表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神の山の民  作者: 夢之中
4/34

告知

エンクロウズ村のカイルとボトム村のゼットは、食料の買出しのため王国に来ていた。

王宮前の広場を通過しようとしたとき、兵士が何かを貼りだしているところだった。


ゼット:「今日も暑いな、、、買い物も済んだことだし、一杯ひっかけてから帰らないか?」

カイル:「そうだな、買い物役の楽しみといえば、それぐらいだしな。」

ゼット:「おい、あれを見ろよ、兵士が何か貼り出しているぞ、なんだろうな?」

カイル:「どうせ、罪人の手配書かなにかだろうが情報収集も仕事の一つだからな、読んでおくか。」

ゼットとカイルは、貼紙を眺めた。

ゼット、カイル:「なっ、なんだと!!」

ゼットとカイルは、内容を読んで愕然とした。

二人は顔を見合わせると、周りに悟られないように無言のまま城門に向かった。


告知と書かれた紙には、神の山の民は悪魔の使いであること、悪魔の使いとそれに組する者達を

兵を率いて地に返すことが書かれていた。


城門を出ると2人は、買出し品の袋を放り投げ、ボトム村に向けて走った。

2人は、時々振り返りながら、先を急いだ。

カイル:「これなら兵隊より先に村に着けそうだな。」

ゼット:「我々以外に遠出してる者はいなかったよな?」

カイル:「ああ、我々だけのはずだ。信じるしかない。」

ゼット:「そうだな。」


ゼット:「ところで、カイル、ボトム村に着いたときに、兵士がいなかったらでいいんだが。」

カイル:「どうした?」

ゼット:「お前は、すぐにエンクローズ村に向かうんだ、そしてこのことを皆に伝えろ。

    私は、ボトム村の皆に伝える。そして全員をエンクローズ村に避難させてほしいんだ。」

カイル:「なにをいまさら。」

ゼット:「ありがとう、そこで頼みがあるんだ、私の弟と妹をお前につれていってもらいたいんだ。

   俺は村の皆を非難させるために動くことになる、そのことを知れば2人は手伝うと言うだろう。

   2人には、生きてほしいんだ。」

カイル:「急に何を言い出すんだ、全員生き残るにきまってるだろ。」

ゼット:「そうだな、そのために全力を尽くすつもりだ、だから、2人を頼む。」

カイル:「わかった。」

カイルは、ゼットの覚悟を察した。


しばらくの間、2人は無言で走り続けた。

長い道のりであったが、不思議と疲労を感じなかった。


2人は遠くに村が見えてきた時に、火や煙が見えなかったことに安堵した。

カイル:「なんとか間に合ったようだ。」

ゼット:「なんとかな、、、。」

到着したとき、村は普段と変わらなかった。


ゼットは、カイルの肩を叩きながらつぶやいた。

ゼット:「カイル、2人をたのむ。」

カイル:「わかった。」


ゼットは村に入るなり、走りながら大声で叫んだ。

ゼット:「緊急事態だ!!すぐに村長の家の前に集合してくれ!!」

何度も何度も叫びながら村長の家を目指した。


カイルは、横道に入るとゼットの家を目指した。

ゼットの家に到着すると、勢いよく扉を開けた。


ジェイ:「うぁ、びっくりした。カイル兄ちゃん、いきなりどうしたの?」

カイル:「エルは、どこにいる?」

ジェイ:「裏の花壇で花の手入れをしてるよ。」

カイル:「緊急事態だ、すぐに洞窟に向かう、一緒に来い、走るぞ。」

ジェイは、カイルのただならぬ気配に気圧され、一回身震いすると、

目の前にあったエルお気に入りの人形を掴み、カイルの後について走った。

カイルは、裏の花壇に向かうと、エルを抱きかかえて走り出した。

エルは、なにが起きたか分からなかったが、抱きかかえた人物がカイルであること、

そして、後ろから兄が走ってきていることで、黙って従うことにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=493265385&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ