最終話 ようやく二人きりになりました
最終話 ようやく二人きりになりました
マダム達が帰った後、昼食を終えて就と能はサイズを連れて帰る事にした。
「また遊びに来てね」
サイズはスマホでOKと返事してくる。すでに使いこなしていて、口数が減っていた。要が彼女にスマホを渡して良かったのかと思ってしまうほどに。
「サイズ、口で言いなさい」
就がたしなめる。
「はーい。エスパーダまたね」
「スマホばかりにならないようにね」
どの口が言うのかと要は思った。エスパーダもスマホを手放さない時期があった。この時は寂しい思いをしたものだ。それを就も味わうのかと可哀想になってくる。
「お義姉様、お肉ありがとうね」
「ううん、こっちこそ」
エスパーダは能とウサギ肉の取引を開始した。能は肉を手に入れられる事になり、エスパーダは営業成績が上がっている。
「配達業者には話通しておくから、人間でも大丈夫だよ。でも怖がらせないようにね」
「分かってるって」
能は楽観的に言った。
「就君、能をよろしく」
「はい」
就は頷いた。
サイズは不機嫌そうな顔をして、スマホをいじる。
すると就のスマホが通知音を出した。
就はスマホを見るとため息をつく。
「口で言いなさい」
「帰ろ」
言ってから能を見る。
「よーし、晩御飯頑張っちゃうからね」
能は自分に気合いを入れるように言った。
「ウサギの肉ないのに?」
「鶏肉でいけんでしょ」
「おばさんが小人族は鶏肉は食べないって言ってた」
「マジ? じゃあスーパーへ買い物だね」
「お菓子食べたい」
「味濃いけどOK?」
サイズはコクリと頷いた。
「じゃあ一個だけね」
能はサイズをポケットに入れた。
「またね」
サイズ達は部屋を出ていった。やっと二人きりだ。
「何する?」
要はエスパーダに尋ねた。
「ゲームかな」
「はいはい」
二人はアプリを起動させる。




