プロローグ
バルディア国の一軒家に子供達が集まり、部屋はざわついていた。
その前には1人の老人が揺り椅子に座っている。
老人は、ゆっくりした口調で話し始めた。
老人:「これから話すのは、魔法使いと呼ばれた男の物語。
このバルディア国の伝承の記録でもある」
子供達は私語をやめ老人の声に聞き入るように注目した。
老人は、子供達をゆっくりと見回し1回頷くと話を続けた。
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遥か昔、平野には狩りで生活する者達がいた。
北の空には天高くそびえる山があった。
人々はその山を神の山と呼び、神の住まう山として崇めていた。
そんなある日、台地の揺れと共に山が真っ赤に染まった。
空には巨大な黒雲が渦巻き、しだいに大きくなると空を覆った。
そして光は失われ、世界は闇に包まれた。
人々は神の怒りとして恐れ慄き、一箇所に集まると、怒りを静める為に祈り続けた。
怒りは10年にもおよんだが、凄まじい台地の揺れとともに突如として山は消えうせた。
この後、完全に光を取り戻すまでに3年の時が流れた。
光を取り戻し、さらに100年の月日が流れた頃、村に疫病が蔓延した。
疫病を恐れた村人の一部は、その地を離れることを決心した。
ある者たちは、海を越え、ある者たちは神の山に楽園があると信じ山を目指した。
しかし、いずれも戻ってくるものはいなかった。
残った者達は、一度村を焼き払うことで疫病を克服した。
この提案・実行をしたのがバルディアという若者だった。
この後、バルディアを新たなリーダーとして村を再建していった。
そして、その功績を称え、バルディア村となった。
北の山に向かった者たちの一部は、山を越えることが不可能と考え、
山の麓に村(ボトム村)を作り、バルディア村と交流をしながら
楽園を夢見て山を掘り道を作ることを始めた。
そして彼らは代々にわたり、その意思を継承しながら掘り進めていった。
バルディア村はしだいに大きくなり国となっていった。
そして初代国王にはバルディアの子孫が祭り上げられた。