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1.神様の世界

私の人生で初の小説であり初の投稿です。

書き方が下手だったり、誤字脱字があると思いますが見つけ次第修正していけたらいいなと思います。

批判や駄目出しもしっかりと受け入れて今後の話に生かしていこうと思いますのでアドバイスを頂けると幸いです。

「やあ。はじめましてだね」


 声をかけられて俺は目が覚めた。声の主は目の前に居るが全く見覚えのない少年だ。それに加えて、周囲には何もない。まるで波のない海の上にいるような感じの場所だ。

 要するに、俺は気が付けば、よく分からない場所で、よく分からない少年に声を掛けられているというよく分からない状況になっていた。

 最初は夢を疑ったが、夢にしてはあまりに意識がはっきりしてるし、あまりにリアルだ。

 俺は寝室で寝てたはずなんだけどな……。

 いくら考えてもこの状況が分からないので、目の前の少年に聞いてみることにした。


「えっと……貴方は?」

「僕かい? 僕には残念ながら名前は無いんだけど君の立場からだと僕は神様という事になるね!」

「は、はぁ……」

「君ぃ……信用して無いなぁ?」

 当たり前である。 


「なら信用させてあげようじゃないか! 君の名前は村上和也。高校3年生の18歳、誕生日は8月13日で彼女無しの童貞」

 ほっとけ。

「偏差値は50くらいの普通の高校に通っていて、部活は帰宅部。 特に頭も良くなければ、運動もできるという訳でもない。 友人はそこそこいるから楽しい高校生活ができている」

 ここまでは俺の情報と一致してる。しかし、これは一般的な男子高校生ならば当てはまる様な内容だ。この程度で神様を信じる訳にはいかない。

「後はそうだね……小学5年生の夏に教室で君は」

「あーうん!神様だね!信じる信じる!」

 これ以上は言わせない。

 俺は、神様の話を遮りながら言った。

「信じてもらえてよかったよ」

「それで? 神様は俺に一体何の用?」

「それを今から話そうと思ってたんだ!」

 神様はニコリと笑い話を続けた。


「君には異世界に転移してもらうよ」

「……ごめんなさい、ちょっと何言ってるか分かんない」

「簡単に言うと、君を元いた世界とは違う別の世界に転移させるってことだよ」

「欲しい回答はそれじゃないよ……」

 俺は項垂れる様に言った。すると神様は俺の言っていることが分からないのか首を傾げた。

「何が分からないのさ?」

「いや……もう何がなんだかさっぱり分からないんだが……。その前に聞かせてくれ。ここはどこだ?」

「ここは、そうだね……ザックリ言うと僕の世界だね」

「夢ではないんだよな?」

「うーん……一応夢ではないんだけど、君の精神をここに呼んで話をしているから夢に近いのかな? まあそんな事はいいじゃないか」

 ここが神様の世界ってことは、何となくそれはわかってたけどさ……。


 俺は改めて周りを見渡す。しかしどこを見ても周りには何もない。水平線なのか地平線なのかよくわからない景色がどこまでも続いている。

『殺風景』と言う感想が最も合う景色だろう。

 マンガとか小説で神様の世界とかはよくあるけど、まさか俺が来ることになるは思ってもなかったな……と言うかちょっと待てよ、ここが神様の世界ってことは!

「俺は死んだのか⁉︎」

「死んでないよ。死んだらここに呼べないじゃないか」

 神様はケラケラ笑いながらそう言った。


「呼べない?」

「そう。死んだら仏になるって言うでしょう? 神が手を出せるのは、人間や生物だけで、仏や他の神には一切干渉できないんだ」

「そういうものなのか?」

「そういうものさ。神様も万能じゃ無いんだよ。君の身体はベッドの上でぐっすりだよ」

 とりあえず死んでいないことに一安心だ。

「じゃあ死んでないのに何で俺はここに呼ばれたんだ?」

「それはさっき説明したじゃないか」

「そうじゃなくて! 何で俺なんだよ!」

 こう言ってはなんだが、俺はどこにでもいるような一般人だ。そんな俺が異世界に呼ばれるのだ。実はすごい才能を持ってるとか何か理由があるはず!

「別に? なんとなくだよ?」

「はぁ?」


 人生でこれ以上にない程の間抜けな声が口から出た。

「なんとなくって……どういうことだよ」

「なんとなくはなんとなくだよ。正確に言うとたまたま君になった」

 まさかの回答に呆然とする俺を無視して、神様は話を続ける。

「世界人口約80億人の中から無作為に1人だけ選んだ結果君になったんだよ。宝くじに当たるより低い確率だよ!」

「そ、そんな偶然があるはずがない! だっておかしいだろ! 約80億もいる中からピンポイントで俺になるなんて!」

「たとえ何人いようと1人は選ばれるんだ。そんな偶然もあるさ」

 神様は俺を選んだクセに随分と他人事のようにさらっと言った。

「じゃ、じゃあ俺を選んだのは、俺の中の可能性とかでもなくて……」

「何かがあると期待してたらなら申し訳ないんだけど何もないよ。そもそも、平和な世界の日本なんて平和な国で平和な生活を送っている平和ボケした君に何か才能があるとでも?」

 うーん自覚があるとはいえ、ここまではっきり言われるとイラッとするな……。

「じゃあ、その平和ボケした俺は何のために行くんだよ。」

「それも特に理由はないよ。強いて言うなら暇だったからかな」

「はぁ?」

 人生2度目の間抜けな声。一体この神様は何を考えているんだ。

「君が行く世界は見ていてとても楽しくない。折角君たちの世界にない『魔物』や『特殊能力』があるのに……強くなって行くのは決まった人間だけで何も変わらない世界。見ていて何も面白くないんだ」

 それを聞くとちょっとワクワクしてきちゃったぞ。

 そんな感想を持ちながら話を聞く。

「だから、別世界の人間を入れたら少しは変わるんじゃないかなって思って、君たちの世界の人を1人入れることにしたんだ」

 なんて自分勝手な神様だ!

「なあ、これって俺じゃなくてもいいんだよな?」

「うん。君じゃなくてもいいよ」

「チェンジで」

 俺はきっぱりと言った。

 誰がそんな自分勝手な神様の快楽の為に異世界に行かねばならんのだ。

「残念ながらこの話を聞いた瞬間に拒否権は無くなっちゃったんだよね」

 俺は膝をつきガックリと項垂れる。

「まあ君には楽しい世界だと思うよ?特殊能力もあるし、君の年齢なら憧れる英雄にだってなれる世界さ」

「……今現在何も特殊な能力に目覚めてない俺に英雄になれるとでも?」

「このまま放り出したら最初の街に行く前に殺されちゃうね」

 さらっと殺されるって言われたし……。

「だから君に神器を授ける事にするよ」

 俺はそれを聞いた瞬間に姿勢を直し、神様を見る。

 神様は右手の手のひらを上にしながら前に出すと、そこに光が集まって行く。そしてその光が凝縮されているのか、1つの立方体になって行く。時間にして約1秒、その間に光が集まり……。

「君には『神の六面体』を与えよう」

 神様の手のひらには、手のひらサイズの正六面体が乗っていた。

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