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小さな妖精に転生しました  作者: fe
二章 2つの満月
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052. 帝国大臣

「妖精実在せり、か……」


 伝書鳥が運んできた報告の紙切れをワシは確認していく。全く、通常の大臣業務もあるというのに、忙しいものだ。


 我々帝国の第二皇子派は、現在かなり強引に事を進めておる。第二皇子の帝位を確実にするためにも、第一皇子の謹慎が解ける前にできるだけ進めておきたい。小うるさいトップなど邪魔にしかならん。帝位など馬鹿な第二皇子で十分なのだ。


 しかし妖精、実在しおるのか。あやつが強力な魔物が誕生すると言うから王女の帰国タイミングを調整させたと言うのに、結局それらしい魔物は発生しおらんかった。タイミングが遅れておるだけかと思い、第一皇子派子飼いの野盗に時間かせぎで襲わせたのだが無駄骨だったな。もしかしおると、魔物の代わりに件の妖精が生まれおったのか……?


 ふむ、治癒魔法と強化魔法、あとは子供1人なら浮かして運べる……。小さいが切れ味が良い剣や槍を作れるぅ? 指先サイズ? それならどうでも()いわ。泳げる、これもどうでも()い。



 懸念は治癒魔法と強化魔法と物体浮遊のみか。ぬ、王城に聖結晶、霊石、霊薬発生。だと?


 スタンピードを起こすにはアレがいるが、安定動作させるには霊石があればなお良い。霊石を使えばスタンピードの規模を大幅に拡大できる。なんとか手に入れられぬものか……。



 あとは……、妖精付侍女が1人、強力な魔法に目覚めた? 魔法の威力は高いものの現在は力を抑える方向で訓練中、能力を高める方向では動きなし。しかし石壁を軽く射抜く威力、固定砲台で参戦されると危険、ね。こやつは排除だな、面倒でしかない。


 ただの侍女というのがいけない。戦役の役職付きなら、こちらの策で参戦場所を調整してやることができる。しかし相手がただの侍女では、こちらが如何に働きかけても戦力として出てくるのか王城に留まられるのか未知数だ。動きの読めない駒など早めに取り除いておくに限るが……、安易に早期排除してしまえば第2第3の同じような奴が生まれかねん……。排除するにもタイミングが重要か。



 ポーションの買い占めも順調なり、王国は未だ気付かず。ただし、船が動きだしたため入荷も多少あり。可能な限り奪取または事故などに見せかけ破損させり。

ふむ、重畳。王国のギルドも馬鹿なものだ。ポーション買い占め疑惑の調査に当たらせておる冒険者自身が、ポーション買い占めに加担しておるのだからな。


 逆流は王都まで届き地下水路満ちる、か。くくく……。雨が降ったのは想定外だったが、おかげで逆流が王都にまで届いたか。これで地下水路に放っていた毒が街中に広がっただろう。それどころか河を伝って下流の街々にも広がるな。夏過ぎには奴らの戦力も確実に落ちるだろう。


 第一皇子派にはガルム期にしかけると伝えておったが……、これは、その前にスタンピードに乗じて王城を直接攻める手も行けそうだ。


「ふん、1つ出し抜いてやるか。王国も、第一皇子派もな」


 妖精というイレギュラーはあるものの、全ては順調だ。ワシはほくそ笑んだ。



これにて二章完結です。

三章もお付き合い頂ければ幸いです。


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― 新着の感想 ―
[良い点] かなり面倒なところまでスパイが入り込んでますね 王国の至宝シルエラさんの危険が危ない! SP妖精さんの出番ですね
[一言] シリアスさんが点滴うつレベルのフラグ粉砕。 コメディさんは調子にのって歌い出してますよね。
[一言] 妖精マップには自分以外の妖精は表示されないのかな
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