まれるね。次は公爵領じゃないからどんな反応されるか分からないけど」

「そうですわね......」


 でもやっぱりルナのモフモフが無いとどこか物足りない気がするんだよねぇ。

 公爵領も油断出来ないから呼び寄せるわけにもいかない。瞬間移動でも出来たら毎晩家へ帰るんだけどなぁ。


「ん?どうしたの?敵?よし、もう1回そこまで飛んでくれる?」


 開けていた窓から小鳥が入ってきたので質問してみると、どうやらこの先に魔物がいるらしい。

 もちろん僕の眷属の鳥であり、こちらの言葉を理解するので首を縦に振るか横に振るかで答えてもらえばいい。

 再び現場まで飛んでいってもらって視覚共有で確認すると、道の端に4本足の獣が見えた。

 猪っぽいけど動物というには大きいし、近くまで行けば魔物ならアニフィが魔力を感じ取るだろう。

 ともかくあんな場所にいられたら避けては通れないし街に向かったらそれはそれで大変だ。

 狩って今夜は猪鍋にするのもいいかもしれないね。次の街がどれくらいの大きさなのか分からないけど、これだけ大きい猪なら街の人全員分はあるかもしれない。

 まぁ足りなければアニフィの中にお肉あるし、余ったら余ったで収納しておけばいいしね。よーし、そうと決まれば......


「はいはーい騎士の皆さん出番とだよー!魔物狩りへレッツゴー!」

「ま、魔物だってぇ!?」

「筋肉痛が......」

「お、俺魔物見るの初めてなんだ......」

「30分くらいで......あ、こっちに移動しだしたからあと10分くらいかな」


 特に若い人はビビってるねー。魔物見た事ないって騎士として大丈夫かな。

 猪は食べるものを探しているのか、キョロキョロしながらこちらに向かって歩いている。お腹が空いてる状況で僕らと出会えばどうなるか......楽しみだなぁ。


「さぁ騎士の皆は降りて降りて!馬車が襲われたら大変だからここから歩くよー!」

「わ、私も行きますわ!」

「駄目だよ。ジェニーはここでククーやスールとお留守番。君に何かあったらこの国は終わりだよ。戦いを見たいなら、せめて僕の特訓を受けてからじゃなくちゃ」

「うっ......し、仕方ありませんわね」

「じゃ、ククー、スール。ジェニーと馬車を頼むよ」


 2人は僕の眷属になっているけど戦闘力は無い。まぁ魔物の警戒というよりはジェニーが暴走しないようにという見張りだ。

 さてさて楽しい狩りの時間だよー!馬車は道の端に止めて、早足で魔物の方角へ歩いていく。僕らが引きつければ馬車に気付かれることもないだろう。


「——いた、アレだね」

「でけぇ」

「あ、あれが魔物......」

「んん?猪......じゃない?」


 上空から見た時はたしかに猪に見えたのだけど、正面から見える姿はカバである。あの巨大な口で猪突猛進とばかりに突進されたらひとたまりもない。


「皆、正面から攻撃を受けないようにねー。ぺしゃんこになるか嚙み砕かれるかのどっちかだから」

「そんなこと言っても、あんなのどうやって倒せば......」

「あの体で小回りが利くとは思えないからすれ違いざまに足を斬りつけるんだよ。踏みつぶされないようにねー!」


 猪は待ちきれないようで涎をまき散らしながら突進してきた。騎士たちは必死に散り散りになって避けるが、そんな逃げてたら倒せないよ。仕方ないなぁ。

 僕に向かって突進してくる猪をギリギリで避けながら前脚の付け根辺りを斬りつける。

 木剣じゃなくて元伯爵軍の剣で斬ったのだけど、思ったより硬くて剣の方が刃こぼれしてしまいそうだ。僕が剣の素人っていうせいもあるだろうけど。


「よ、よし......俺もやるぞ!」


 勇気を振り絞った隊長が道の真ん中に立って、方向転換して再び突っ込できた猪を待ち受けている。足が震えているけど大丈夫?

 剣を構えて猪を睨んでいるけれど、怖い物は怖いだろう。あの巨体だし。


「——今だ!」


 タイミングを見計らって僕が叫ぶと、隊長は横に跳びつつ僕が斬ったのとは逆側の前脚を斬りつけた。おお、さすが騎士だ。僕よりも深く斬りつけて血が噴き出している。

 隊長に勇気づけられた他の騎士たちも猪を挑発しては斬りつけ始めた。負傷してスピードも落ちているしもう大丈夫だろう。

 やがて立ってすらいられなくなった猪は倒れ、隊長が剣を目に深々と突き刺してとどめをさしていた。騎士たちは雄たけびをあげながら勝利を喜んでいる。

 顔と脚以外は傷つけずに倒せたけど、猪の毛皮って売れるのかな?とりあえず解体して反省会だね!


 

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