八話 義妹とサイズが少し打ち解けました
八話 義妹とサイズが少し打ち解けました
能は早速サイズにメッセージを送ったが、サイズは見ただけで返信をしなかった。既読無視を実行したのだ。要としては冗談のつもりだったのだが。迂闊な事は言えないなと思った。
「サイズ、能とちゃんと話しなさい」
就が叱った。するとサイズはふてくされる。
「すぐには無理だから仕方ないよ」
能にしては良い子ちゃん発言なので、要は驚いてしまう。エスパーダも同様みたいだ。
「でも仲良くして欲しいな」
そう言われてサイズは顔を背けた。
「サイズ」
就が促すものの反応が悪い。前途多難だと思い、要は天井を仰ぎ見る。視界に時計が入り、昼になった事を針が指し示している。
人数が多いし、人間と小人族で味付けを変えないといけない。
「能、手伝ってくれるか?」
要は妹をアシスタントに指名した。
「えー、ヤダ」
「作りかた覚えればサイズも懐くかもしれないぞ」
「食べ物じゃ釣られないもん」
「就君の料理は味が濃いんだろ? 能に覚えさせれば少なくとも高血圧にはならなくなる」
「高血圧?」
「病気にならなくなるという事さ」
サイズは考えてから、スマホをいじった。すると能のスマホが音を立てる。
「サイズ……」
「これからも濃くない物が食べたいから……」
サイズはばつが悪そうにしている。
「私、やるよ。お兄ちゃん」
能はやる気を見せた。
その横で就が何か言いたげだったが、要は目で制した。ここで水を差されると能は就に寄生するだけの存在になってしまう気がしたのだ。
「とりあえずウサギの唐揚げにしとこう」
「楽しみですわね」
なぜかマダムが一番テンションを上げていた。