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月夜の空  作者: みづき
四章 孤独の狐
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三話

 じゃり、と土を踏み潰すように少年は歩いた。

「なかなか、だったな」

 口元を歪にゆがめ、少年は言葉を吐き出す。

 少年の口元は楽しそうに曲げられているのに、その射るような目は欠片も笑っていない。むしろそれが、不気味と感じさせるほどに。

 そしてそのまま、首をひねり後部を見る。

 木に覆われている中、浮きだって見える赤い屋敷。さきほどまで、少年がいた場所。

 正確には、近くにだが。

 けれど、少年にはそんなことはどうでもいい。

 鋭い瞳で見るものは、いつも同じものだった。恨んでも恨みきれないほどの。

「このまま行けば順調、かな……?」

 あの反応を見る限り、まだ話してはいないのだろう。

 何も知らない、ただ困惑の瞳を向けてくるあの少女は、何も教えては貰ってない。

 それをしたのは、他ならぬ――。

「愁……」

 緊迫した声が聞こえ、少年の足が止まる。

 少年の名を呼んだ男は、おずおずと茂みから顔を出してきた。

「ど、どうだったんだよ……?」

「どうって、なにが?」

「なにがって、その……」

 言いよどむ男に、愁は瞳を細め喉で笑う。

「まぁまぁだよ。今のところはな」

「えっ?」

 歩き出そうとした愁を引き止めようとしたが、伸ばした手は空を切り行き場をなくした。

 みるみる遠ざかっていく後姿を、男は半ば呆然と見ていた。

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