(File22)第一関門②
「なにかわかったのか、西村っち?」
東川は驚いたように聞く。
「南拓実少年の言う通りでした。この暗号には、まだ先があったんです」
西村は興奮して言った。
「どういうことかな、西村くん」
島崎もわけがわからないといった表情をしている。
「考えてみれば当たり前のことですが、この問題は暗号を解くことができなくても、勘で目的地に着くことができますよね。だって候補地を表示してしまっているんですから」
「そ、そうだね。でもそれがどうかしたの?」
「それでは暗号を解読しなくても、ローラー作戦で正解ができてしまうでしょう」
そう西村は指を鳴らした。
「ならば仕掛けているはずなんですよ、選択肢の中にも暗号を!」
「え、暗号?」
「"初めに、神は天と地を創造された"。これは旧約聖書を示唆する文言だとばかり思っていましたが、それだけではなかったんです。天と地。頭文字と最後の文字。これをアトバシュ暗号で導き出した答えに代入すると、"ち"(いきぶんか/あさくさ/そうごう)"か"となります。この建物の地下にあるのは、浅草駅の地下鉄です。おそらくそこが正解でしょう」
「なるほど。推理の冴えは相変わらずだな、西村っち」
「今度こそ負けませんよ、東川さん」
「なんだかんだで仲がいいんだね、2人は」
島崎の言葉に、
「いいえ、仲はよくないです!」
西村だけが噛みついた。




