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小さな妖精に転生しました  作者: fe
一章 王妃の病
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016. お茶会

 朝起きるとそこは、知らないおば様だった。

綺麗で気品のあるザ・おば様といった感じのドアップ顔が目の前にある。


 どうやら寝ている間に鳥籠ごと運ばれたようだね。鳥籠に被せた暗幕とドアップおば様の顔の隙間から、ここが私が寝ていた部屋ではないことを窺い知る。


 ドアップ様はとても機嫌が宜しいらしい。さっきからハイテンションで何やら喜んでいる。鳥籠の暗幕が開かれた。銀髪ちゃんもいる。暗幕を開いたのは鳥籠メイドさんだった。他にも数名のメイドさんがいて、テーブルにはティーカップとクッキー、これはお茶会というやつだろうか?


 皆機嫌が良さそうだ。良かった、お風呂の件は許されたのだ。



 ドアップ様は銀髪で、銀髪ちゃんとよく似ている。お母さんかな? 銀髪ちゃんが王女なのが当たっていれば、ドアップ様は女王様だ。女王様ともなればきっと肌のお手入れもすごい頑張っているんだろう。肌がツヤツヤだ。金髪兄さんが青年だったから、そこそこお歳を召していると思うんだけど若々しい。すご。



 強いモノや偉いモノには媚を売っておいて損はない。それで私の待遇が上がるならいくらでも売ろう、わんわん。私は満面の笑みをドアップ様に向けた! ドアップ様は喜んだ! ふ、チョロいもんよ、ドアップチョロイン女王様だね。


 銀髪ちゃんは何やら複雑そうな顔をしている。

ふふふ、嫉妬してるんだね、分かるよ。家で自分に1番懐いていたと思っていたペットが、自分以上にお母さんに甘えていたら複雑な気持ちにもなるよね。でもしょうがない、しょうがないんだよ。今後の私の待遇のためなのよ。



 それからはドアップ様を中心に、ここにいるメンバーで話が盛り上がっていた。

ドアップ様はすでに鳥籠から顔を離していてドアップではなくなっていたけれど、1度定着してしまった呼び方ってなかなか変わらないよね。


 ドアップ様はひたすら私になにやら問いかけているが、名前を呼ばれていること以外は何もわからない。それより私はテーブルのクッキーに目をやった。紅茶は見ない、飲むのが大変だからだ。


 私の物欲しそうアピールが伝わったのか、ドアップ様がクッキーの乗ったお皿をこちらへ押し出してくれた。これは食べて良いってことだよね、ひゃっほぅ! 私は鳥籠から出てクッキーに飛びついた。


 分厚いな……、すごく分厚い。

人間サイズのクッキーは、私にとっては多段重ねハンバーガー並みの分厚さがあった。ダブルやトリプルを超えてクアドロプルくらいある。まぁでも、大グチ開ければ届かないこともない。私のクチの大きさを見るがいい。私はクッキーにかぶりついた。


 ゴリッ


 硬った! これはダメだ、噛み切れない。仕方なく私はクッキーの端を崩して小さくし、欠片を食べることにした。


 うーむ、思ったより甘くない? あと硬い。この世界の文化レベルだとこんなもんなのか、それともここの王家が健康志向なのか。どちらにしても、甘味に飢えていた私はちょっと残念な気持ちになった。これは早く果物を食べられるようにせねば……。


 その間もドアップ様は何やら色々言っていて、銀髪ちゃんは口数少なめだった。



 しばらくして解散となり、私は元の部屋に戻された。銀髪ちゃんと鳥籠メイドさんがずっとこちらを見ている。……何故だ?


 気まずくなった私は、今日も観光に出かけることにした。後ろから声がかかった気がしたが、今戻ったら余計気まずい。



 さて、今日はどこに行こうか。外を見ると雨は止んでいたけど、地面がべちゃべちゃだ。今日もお城探検をしよう、私は地図を出す。お城だから必ずある筈。そう、宝物庫が!



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― 新着の感想 ―
[良い点] マジカルパウアで甘くしたらいいんじゃないかな!
[良い点] ドアップで駆逐してやる巨人様が浮かんだ、私は悪くない。 甘味はやはり少ないか~ 自由すぎる妖精様には鈴付き首輪でもプレゼント!
[良い点] いや主人公行き当たりばったりだなw そしてドアップ様はやめてさしあげろw [気になる点] 甘くないクッキー・・・ おから入り? [一言] あの木どうなったのやらw
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