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41.



「おお。ライ殿。よくぞまた来てくれた」

「お久しぶりです。皆さんもお元気そうでなによりです」


 住民の熱烈な歓迎を受けて1泊し、ルナ焼きとメタニウムを補給した僕らは次なる目的地に来ていた。

 そこは行商の時にも立ち寄った村だ。最初は拒絶的だったけど、トランプを進呈したり家を直したりしたら受け入れてくれた。


「ライ殿のおかげで俺たちの生活は変わった。ブブイモを高値で買い取ってくれて税も減ったから食う物に困ることもない。本当に感謝してる」


 前回来た時に余剰分のブブイモを全て買い取ったけど、ルナ焼きがすごい勢いで売れているみたいだし全然足りないくらいだ。

 ルナ焼きは焼き印さえあれば作り方も簡単なのですでに2号店を出していた。ブブイモの供給が安定したら移動式屋台を導入してもいいかもね。それで各街を回ればさらに売れるだろう。

 

「それは良かったです。あ、紹介しますね。こちらが新しい公爵のジェニーです」

「初めまして、ジェニー・シュヴェーレンと申します。ご挨拶が遅れて申し訳ありません」

「おお、こちらこそわざわざ申し訳ない。ライ殿の言っていた新しい領主様か......2人ともまだ若いのに立派ですな。大したもてなしも出来ないがゆっくりしていってくだされ」


 僕は一応前世の記憶もあるし、本当にすごいのは13歳で領主になるジェニーのほうだけどね。


「こういった村の状況まで把握しているとは、さすがライ様ですわね」

「たまたまだよ。あ、そういえば呼び方なんだけど、様付けはやめてほしいんだよね。ジェニーは公爵になるわけだし、人前でそんな呼び方されたら余計なトラブルになりそうだし」

「私が公爵になれたのもライ様のおかげですのに......でもライ様は目立ちたくないんですものね。分かりました、気を付けますわ」

「よろしくお願いします、ジェニー公爵様」

「う......せめて人前以外では今まで通り話していただけませんか?ライさ......ライに畏まられると背中がムズムズします」

「あはは、ジェニーが言うならそうするよ」


 その日は村人と協力してブブイモ用の畑を拡張したり子供たちとトランプで遊んだりして過ごした。前に作った家にトランプを置いて子供たちの遊び場にしていたらしい。

 僕らはそこに泊まるとして、あともう1つ家を作っておこうか。一応護衛として騎士団の中から10人が同行しているからだ。念のために交代で夜警をするみたいだから2段ベッドを3つ作ればいいね。

 ぶっちゃけ僕とアニフィがいれば護衛は十分なんだけど、王都に行った時にそう言うわけにはいかないしね。

 そして夕飯はアニフィに貯め込んでいる食材を盛大に使って宴だ!


「久しぶりに体を動かして疲れましたが、皆さん笑っていますわね......」

「頭だけじゃなくて体も使わないとね。そのほうがいいアイデアが浮かぶこともあるし」

「たしかにそうですわね。それに、こうして実際に交流することで得られることも多いですし」


 ジェニーは以前から実際に街の様子を見に行っていたみたいだしね。ただここ最近は執務が忙しすぎて出来ていなかっただけだ。

 視察だけでなく、交流することで本音を引き出すことも出来るし民のほうも意見しやすくなるだろう。

 ククーも商会長として、村人と話して必要な物をリサーチしている。うんうん、やる気があって素晴らしいね。

 

「はぁ、王都へ行かずにこのまま領内を回りたいですわ......」

「同感だよ。僕もやること色々あるしね」


 僕も商会の立ち上げに新孤児院の建設、魔薬組織の捜索などなど、忙しいのだ。


「ライまで巻き込んで申し訳ありません」

「まぁ王都にも興味あるからいいけどね。ちなみにさ、国王ってどんな人なの?」

「私もお会いしたことはありませんが、貴族からの支持は高いと聞いておりますわ」


 貴族からの、ねぇ。その貴族も公爵や伯爵のようにロクでもないのが多いしあまり信用出来ないね。そんな人たちに領地を任せて放置している王族も同様だ。

 王族をはじめ、集まるであろう他の貴族たちの調査というのが僕の王都訪問の目的でもある。それによって対応も変えなければならない。


「他の貴族からも良くは思われていないでしょうし、憂鬱ですわ......」

「直接何かされるってことはないでしょ。王都では僕は一緒にいれないけどアニフィの分体つけておくし安心していいよ。もし領地に手を出そうものなら、少しお仕置きするかもしれないけどね」

「あら怖いですわ。でもこれほど頼もしい味方もおりませんわね。ありがとうございます」


 当然だよ。ジェニーは僕にとっても、この国——いや世界にとってもなくてはならない存在なのだから。

 

 

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