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小さな妖精に転生しました  作者: fe
五章 ガルム期
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157. 暗い朝

 うわー、()っら!


 朝起きたら暗かった。曇ってるとかそういうレベルじゃなくて、ほとんど夜みたいな暗さだ。でも夜よりは若干明るいかな。


 見習いメイドちゃんが朝の支度をしにきているから、実はまだ夜明け前ってことはなさそう。だけど窓から外を見ても黒々とした風景だけで、所々にある明かりから辛うじて街と外の境界が分かる程度……、なんだこれ?


 窓辺から上を見上げて太陽を探してみる。あ、なるほどー、だからかー。太陽は白虹に隠れて見えなくなってるんだ。太陽があるハズの辺りの白虹の一部が若干明るくなってるよ。


 ちょっと前から明かりの魔道具や普通のランプをわんさか設置し始めてたから、冬は暗くなるのかなーって思ってたけど、太陽が白虹に隠れるからだったんだね。どれくらい隠れるんだろう? 今日だけなんだろうか? それとも数日続くのかなぁ?



 見習いメイドちゃんも窓辺に来て空を見上げる。だけど鳥籠メイドさんは居ない。数日前に銀髪ちゃんと一緒にどこかへ行ってしまった。前にお茶会で一緒になった目フェチさんも一緒だったよ。


 準備中は私も一緒に行くもんだと思ってたんだけど、私の荷物が用意されてなかったから直前で私は行かないことに気付けた。


 銀髪ちゃんも王族だし、鳥籠メイドさんもお城のメイドさんだから色々事情があるんだろうとは思う。だけどちょっと寂しいよねぇ。いつ帰ってくるんだろう。この冬いっぱいは帰ってこなかったりして。まさか数年帰ってこないとかはないよね?


 一緒に行けないことに気づいたのが直前だったから、特に何も準備とかできなかったよ。だけど厨房に前用意した瓶詰の果実がまだ残っているのを見つけたから、こっそり銀髪ちゃんの荷物に忍ばせておいた。移動先で私を思い出しながら鳥籠メイドさんや目フェチさんと一緒に食べてほしい。



 見習いメイドちゃんはまだ見習いだからか、私のお茶を淹れるときにめちゃくちゃ手が震えてる。人間サイズの大きなティーポットで妖精サイズの小さなカップに注ぐのがまず無茶だと思うんだけど、鳥籠メイドさんは普通に注ぐからなぁ。




 朝食を食べた後、街へ出た。街には人がほぼ居ない。たまーにランプを持った人が歩いてる程度だ。お城から見たときは明かりがついた建物は少なく見えたけど、窓から覗いて見るとどの家も小さな明かりが付いていて、みんな中で何か作業をしてるっぽいね。


 相変わらずここの人たちは私を見つけるのが上手くて、私が覗くと即反応してくる。笑顔を向けられたり、小さな子どもに駈け寄られたりもした。


 教会は世界が沈黙したように静かで暗い。逆に錬金術師の建物は何かの薬を一生懸命大量生産しているようで、煌々とした明かりの下ガヤガヤ騒いでいた。冒険者ギルドに行ってみると、薄暗い飲食コーナーで冒険者たちが飲んだくれている。


 うわー。非日常的な暗い街でちょっと陰鬱な気分になってたけど、飲んだくれダメ人間を見ると日常っぽくて安心するわー。


 私を見つけた冒険者たちが料理をくれた。周りの冒険者たちも気づいて集まってくる。そしてどんちゃん騒ぎが始まった。


 うんうん、暗い街もファンタジーっぽくて楽しいかもね!



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― 新着の感想 ―
[良い点] 鳥籠メイドさまのテクすごいんだなー
[気になる点] 帝国は、いつ攻めてくるんだろう? 帝国は、妖精さんによって、国を潰されちゃうのかな? [一言] 妖精さんの今後の活動に期待だな。
[一言] 暗い街、妖精さま、、なにも起きないわけがなく、、、 読みやすいのでスラスラ
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