一話 マダムとサイズが出会ったんです
一話 マダムとサイズが出会ったんです
翌日。就よりも早くシールドがやって来た。マダムを連れて。
「母がスマホを持つのは早いほうが良いと言うもので」
申し訳なさそうにぺこぺこする様はコビット社の社長には見えない。
「母?」
サイズの視線がマダムとシールドを行ったり来たり。
「シールドは私の息子よ。あなたの名前は?」
質問よりも前者の答えのほうが気になっているようだ。サイズは驚き、さらに二人を見比べる。
「ちょっと、事前に説明をしてなかったの?」
マダムは当然のようにエスパーダに文句を言った。
「すみません。見てからのほうが信じてもらえると思いまして」
エスパーダは営業だけあって、スマイルでやり過ごしている。
「じゃあ説明をしていないという事なのね。面倒臭い」
「おばさんはおじいさんのママなの?」
「そういう事だよ。シールドも宿守応該に関係しているんだって」
エスパーダが答えるとマダムに睨まれた。
「ふーん、じゃあ、おじいさんも超能力使えるの?」
「使っていたけどもう無理だね」
「どうして?」
「年をとって死んでしまうからさ。超能力者は」
その答えにサイズはギョッとなっていた。
「ホント?」
そして不安そうな顔をする。
「自分の経験しかないから、他の人は違うかもしれない」
サイズは泣き出した。自分がシールドのようになってしまうかもという不安に負けたのだろう。
「大丈夫よ。使わなければ良いの」
マダムは泣いているサイズを抱きしめ、背中を軽く叩いた。まるで子供をあやすようにだが、サイズには効いている。
「ちゃんと説明しないから怖がっているじゃないの」
マダムはサイズをあやしながら、エスパーダを叱った。
「でも六歳にどう説明して良いか……」
「理解出来なければスマホは持たないほうが良いんじゃないかしら。それに彼女にとって重要な事よ」
エスパーダはサイズが落ち着くのを待って、説明を始めた。だいたい要の知っている話を要約した感じだ。
「私に人間のママがいるの?」
「宿守応該があなたをどうやって生み出したかは知らないわ。でも、シールドと同じように、特別な能力が備わっているなら、あなたは人間から生まれたのかもしれない」
「会ってみたい」
サイズは言った。
マダムを少し離れてからサイズに笑顔を見せた。
「なら、実験体ではなく、小人族として生きてみなさい。そのための協力を惜しまないわ」
サイズは涙を拭って頷いた。
「まずはスマホ使いたい」
「はいはい」
すぐにエスパーダよりも仲良くなって、エスパーダは複雑な表情を浮かべていた。