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鉄道警察隊、西村のスイリ。  作者: オリンポス
【6回目のスイリ】
16/46

(File14)西村くんのスイリ対決①

 推理大会には予選と本選があり、予選を通過した者のみが、本選への出場資格を手に入れることが出来る。


 本選では純然たる推理バトルが繰り広げられたが、予選はそうではなかった。

 いわゆるカルトクイズ。

 鉄道に関するちょっとマニアックな問題が出題されたのだ。


 たとえば――

①平均駅間距離が長いのは次のうちどれ?

 東海道新幹線

 山陽新幹線

 東北新幹線

 上越新幹線

 長野新幹線

 九州新幹線


 とか。


②川端康成の小説『雪国』の冒頭、国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

 このトンネルの名称はなに?


 というような問題である。


 それが東海道新幹線であるとか。

 清水トンネルだということは、当時の西村も知っていた。


 だから触れるべき点はやはり、推理大会本選の出来事なのだ。

 西村京三郎と東川州が出会うことになった、元凶ともいうべきあのスイリ対決を語るべきなのだ。




「そのバッジが大会出場者のトレードマークとなりますので、くれぐれも失くさないようにお願いします」

 駅員の待合室には、推理大会の予選を突破してきた本選の出場者たちが集まっていた。

 出場者各人にはバッジが配布されており、胸に着けておくように指示されていた。


「んで、俺たちはこれから何をすればいいんだ? またカルトクイズとか言うんじゃねーだろーな」

 お土産袋を手に提げている角刈りの青年は、ちょっと不機嫌そうだった。

 遠路はるばる来たのだろうか、その袋にはご当地の名産品が入っていた。


「いいえ、あなた方にやっていただくイベントは……」

 恰幅の良い体型の中年男性はいたずら小僧のように目を細め、「推理対決です」と宣言した。


「推理対決だあ? もうろくしてんじゃねーぞ、ジジイ」

 角刈りの青年は相も変わらず、口調が乱雑だった。

「そんなのやってられるか」


「やりたくなければ結構です」

 中年男性も負けてはいない。

「その代わり辞退した扱いになるので、バッジは返還してもらいますが」


「ふん、だれもやらないなんて言ってねーだろうが」

 中年の男性はめんどうくさそうに眉間を揉んでから、

「ではルールを説明させていただきましょう」

 と切り出した。


「出場者各位にはこれから、ある謎々をしたためた手紙を渡します。

 それには駅構内もしくは駅周辺のある場所が示されているはずです。

 わかり次第その場所に行って、係員からなんらかの指示をあおいでください」


「了解!」

 角刈りの青年は腕組みをしながら、イライラと足を踏み鳴らした。

 それぞれにプリントが配布されると、彼は真っ先に奪い取って、火の着いたように待ち合い室を駆け出して行った。


「いくら急いでも、暗号が解けなんだら意味がありません。くれぐれもよく考えてから動くのですよ。フォッフォッフォッ……」

 太鼓腹を揺さぶりながら、中年男性は奥へと姿をくらました。


「さーて。なんか面白くなってきた」

 西村少年は配布された紙面に目を落とした。


『第一問。

いえのほいけ

(寝癖をなおして考えろ)』

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