318. 森探索
森の中。追ってくる、緑のオッサンが。全身サラサラ緑毛のでかいオッサンたちが大量に。
風になびくそのサラサラ緑ヘアーはシャンプーのCMとかに出れそうなくらいキレイだね。方向転換とかすると全身ファサァッってなってるし。
今日は太陽が白虹からちょっとハミ出て、そこそこ明るくなった。ガルム期とかいう暗い期間もそろそろ終わりなんだろうね。
だけどここは森、太陽が出てても結構暗い。
そして追ってくる緑のオッサンたち。
半透明になると追ってこないから私から出てる光か魔力に反応して追ってきてるんだと思う。
でも半透明になると眠くなるし、べつに追って来られても良いかなって思って大量のオッサンたちを引き連れながら森の中を探索中なのだ。今も後ろで大量のオッサンたちがファサァってしてるよ。
おっと。
緑のオッサンが投げた石が私を透過して飛んでった。
最近毛むくじゃらのオッサンになにかと縁があるなぁ。ムニムニたちもまだお城にいるし。
なぜ森の中を探索してるかって? そりゃぁ、お宝があるって情報を得たからだよ。町の冒険者が言ってた洞窟を探してる最中なのさ。
そしてちょうど怪しい場所を見つけたとこなんだよね。なんか不自然に盛り上がってるし穴をふさいだような跡もある。もしかすると岩をどければ洞窟が続いてるのかもしれないなって。
やっぱりそうだ。なんかここだけ岩で固めたみたいになってる。じゃぁちょっと透過して中に入ってみようかなっと……。
あー、ダメだこれ。中まで岩ぎっしりだもん。入口だけ固めて中は空洞かと思ったけど全然そんなことなかった。
ってか、この岩ちょっと魔力出てない?
やっぱり怪しいよ。なんか魔法で作った岩って感じがするし。そう思って改めてまわりを見てみると……。
ここだけ岩の感じが違うのかと思ったけど、全然そんなことなかったわ。近くにも似たような魔力の岩が落ちてるもん。じゃぁ、怪しくないのか?
うーん、これがゲームならまわりを探索して謎解きすれば入口が開いたりするんだろうけど、どうなんだろうなぁ。
そう言えば町の冒険者もお宝を隠した派とヤバい魔物を閉じ込めた派がいたっけ。お宝を隠したのなら後から自分たちが取りに来れるように開けられる仕組みを残すと思うんだけど、ヤバい魔物を閉じ込めたのならガチガチに固めて開かないようにしてると思う。どっちだろ?
――ドガッ!
おっと。
後ろから追いついてきた緑のオッサンが私を殴ろうとして問題の岩を殴りつけた。追いついてきた他のオッサンたちも立て続けに殴り始める。でも岩はビクともしてない。やっぱり謎解き以外じゃ開かない感じなのかな?
うーん、じゃぁちょっと周辺探索してみようか。
……お、なんだこれ?
草むらに金属製の……、檻? あ、中にお肉入ってる!
――ガシャーン!
ぎゃぁあああッ!
入口にギロチン仕掛けられてたぁ!
私の体がまっぷたつにぃ!
……なってないわ。
透過するから平気だった。いや、透過が間に合わなくて一瞬まっぷたつにはなったんだけど、なんか平気だった。まぁ、問題ないならヨシ。
それよりお肉だ。
うん、味はビミョー。焼いてあるけど味付けが全くされてないね。でもでかい。私の体より大きい塊肉!
塩とかコショウがあれば美味しく食べれそうなんだけどなぁ……。
あ、作れた。塩コショウ作れたわ。
まぁ、そりゃそうか。剣とか盾とかポーションとか作れるんだから塩コショウとかも作れるか。じゃぁ、いただきまーす!
緑のオッサンたちは、なんかこの檻が怖いのか近づいてこないね。恨みがましく私を見つめてたけど、しばらくしたらどっか行っちゃった。
うーん、それにしても肉がでかーい!
こんなにいっぱい食べられないよぉ。