表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小さな妖精に転生しました  作者: fe
六章 聖王国
233/342

229. 高速

 会議が終わった後、私は光の玉を持ってさっそくドラゴンの改造に取り掛かかる。まずは動力源の石を集めるために夏前に植えた果樹のところまでやってきた。


 この果樹も不思議だよね。広葉樹なのにドカ雪の下で青々とした葉っぱを付けたまんまだもん。そんなことを思いながら果樹のまわりに生えているキレイな石を砕いて集めてまわる。


 集めた石を持って今度はドラゴンのところへ。ドラゴンの口からザザッと入れてしまいたいんだけど、剥製だから口の奥は詰め物で塞がれているからなぁ。しょうがないから1度お腹をかっ捌いて石を詰め込んでいく。


 よしよし、お腹を元に戻してっと。それから私人形みたいに動かせるようにして、チェケラ号の飛行能力……。どうせだから鳴き声も今つけちゃおっと。帰ってきたおじゃーさんを鳴き声で驚かせるのだ。光の玉はどうしようか。忘れないようにドラゴンに咥えさせとくか。


 うんうん、床に固定されるのを外して、足あげ~。よーし、動いた。その足を前に~、(おろ)して~。次、はんた~い。うんうん、歩けるね。はーい、おっけーでーす!


 って、しまったな。お城の出口が狭くてドラゴンを外に出せないよ? うーん、透過できるかな? そのまま壁際ギリギリまで歩いて……、腕伸ばし~。お、透過できる。じゃぁもっかい歩いて外まで出て、お城の前の広場で待機ね! 私は牢屋の人を連れてくるから。



 っと、その前にボードゲームを取ってこよう。聖女さんは最初ボードゲームがめちゃくちゃ弱かった。きっとこのボードゲームは聖女さんの国じゃマイナーなんだと思う。今は聖女さんにも勝てないんだけど、聖女さんの国の人たちなら私でも余裕で勝ちまくれるかもしれない。無双状態だ。私の無双物語が今始まる!


 あれ、部屋に鳥籠メイドさんがいないな。まぁ用事ないから良いけど。えーと、ボードゲームはっと、あったあった。ついでに鳥籠も持っていくか。聖女さんの国に私の寝る場所がないかもしれないからね。この鳥籠の中なら寝慣れたもんよ。



 そのあと牢屋まで行くと誰も捕まっていなかった。あれ、おかしいな。

 地図を確認すると少し離れた場所に赤点が1つあった。なるほど、そっちにも牢屋があったのね。うお、なんだここ。ホントに牢屋? なんかすごい豪華な部屋なんだけど。でも鉄格子があるから牢屋か。


 なんか色々わめいてるな。見張りの人もわちゃわちゃしてるけど、でもそんなの関係ない。だってこの人を連れていくって決めたのは私じゃなくて(フラッシュ)様とかドアップ様だもんね。私は偉い人に従ってるただのペットだよ、わんわん。

 捕まってた人がうるさいし、とりあえず口を塞いでおこっと。体もロープで縛っとくか。逃げ出すかもしれないもんね。



 捕まってた人を連れてお城の前の広場まで行くと、ちゃんとドラゴンが待機していた。みんなも集まってきている。勢揃いだ。鳥籠メイドさんもいる。部屋にいないと思ったらこっちに来てたんだね。

 勢揃いしてるってことは、みんなもう出発準備ができたのかな。私に移動を頼むくらいだから、よほど急いで行きたいっぽいね。


 よーし、じゃぁえっと、金髪兄さんと聖女さんに(セイント)お母さんだよね。ほいっとな。


 3人をドラゴンに乗せると銀髪ちゃんがこっちに向かって走ってきた。

 あれ? 銀髪ちゃんも行くんだっけ? ごめんごめん、聞き逃してたっぽいよ。銀髪ちゃんもほいっとな。

 それじゃぁ出発……、と思ったら今度は鳥籠メイドさんも走ってきた。ああそうか、王族がいるんだからお世話係も必要か。それじゃぁ鳥籠メイドさんも乗せてっと……。


 おじゃーさんところにお使いに行った際にあみだしたバリアでドラゴン全体を覆う。これで高速飛行しても風から守られるし、冬の寒空を高く飛んでも寒くないってもんよ。


 じゃぁ、しゅっぱーつ!

 グヘッ。


 そうだった、飛び方はチェケラ号仕様だった。

 羽をはばたいたりなんかせず、ドラゴンはそのままの姿勢で初速からトップスピードでかっ飛んだ。突然の加速でみんなドラゴンの背に押し付けられてる。

 良かった、最初は真上に飛んで。最初から目的地に向けて飛んでたらみんな後ろに吹っ飛んでたかもしれないよ。ふぅ、あぶないあぶない。


 適当な高度でいったん止まって、あ、止まるのはじょじょに……、ゆっくりゆっくり……、よし。それから、最初はゆっくり横移動、ちょっとずつスピードを上げていこう。でも目的地は結構遠いからなぁ。できるだけスピードは出したいよね。


 ……よし、トップスピードになった。ここからは等速運動だ。風もないからなんか止まってる感じがするね。結構高い位置を飛んでるから景色を見ても動いてる感じがぜんぜんしないよ。だけど、たまに雲が高速で通り過ぎるからちゃんとスピードは出てるハズ。


 一応地図を出して方向がズレてないか確認しとこ。うん、大丈夫そうかな。この感じだとたぶん明日の朝くらいには着けるでしょ。もうすぐ暗くなるしいったん寝るか。鳥籠はーっと……。あ、鳥籠メイドさんが持っててくれてたのか。


 そんじゃ、おやすみなさーい。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろう 勝手にランキング
↑一日一回クリック下されば嬉しいです。
― 新着の感想 ―
[一言] むちよくちよだよう
[良い点] よろこべ少年(だいにおうじ)、君の願いはようやく叶う。 [一言] 明確な悪(いべんと)がいなければ、君の望みはかなわない。たとえそれが君にとって容認し得ぬものであろうと、正義(かたがき)は…
[一言] 方向は合ってるんだろうか……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ