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海風  作者: 花蝶水月/五月雨黛
三章 ~すれ違いと真相~
5/8

告白

回想一旦終わり



 静かに波の音が聞こえる。

 まるであの時みたいだ。

 そう思ったのは私だけなんだろうか。

 でも、あの時とはどうしても違う……。

 海に面した砂がサンダルを脱いだ足に軽く食い込んで足跡を作る。

 海を眺めながら人気の無さそうな所まで歩き、やがて完全に人が居なくなった所で足を止めると、凪が意を決した様に口を開いた。


「あの……」

「……何?」

「僕は水乃ちゃんを愛してます」

「…………」

「そして、この気持ちはこれからも変わりません」

「…………」


 何よ……何なのよっっ!!

 私が今までどんな気持ちでいたかっ!!


「絶対ですよ。絶対、生まれ変わっても必ず僕は水乃ちゃんを愛すから…」

「……か……」

「……え?」

「ばっかじゃないのっ!?

 愛してますとかっ!

 よくも恥ずかしげもなくっ!!」

「…………」


 悲痛そうな顔しないでっ!!

 泣きたいのは私もなのに何でっ!!

 何で凪がそんなに悲しそうなのよっ!!


「ずっと変わらないって本当に言えるの!?

 絶対って誓える!?」

「…………」


 悲しげに微笑まないでよっ!!

 ねぇ……凪、絶対って言ってっ!!


「凪っ!!

 貴方はやっぱりっ!!」

「えぇ、わかってます」

「っっ!!」

「だから……本当にごめんなさい」

「……めて……」

「でも、この気持ちは変わらないですから…」

「そんなの嫌よっ!!」

「もう、時間みたいなんです」

「だって……」


 凪からそんな事聞きたくないっ!!

 止めて、言わないでっ!!

 凪っっ!!


「何の為にっ!!」


 私が何の為に……今までっ!!


「最後に」


 凪は私の言葉を無視して続けて言ってしまう。

だけど私も凪の言葉を聞きたくなくて、認めたくなくて無視して叫んでしまう。

 それが、凪の気持ちを踏みにじる行為だったとしても…


「本当の事を言わなかったと思ってるの!?」

「本当の事を言ってください」




次回はまた回想入ります。


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