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28.


「まずはー、トランプでしょー?アニフィ印のアクセサリーや小物類、それからお面!」


 とりあえず商品はこんなものでいいだろう。今回はお試しだし、各街を回って商品になりそうな物とルートの開拓が主な狙いだからね。

 今回のメンバーは、僕とルナ、アニフィにブラン、それから廃孤児院で弱っていたリュシオル、人攫いに捕まっていたお姉さんのククーの6人だ。まぁスペース的には実質4人だけどね。

 リュシオルは商人がどうというよりは他の街も見てみたいとのことだ。ククーは僕の役に立ちたいということでとりあえず連れてきた。

 一応、御者台に僕とルナが乗ってはいるが特に何をしている訳でもない。

 お馬さんたちもアニフィの説得のおかげで僕の眷属になっているから、声で指示を出すだけで済む。しかも体力も増えているから長旅でもバッチリだ。


「おー!これは快適じゃのう!尻が痛くないぞ!」


 巨大ガエルの皮を加工して作ったタイヤとクッションのおかげで衝撃はほぼ伝わってこない。揺れるのは道が舗装されてないから仕方ない。

 途中、リュシオルが馬に乗ってみたいというので、みんなで交代で乗ったりもした。眷属だから暴れることも無く、むしろ乗りやすいようにサポートまでしてくれた。

 しかし僕が乗った時だけ、「主を乗せるのは妾の役目じゃ!」とルナが拗ねてしまった。

 いや、それでいいのか妖狐。自ら乗り物になるとは......。エリィあたりが聞いたらまたバカにされそうだ。まさかエリィまで同じこと言わないよね?

 数時間もすると、最初の街が見えてきた。ここには何があるのかなー?


「「「お待ちしてました!公爵様!」」」


 え?なにこの状況。街に着いた途端、総出でお迎えされたんだけど?しかし馬車を降りると怪訝な顔をされてしまった。ごめんね。


「あのー、僕公爵じゃないんだけど......」

「......えっ!なにやら立派な馬車が向かってると聞いて、ジェニー様が来られたのかと思ったのですが」


 あー、作ってるときは楽しかったし、アニフィもノリノリだったから少しばかり立派になっちゃったかも。公爵家の家紋こそ入っていないけど勘違いされちゃうのも無理はないか。

 まぁいいや。先頭にいるのが1番話せそうだから捕まえておこう。

 

「そういうことかぁ。勘違いさせて申し訳ないけど、僕たちはただの商会なんだ。しかしジェニーというのはずいぶんと人気みたいだね?」

「それはもちろん!前の公爵様と違ってジェニー様は領民のことをちゃんと考えてくれてますから!実際にここにも足を運んでいただいたこともありますし、税を減らしてもらえたり皆喜んでおります」


 うんうん、評判はいいみたいだね。でもまだ正式に公爵になったわけじゃないのに噂ってのは怖いねぇ。ま、こうして笑顔が増えるのはいいことだし、領民の懐が温まっていけば商売もやりやすくなるね。

 この街にも代官はいたんだけど、元公爵と悪さしてたからクビになったんだよねぇ。人が足りてなさすぎるからそのへんもどうにかしないとね。とりあえずジェニーには落ち着いたら各街を回るようにお願いしておこう。

 

「僕らはジェニー公爵の支援を受けて、新しい商会を立ち上げたんだ。この街の特産品とか、逆に欲しい物とか教えてもらえるとありがたいな」

「特産ですか......。これといったものは無くて......すみません」

「うーん。よし、それなら作っちゃおう!例えば......あれなんかいいかな」


 僕が向かった先では、屋台で何かを焼いていた。なかなかいい匂いだ。ルナの口からはすでに涎が垂れそうな勢いだ。


「すみませーん、これはなんていう食べ物?」

「おう、これはブブイモっていう芋を使ったブブ焼きっていうんだ。食ってみるかい?」

「いいの?ありがとう!............これ美味しいね。工夫次第ではもっと売れるんじゃない?」


 僕以外のメンバーにも食べさせてくれたが、みんな夢中で食べている。


「工夫って例えば?」

「そうだなぁ......味のバリエーションを増やすのもそうだけど、狐の焼き印を入れてみるとかどう?僕らの商会のマークもそうだけど、妖狐にあやかれば思わず買っちゃうと思わない?」

「焼き印か......考えたことも無かったな。たしかジェニー公爵様の盟友だっけか?売れるかもしれんが、勝手にそんなマーク使っていいものか......」

「大丈夫だよ。本人も気に入って美味しそうに頬張ってるし。ルナ、一瞬妖狐に戻ればもう1本くれるってよ」


 言うが早いか、ルナが狐姿を披露する。ルナを囲むように皆が立っていたから他の人には見られていないし、この人たちだけなら大丈夫だろう。


「こりゃぁたまげた......」

「てなわけで、公認だから問題ないけどどうする?」

「やる!やらせてくれ!必ず売ってみせる!」

「よし、おまけでこのお面もプレゼントするから飾っておくといいよ。あとは名前もルナ焼きとかどうかな?」

「何から何までありがてぇ。ルナ焼き、完成させて名物にしてみせるから待っててくれよな!」


 よし、これでこの街の名物も作れたし、売れれば商会の宣伝にもなるだろうし完璧だ。


 

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