次回予告 001 名古屋木郡上編
はい、ここで曲間の過去篇が始まると思った方々、残念でした。
あいつの過去篇なんてものは、永遠に始まりません。捨てました。具体的には、パソコンの端っこにある『ゴミ箱』ってところに突っ込みました。
ということで、やっほ、俺です。名古屋木郡上です。
まあ、こんなところでいきなり出てこられても、誰? ってなるよね?
伏線はちょっとずつあったんだけどな。曲間の中学時代唯一の友人とは、俺のことです。
そんな名古屋木郡上が、青春アスハラクのシメを務めるということで、かなり緊張しています。
ここまで青春アスハラクをお読みくださっていただいた皆様、申し訳ありません。
曲間水面がふがいないせいで、ジャンルがローファンタジーになってしまったので、青春アスハラクはこれでおしまいです。
俺たちの戦いはこれからだ! です。
冗談はさておき。
これから起こるはずだった物語を、せっかくだから俺がダイジェストで紹介しようかと思う。せっかくここまで読んでくれたのに、投げっぱなしじゃわるいしね。
四月。卯月。
曲間水面は白い鬼に出合い、人間から化け物へと、化け物から人間もどきへと存在を変える。
五月。皐月。
喜界島巴は白魚扁馬によって、三年間失っていた影を取り戻す。
六月。水無月。
曲間と再会した、吸血鬼となった海老原御門と、御門を吸血鬼にした、灰原が現れ、曲間の姉妹を殺したアイディアンソロジーが死ぬ。
七月。文月。
雷堂こなたが行方不明になり、必死に探す曲間水面。
八月。葉月。
夏休み、フランス旅行へ発った曲間と白魚。曲間はそこで、春休みに殺しあった好敵手、シャッテンバルケと再会する。
九月。長月。
文芸部部長、西彼杵の誤算によって、楔無高校文芸部の三人は、異世界旅行へと。
十月。神無月。
扇に宿っていた鬼の力が、曲間の鬼を殺し、曲間は瀕死の重傷を負う。
十一月。霜月。
喜界島は昏睡状態の曲間を救うため、突如失踪した白魚を探すべく旅に出る。
十二月。師走。
海老原御門が失脚し、新生徒会長に雷堂こなたが就任する。
一月。睦月。
海老原御門と曲間は、命を懸けた、一世一代の大喧嘩を勃発させる。
二月。如月。
灰原の計画は頓挫し、灰原が死亡。
三月。弥生。
曲間水面、享年十六歳。
とまあ、こんなところだろうか。
激動の一年だよ、まったく、どこをどうすればこんな風になるのやら、俺にはさっぱり見当もつかないね。
だが、まだつまらない。
だったら、新しい物語をつづろう。
新しい青春――そうだな。
題名は、新春アスハラクで、どうだろう。
さて。
俺たちの物語は、まだまだ終わらない。




