表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな妖精に転生しました  作者: fe
三章 スタンピード
81/342

079. 逃亡

 まずい、まずいねぇ! あいつら侍女の排除に失敗しやがった!


 これで今後、だいぶ動き辛くなったよ。妖精のあの地図に表示されている赤と青の点、あれはまぎれもなく王国側の人間と帝国側の人間だった。道中たまに出てきた魔物も赤点で表示されてたから、たぶん妖精に敵対しているかどうかだろうなぁ。


 あの点が人間や魔物を表していることはギルマスも他の奴らも気付いていた。でも色分けの意味までは、まだ気づいていない。あぁだこうだとこじつけて今まではぐらかしてきたけど、あいつらが侍女の排除に失敗した時点で赤は敵対とバレるのは確実だよ。どうせなら全員死んどいてくれたらまだ誤魔化せたんだけどねぇ。1人生き残っちゃってまぁ。


 でもま、ここまで引き付けられたんだし、俺も頑張った方さ。どうせ今日中には辺境都に着いちゃうから、その時点でいくつかのウソはバレちゃってた。離脱が少し早まって、5人が1人になったくらい問題ないって。



 街道を外れて進ませることもできたしね。今頃街道は帝国が用意した野盗が封鎖している筈さ。


 辺境でスタンピードが発生したっていう辺境伯からの手紙は偽物だったから、それに対する王都からの確認の手紙や、本物の辺境伯領からの知らせは全てカットする必要があった。その上で偽の情報にすり替えていたんだけど、そんな大規模な情報操作は長く続けられない。


 んー、せっかく魔術師を呼び出す使い捨ての魔道具の残骸も持って来たんだけどなぁ。辺境都に近づけば近づくほど、スタンピードが発生してないと知っている人間に会うリスクが高まっていく。街道を外れて進んでいるから当然最初に出会うのは冒険者になる可能性が高い。


 そいつがスタンピードなんて起きてないなんて証言すれば、この魔道具を忍ばせて、そいつは帝国のスパイだって言ってやろうと思ってたんだけど、それもこれも全ておじゃんだよ。まったくあの妖精、あんな凶悪な攻撃魔法もぶっぱなせるなんてイヤになっちゃうなぁ。


 そろそろ潮時だ。1度帝国に戻ろうかね。幸い姿を消せる魔道具もある。今は全員侍女の方に気が向いてるし、離脱も楽勝でしょ。後は野盗に連絡して、あいつらが王都に戻るのを妨害してもらえれば時間稼ぎにもなる。妖精さまさまが野盗を蹴散らしたところで、帰ったらもう王都は壊滅状態さ! 気分いいね!


 お世話になりましたねギルマス。もう会わないと思うけど、よく役立ってくれましたよホント。


 そんじゃ、サヨナラだ!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
↑一日一回クリック下されば嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[良い点] いいねぇ、優秀なスパイにはぜひ生き残っていて欲しいものです。 だって他の敵キャラ、埃みたいにあっさり一掃されてばかりだからさぁ(英雄冒険者とか、剣聖王様とか)
[気になる点] くう、このワルめ
[一言] サヨナラのあとは爆発四散しないと、古事記にもそう書かれている
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ