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小さな妖精に転生しました  作者: fe
六章 聖王国
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244. ええッ!?

「だからお伝えしていたではないですか、魔術師団長殿!」


「確かにブレスを吐く寸前のポーズで光っておるとは聞いておった。じゃが、動くとは思わんかったよ! これのどこが剥製じゃ? 鳴き声まで出ておるではないか!」


 わー、魔術師団長様久しぶりに見たなぁ。エネルギアから帰ってこられたんだね。

 ってか、このドラゴンやっぱり動くんだねぇ。このドラゴンで聖王国まで行ってたなんて凄いなぁ。でも、私がここに来た際に通ったときは動かなかったんだけど。

 あ、このドラゴンもしかして、魔術師団長殿だけに反応して動いてる? 魔術師団長殿を驚かせるためだけに動いてるように見えるんだけど……、まさかねぇ。

 そういや妖精様は……、いない。うーん、怪しい。



「これはこれは、流石は魔術師団長殿です。ティレスはまだまだですね」

「はっ、これは王妃様! いえ、面目ない次第ですじゃ……」


 うわぁ、これが王族の遠回しな言葉責め!

 王妃様に続いてドラゴンの背後を見上げると、そこは青空が。魔術師団長様の魔術でホールの天井が壊れたようだね。

 ティレス王女殿下もこの剥製ドラゴンを初めて見られたときに攻撃魔術を放たれたそうだけど、そのときはホールが崩れるなんてことはなかったらしい。この真冬に王城の天井をふっとばすなんて、魔術師団長様もやっちゃったねぇ。


「ああ、そうそう。サブマスさん?」

「え? ひゃいっ!?」


 このタイミングで私に話が振られるとは思ってなかった。完全に油断してたよ! 何を言われるんだろ、すごい嫌な予感がする。


「このドラゴンは今後も使う(・・)ことがあるかもしれません。周辺冒険者に周知しておいてくださいね」


「は、はい!」


 良かった、まだ無理難題ってほどじゃない。妖精様に手を出さないように話を通したばかりでドラゴンも追加と言えばギルド本部は良い顔をしないかもしれないけど、王家からの指示だもんね。



 その後また部屋に戻り、エネルギアの調査報告を簡単に聞いた。例のエネルギアの最高魔術師は、やっぱりドラゴン召喚時に死んでたらしい。それからエネルギアの残党の一部は既に逃亡して魔道具も少し持ち出されていたものの、あくどい魔道具は概ね全て押収、無力化に成功だって。

 これでエネルギアとの問題も、ほぼほぼ解決かぁ。


 っと、いけないいけない。私も報告しておくことがあったんだった。


「王妃殿下、報告させて頂きたいことが」

「何ですか?」


「実は、薬師ギルドの地下倉庫が、妖精様がご用意されたと思われるポーションで再びいっぱいになっておりまして……」


「まぁ。以前妖精様がポーションを大量にご用意された際は、帝国によるスタンピードと王城攻めが起こったのでしたね」


「はい。また何か問題が起こる対策ではないかと思いまして」


「分かりました。とりあえず今は、現状把握だけで良いでしょう。魔女の件は片付きましたが、まだ勇者の話が残っています。まだまだ何かあるのかもしれませんね」


 ふぅ、これでここに来た目的は全部果たせたよ。後は話が終わるのを待って帰るだけだねぇ。



「ところでサブマスさん?」

「え? はい」


「あなた、例の冒険者とは親しいのでしょう? ご一緒に演劇を鑑賞されていたのを見ましたよ」

「……あ、ダスターさんのことですよね? 確かに、それなりに親しくさせて頂いてます」


 なんでこのタイミングでそんなことを?


「今となってはあの冒険者も非常に重要な存在となりました。他国に取られるなどもってのほかです。そんな彼がフリーのままというのは、些か問題でしょう?」


「まぁ、確かに……、それはそうですね」


「でしょう? あの冒険者には他に親しい女性もいないようですし。私の言いたいことが、分かりますね?」


「え、え……っ?」


 ええええええええッ!!!?



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― 新着の感想 ―
[一言] うおおおおお!
[一言] 王族に目をつけられてる時点であきらメロン
[良い点] 世話焼きおばちゃんッ!それは王妃ッ!
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