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小さな妖精に転生しました  作者: fe
三章 スタンピード
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069. 出発

 どうも今日は出発しないみたいなので、私は私人形を10日後以降じゃないと発動しないように再改造した。このままだと出発前に発動しちゃいそうだったし。


 最初は癒しが目的だったけど、なぜか途中から目的がドッキリに変わってしまっていることに気付いたのだ。ドッキリはバレてると面白くない。何としても隠し通しておきたいよね。



 その後、私は冒険者ギルドに様子を見に行った。


 なるほどな、そりゃまだ出発できないワケだよ。ギルド内には冒険者がいっぱいたむろってて、受付姉さんや受付(しょう)さんが取りまとめている。他のギルド職員さんたちもせわしなく働いていて忙しそうだ。たぶん、今は参加者募集期間なんだろう。受付カウンターの前に列ができてるし。


 うわー、思ったより大人数で行くんだね。大規模遠征ってヤツ? でも、お酒マンは相変わらず食堂の端っこでお酒を飲んでるね。我関せずって感じだけど、お酒マンは参加しないのかな? 何か食べてたら少しもらおうと思ったけど、残念ながら飲んでるだけか。



 受付(しょう)さんが私を見た瞬間、「ひっ」と声をあげる。それは異世界言語の挨拶? まさか悲鳴じゃないよね? こんな可愛らしい私を見て悲鳴をあげるなんてあり得ないよ。なんでそんな絶望的な表情してるのさ。


 あー、もしかして昨日お城へ道連れにしたからトラウマになったのかな。まぁ、一般人がいきなりお城に行って偉い人たちの会議に参加させられたら、ちょっと恐怖を感じるかもね。なるほどなるほど、でも私は大丈夫だけどね! 何故なら私は王家のペット、お城の関係者だし。



 昨日の会議で見た小太りさんも険しい顔をしている。どこかに出かけるみたいだったので付いてってみると、なにやら荷物をいっぱい船に詰め込んでいた。


 なるほど、船で行くのかー。でも目的地は河の近くじゃなかったハズだよね。とりあえず船で南下して、そこから陸路で西に向かうのかな。ふふふ、船旅なんてした記憶ないし、テンション上がってきたよ!


 私は船を見て回る。40人くらいなら乗れそうなそこそこ大きな船が2隻。個室らしい個室は少なく、大部屋がどーんと船の中を陣取っていた。冒険者たちはたぶん、この大部屋で雑魚寝するんだろう。


 えー、私はともかく鳥籠メイドさんや見習いメイドちゃんを冒険者たちと雑魚寝させたくないなぁ。私は個室の使用を要求します!



 船で行くと思い込んでいた私はその後も色々と船の中を確認していたんだけど、それは徒労に終わった。2日後になっていざ出発してみると、なんと馬車での陸路だったのだ! 私のわくわくを返せ! 馬車は揺れるんだよなぁ。


 しかも人数が少ない。冒険者ギルドには50人以上いた気がするんだけど、実際は10人ちょっとだった。まず、見習いメイドちゃんはいない。私のお世話係は鳥籠メイドさんだけだった。



 冒険者ギルドの会議から3日後の朝、私は鳥籠ごと運ばれて、お城の箱馬車で街の外にまで出た。街の外には別のホロ馬車が3台あって、計4台の馬車で移動するみたいだね。


 筋肉オバケとナヨ冒険者、それに路地裏マンや、3日前に路地裏で集まっていた悪意みたいなのを感じる冒険者たち3人もいる。さらに、悪意みたいなのがない普通の冒険者が4人。あとは鳥籠メイドさんと私が乗っている馬車の御者さん。人間12人プラス妖精1人が今回の同行者だ。


 んー、これは先遣隊ってヤツかな? まずは先遣隊が陸路で目的地に行って何やら準備しつつ、後から船で本隊が大荷物を持ってやってくると。本隊の方が楽しそうだったなー。



 今の私は、馬車内の壁に掛けられた鳥籠に入っている。鳥籠を少し浮かすことで揺れることもない快適な馬車旅になったんだけど、最初はひどかった。鳥籠を壁に掛けたまま馬車が出発したとき、鳥籠がガコンガコン揺れたのだ。中の私は発狂ですよ、マジで。とりあえず揺れない馬車旅が実現できて良かった。



 さーて、船旅じゃなかったのは残念だけど、いっちょ楽しんでいきますかー!



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― 新着の感想 ―
ねえ!妖精といえば空飛ぶ船と少年(クリア済みw)と盗賊とワニでしょ!!!
[良い点] ああ、つまり、こういうことか。 置き去り(るすばん)していたダスターおじちゃんが、本命のスタンピードで大活躍するフラグですね! [気になる点] いや、妖精が何故か帰ってきてスタンピード何…
[気になる点] 妖精さまがガコンガコン!?
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