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小さな妖精に転生しました  作者: fe
三章 スタンピード
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090. 謝罪

 盗人(ぬすっと)魔法使いから木箱を回収した後、ずっと一緒だった女性冒険者と別れて馬車に揺られ、ようやくお城に帰ってきた。だけどなんだか騒がしい。


 まず、お城の地下から悪意みたいなのをいっぱい感じる。すごい。わんさか感じる。そしていつもより人が多い。でもこっちを認識するとみんなすごい笑顔になるから、何か事件が起こってるとかじゃなさそうなんだけど……。



 鳥籠メイドさんにジャストフィットしたまま自分の部屋まで戻ると、廊下に掃除道具がぶちまけられていた。しかもドアは開けっぱなしだ。なんだこれ、めちゃくちゃ事件の匂いがする!


 私が戻ったのを聞きつけたのか、ドアップ様や銀髪ちゃん、金髪兄さんが集まってきた。ニコニコ顔のドアップ様の手には、ボロボロになった私人形が抱えられている。


 ……嫌な予感がする。なぜあの人形をドアップ様がかかえているのか、なぜあの人形はボロボロなのか。開け放たれたままの部屋のドアに、ぶちまけられている掃除道具……。どうしてお城が騒がしいのか。私が出発してから今日は何日目だったのか……。



 私はちょっとしたドッキリを仕掛けていたのを思い出した。出発してから10日後以降に誰かが私の部屋に入ると、部屋にあった私人形が動いて光って爆発音、わーびっくり、である。でも、どれくらい光ってどれくらいの音が鳴るのかは、実験できなかったから分からない。


 今日はたぶん、あれから10日くらい経ってる気がする。発動したのかもしれない。いや、発動したんだろう。そして、もしかして想定以上の光と音だったんじゃないだろうか。


 廊下に掃除道具がぶちまけられていることから、発動させたのは見習いメイドちゃんな気がする。行儀の良い見習いメイドちゃんは並大抵のことじゃ粗相は起こさない。そんな見習いメイドちゃんがお城で掃除道具をぶちまけたのだとしたら、すごい光と音だったのかもしれない。


 そんな大きな爆発音がお城ですれば、普通に考えると大騒ぎになるだろう。人が集まってきたに違いない。私はあの人形の爆発に回数制限を付けただろうか? もしかして集まってきた人数分、爆発しちゃったりしたのだろうか?



 やばい、ドアップ様の笑顔が怖い。こころなし銀髪ちゃんの髪がボサボサに見える。と言うか、さっきまで戦ってましたと言わんばかりの鬼気迫るいでたちに見える。この場に見習いメイドちゃんが居ないのも恐ろしい。怪我とかしちゃったのかもしれない……。



 ボロボロの私人形を私に見せつけながら、みんながしきりに色々言ってくる。表情は苦笑いだ。良かった。子どものいたずらを苦笑いで叱る程度の規模で済んだっぽい。そうであってくれ。



 それでも、いたたまれない。ここは話題を変えねば。私は鳥籠メイドさんが抱えたままだった木箱を指さした。


 すると途端にみんなの表情が強張る! やばい、話題を逸らすべきじゃなかったかも! 素直に謝っておけば! もう遅いかもしれないけど、私は咄嗟に謝った。



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― 新着の感想 ―
[良い点] 鳥籠メイドさんにジャストフィット! 鳥籠メイドさん、最終兵器化してるじゃないですか~
[気になる点] 木箱のなかみ宝物庫から盗んだ? [一言] 続き書くの、頑張ってください。
[一言] 名づけがひどいw
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