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地下迷宮運営者の悩み  作者: 柘 榴
第一章
8/10

新人運営者さん、探索する

さて、先ずは階層を増やそう

そうしなければ何となくだが、俺の記憶へのヒントもない気がしたからだ

【そうそう、それと階層を増やすごとに勝手に様々なタイプの地下迷宮ダンジョンになるようです

それを移動させたり、トラップを設置したりし、より良い地下迷宮ダンジョン作成を期待しています】

楽しそうに声を弾ませるミルシィに頷き、改めて考える


まず、ダンジョンは階を降りる、または登ることにより難易度が上がってゆく

そのなかで死にゆく者も入れば、突破する者も居る

それを食い止める為にトラップがある


さて、俺の場合は階層を作成した瞬間に攻略した方が良いだろう

攻略を終わり次第、次の階層を作成しつつトラップを作っていけばいい

俺は元は冒険者でしかも軍人だ、冒険者や軍人の思考は未だに抜けきれていないからな、そこの隙をつくようにトラップを仕掛ければいい

よし、そうと決まれば何階作るかが問題だ

この部屋に通じる森で食料は調達出来るだろう

ならどうする?ここはダンジョンだ。人を誘き寄せる為に宝箱やらが少なからずある筈だ、まずは森の探索に出よう

その後に次の階層を作成すればいい


目的が決まったことだし、出発するか


~~~~~~~~


まぁ、結論から言うと特に何もなかったので階層を増やすことにする

あぁ、そういえばユニコーンとワイバーンが復活していた

何だか微妙な気分になったので見なかったことにした


さて、新しい階層は海だな、うん

探索すると結構な時間が掛かりそうだなと思いつつ、周りを見渡してみる

光輝く透明な海がまるでガラスのように向こう側を写す姿は神秘的だ

惹かれる筈の景色をただ、美しいと思う

別に未練がましく見つめる気もないので改めて周りを見渡す

所々岩が小さな陸のように海面に出ており、泳いで進めとでもいうかのように主張する

そのことに少しだけ顔を歪めつつ、モンスターの気配を探る

基本的には海の中のみだが時おり空中からも察知出来る

空を飛ぶモンスターか…中々に厄介だ

そんななか、近くの浅瀬で何かが光る

不思議に思い、近付いてみることにした


そこにあったのは、岩に引っ掛かったサファイアが嵌め込まれた指輪だった

何故か既視感デジャヴュに襲われる

この指輪を何処かでみたことがあるのだ、なのに思い出せない

その苛立ちに頭を掻く

一つ、溜め息を吐き、もう一度指輪を見る

繊細な、まるで水を表したような模様が絵描かれた金属部分に合わせたように深く透き通るサファイアを飾り立てていた

小さくもなく大きくもないサファイアには炎を表したような模様が彫られていた

どこまでも繊細な芸術作品を何故か冷めた眼差しで見つめていたら、頭が痛くなる

仕方ない、今日の探索はここまでにするか

そう思い、足早にその階層から出ていった

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