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鉄道警察隊、西村のスイリ。  作者: オリンポス
【4回目のスイリ】
7/46

(File5)リーフの暗号③

新しい友だち(4)

・イトウ

・にいさん

・ムイミ

・とうさん


 リーフのスマートフォンには4名が登録されていた。

 しかしこれでは、ひとりだけ足りない。

 いったいなぜだろう。


 なにか秘密があるのだろうか。


 しかし悠長に推理ばかりもしていられない。

 下痢のほうもそろそろ限界だった。


 西村は便器にまたがり、警察を呼んだ。

 念のため暗号のことも伝えておいた。




 西村はパーティー会場に戻り、なんとはなしに彼らの首かけカードを観察してみた。


【島崎鳴海、女性、2月3日生まれ。趣味:裁縫】

【瀬波小春、女性、6月13日生まれ。趣味:料理】

【細川守、男性、10月3日生まれ。趣味:野球】

【岩井香苗、女性、7月4日生まれ。趣味:読書】


 そしてリーフが彼らにつけたあだ名は。

【にいさん】

【むいみ】

【とうさん】


 リーフ(?)の暗号は。

【十二、3、H、10、9、0。7、4、2、5、6、3、0、3】


 そして確実な判断材料が2つ。

【西村京三郎、男性、1月10日生まれ。趣味:写真撮影】→”イトウ”

【中山和也、男性、8月8日生まれ。趣味:四則演算】→”リーフ”


 これらをもとに推理を組み立てると――。


「そういうことだったのか」

 ボソッとつぶやいて、西村は再び体育館を離れた。


 西村は受付に行って、受付名簿を借りた。

 予想通り【なかやまかずや】と、平仮名でリーフの本名が記入されているページがあった。

 しかし字体がかなり崩れていて、判読するのも一苦労である。


「やっぱりそうだったのか」

 受付嬢に礼を言って、西村は外に出た。

「犯人は【イトウ】【にいさん】【ムイミ】【とうさん】じゃない」

 パトカーの到着を待ちながら、

「犯人は【ナシ】だ」

 西村は言うのだった。




「この前はどうもありがとうございました。西村さん」

 山村刑事が深々と頭を下げ、

「やあ、お久しぶりですね。西村さん」

 内田警部は手を上げて、ほほえんでみせた。


「いえいえ。こちらこそ、前回の事件ではご迷惑をおかけしました」

 西村は丁重にお辞儀をして、刑事を出迎えた。


「それで、殺害現場はどこかね?」

 内田警部の質問に対し、

「こちらですよ、警部」

 と、西村は余裕の表情。「謎はすべて解けました」


「いちおう、暗号というのを見せてもらおうか?」

 2階のトイレに到着すると、鑑識が写真撮影を行っているところだった。

「ええ、構いませんよ」

 西村は両刑事に、スマートフォンの画面を向けた。


【十二、3、H、10、9、0。7、4、2、5、6、3、0、3】


「内田警部、これはどういう意味でしょうか?」

「むう、わからん」


「わからないのも無理はありませんよ。これは暗号ですから」

 そう言ってスマートフォンを片付ける西村。

「これから私が解説しますので、よく聞いていてください」

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