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プロローグ
「そう言えば、もう誕生日か。」
俺は首に掛けた太陽のネックレスを見ながら呟いた。この宇宙空間においても日付という概念があるのなら、そろそろ誕生日になる頃かもしれない。
「生まれたのも死ぬのも同じ日なんて、なかなかエモいんじゃないか?」
俺は独り言を呟いた。そんな呑気なことを言っている間にも、宇宙船の中の俺に、刻一刻と逃れようのない破滅の時は近付いていた。
「ごめんね、お母さん。」
人間は死んだあと、星になるという言い伝えがあったな。それは迷信かもしれないけど、宇宙で死んだら星の一部になれるだろうか。
「どうも感傷的になってしまうな。」
そもそもあんな事故が起きなければ、こんなことにならずに済んだのだろうか。俺はそもそもの始まりに思いを馳せた。
短編にしたかったのに、長くなりすぎて収拾がつかなくなりました。少しでも目を通して頂ければ幸いです。