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鉄道警察隊、西村のスイリ。  作者: オリンポス
【5回目のスイリ】
14/46

(File12)奇術と推理の対決⑤

<共通項を探せ>


①【愚かなる心や見えんます鏡】

②【ベリリウム】

③【扇】

④【ダイヤモンド】

⑤【松方正義】


<島崎鳴海の予想>


①保留

②4番目(原子記号)

③2番目(季節)

→暑いときに使うから。

④保留

⑤保留


「共通項は4かもしれませんね」

 西村は慎重に思索を進め。

 その過程を口述していた。


「そしたら③はどうやって考えればいいのかな?」

 島崎は興味深そうに訊いた。


「とりあえず4階に行きましょうよ」

 山村刑事はどうでもよさそうに言った。


「③はきっと縁起の良い初夢のことですよ――島崎さん。

 一富士・二鷹・三茄子・四扇・五煙草・六座頭。

 だから【扇】は【4】です」


 このように考えれば、以下のように表が埋まる。


①保留

②4

③4

④保留

⑤保留


「ちなみにダイヤモンドは野球用語で、ファースト、セカンド、サード、ホームベースの4つを結ぶ正方形のことですしね」

 次々と暗号を解読していく西村。

「⑤の松方正義ですが、どんな人物かわかりますか?」

 あまり期待せずに、西村は訊いてみる。


「明治時代の偉い人!」

 大きな声で島崎は言った。

 意外なことに外れてはいなかった。


「政治家でしたっけ?」

 山村刑事は難しい顔をしながら、小さな声で答えた。


「第4代および第6代の内閣総理大臣です。

 ここでも【4】という数字が浮上します」


 そして、西村は。

 この暗号で最難関の①についての解説を始めた。


「愚かなる心や見えんます鏡というのは、増鏡の序文です。

 これは、【大鏡】【今鏡】【水鏡】【増鏡】のいわゆる【四鏡】でいうところの、最後の作品です。

 だから①も4が当てはまるはずです」


 こうして100パーセントの確証を得て。

 西村達は4階の屋内駐車場へと向かった。


「あとはアスファルトに【D】とペイントされている箇所を探せば――」


「よお、西村っちご一行さん。早かったじゃんかよ」

 東川は自動販売機に寄りかかるようにして、彼らの到着を待っていた。


「どうだい、楽しんでもらえたかな?」


「東川さん。いい加減にしないと、本気でブチ切れますよっ!!!!!」

 西村は温度のない目で、東川を睨みつけると。

「いつまでこんな嫌がらせをするおつもりですか?」

 静かに怒鳴った。


「なになにっ!? 2人はどういう関係なの?」

 突如始まった一触即発の状況に、オロオロとうろたえる島崎。


「まあまあ車に乗ってゆっくり話そうぜ。楽しい楽しい昔話をさあ。なあ、西村っち」

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