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神の山の民  作者: 夢之中
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交渉

村長の家の前には、多くの村人が集まっていた。

ゼットは、息を切らしながら口を開いた。

ゼット:「王国軍がこの村に進軍してくる。すぐにエンクローズ村に逃げるんだ。」

村人:「なんだって!!」

村人達は、ざわめきだした。

ゼット:「理由はわからない。しかし、これは事実なんだ。」

村長がゼットを制して前へ出てきた。

村長:「私は、村長として話をしてみようと思うのだが。」

この発言で、村人の半数が村長を支持し、話し合いを望んだ。

2つの議論が始まってしまったが、ゼットの大声がその場を制した。

ゼット:「だまれ!!」

突然の大声で村人が沈黙した。

ゼット:「すまない、時間がないんだ、そこで提案がある。

   最悪の場合を考えて、女子供だけでも、先に避難させてくれ。」

村長:「たしかにゼットの言うことにも一理ある。

   女子供だけでもまず避難させるとしよう。

   それでは、避難を指示するもの達は女子供の付き添いで一緒に洞窟へ向かってくれ。

   話し合いを支持するものは避難を指示したら、ここに集合するように。」

ゼット:「洞窟は狭い、できる限り身軽な格好にしてくれ。」

村人達がのろのろと自宅に返るのを見つめながら、ゼットは思った。

ゼット:(この村は平和すぎた。)

しばらくして、避難が開始された。


この間もゼットは、動いていた。

自宅に戻り、油壺を抱えると村長の家の裏手に向かった。

途中で荷車に適当な大きさの角材を見つけると、緊急事態だと

つぶやきながら、それを拝借した。

洞窟は、村の入り口を直進したところにある村長の家の裏手にある。

周りは、やや高めの柵で覆われており、木戸が1つあった。

これは、動物の侵入を防ぐことが目的であった。

洞窟の入り口に油壺を置くと、村長の家の前にもどった。

そこでは、話し合いのための議論行われていた。

そんな中、村長が口を開いた。

村長:「話し合いは、わしとゼットの2人で行う。

   他のものは、洞窟の入り口で待つように。」

しばらくすると、村人が声を上げた。

村人:「おい、しずかに!!」

ドドドドドド・・・という何かが近づいてくる音が聞こえる。

村長:「来たようだ、話し合いをしてくるとしようかのう。」

村長は立ち上がると、ゆっくりした足取りで村の入り口へと向かっていった。

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